のどかな山間と風変わりでコクのある店がある街。はま旅Vol.23「高田編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第23回は、横浜市編入からは72年の街、駅としては歴史3年の高田駅。
ライター:クドー・シュンサク
高田のもうひとつの顔、山間
そうこうして歩いていると、大きな川にたどりついた。
街の景色から、途端にのどかな風景へと変わった。
“みねのおおはし”が架かる早渕川(はやぶちがわ)
しばらく川沿いを歩き、同行の安斎氏は、何気なく向日葵の種を食べたり、渋柿と戯れたりと、少しのんびりとした時間が流れ、あてもなく歩いた。
渋柿と安斎氏
そのまま歩いていると、川の向こう側に山間のような景色が少しずつ広がってきたので、山間の方へ歩を進めてみると、数分前までいたあたりの街並みからは想像のつかない、田舎情緒ある景色が一面に広がった。
川を越えて少し歩いたらこの景色
人がいないのが不思議だったが、ひとり、畑で作業している方がいたので話かけてみた。
草むしり中、本郷ふせさん
明るい性格のふせさん。普段は、古くの時代から伝わる宗教的芸能のひとつ、ご詠歌の指導をなさっているとのこと。試しに、歌ってくれませんかとお願いしてみたら、「しょうがないねぇ。」と一言つぶやき、金剛流のご詠歌を惜しげもなく披露してくれた。
談笑も弾んだが、次の所へ向かう旨を伝えると、「野菜持って行くかい?」との粋なおことば。
ありがたく、かぼちゃを頂戴しました。
かぼちゃを受け取る安斎氏。ふせさん、なんと92歳
別れ際、ふせさんの「私はもうボケなきゃいけない歳なのに元気で嫌んなっちゃうよ。」に大きく笑って、畑を後にし、歩いていると圓應寺(えんのうじ)と書かれた看板があったので覗いてみることにした。
高田の奥、山間深くへ
“圓應寺”近く、午後3時前
比較的小さめな境内と、長い歴史を感じる立派な本堂。
一種特有な空気の中、住職とともに寺を守る米山善雅(よねやまぜんが)さんに話を聞くことにした。
米山さん。住職は数日間寺を空けているとのこと
以前行われた文化庁の調査の結果、圓應寺の本尊は850年。本堂は確認できる範囲で、建立から450年以上の歴史を誇り、それ以上の歴史を持つ可能性も秘めているという。
本堂の中へ入らせてもらい、本尊の千手観音の撮影許可もいただいた
圓應寺では毎年10月10日に境内にて火渡りの修行行事があるとのこと。この行事は一般での参加も可能。米山さんのお誘いもいただいたので、10月10日、参加してみることにした。
圓應寺近く。一面に蓮の葉が広がる池
もう少し歩いてみようと、山間をしばらく歩き、背の高い向日葵や、大きな梨園やとうもろこし畑を眺めながら、こののどかな気分と景色で、はま旅を終えようと思った。
梨園 | 田畑 |
はま旅を終えて
横浜市内に位置しながら名前すら耳にしたことがない高田という駅。
繁華街や人情賑わう下町にはあまり縁のない、風変わりでコクのある店が点在し、川を越えれば、賑やかな大都市から数十分という場所では想像できない、のどかな山間の風景。
どこかで持っている横浜というイメージとは違う一面を持つ、横浜市内の味わい深い街、高田。
見慣れた街とは違う、非常に魅力のある街だった。
■今回のはま旅「高田駅」周辺
・「POLEPOLE」横浜市港北区高田東3丁目3‐8
・「しゅり食堂」 横浜市港北区高田東1-32-1
・「圓應寺」 横浜市港北区新吉田町4098
― 終わり ―
ほんま かつゆきさん
2012年09月02日 05時51分
すぐ近くに在住だけど掘り下げてもらってよかった 沖縄料理楽しみです。今度行ってきます!