検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

鉄道発祥の地、横浜の京急・JRの駅ホームにある古レールを徹底調査!

ココがキニナル!

日ノ出町駅下りホームに1900年イギリス製の刻印がある古レールが柱として残ってます。横須賀駅にも1885年製古レールが。鉄道発祥の地ヨコハマの駅には鉄道遺産古レールがまだ眠っていそう(横濱マリーさん)

はまれぽ調査結果!

明治半ばから昭和40年代まで、使用済み古レールを駅ホームで再利用。さまざまな年代のアメリカ、ヨーロッパ、国産のレールを確認できた!

  • LINE
  • はてな

ライター:大和田 敏子

JR逗子駅 レールの刻印が見えない!?



次に向かったのは・・・
 


逗子駅
 

東口改札あたりは古レール使用の上家ではない

 
古レール造の上家の場所を教えていただき、そちらへ向かう途中に、ちょっとキニナルものが・・・
 


改修前の逗子駅の跨線橋に使用されていた柱がモニュメントになっていた

 
1899(明治32)年に建設された跨線橋の支柱の一部だそう。2007(平成19)年バリアフリー化工事完成により跨線橋が撤去された際、この柱1本を移設して残したようだ。
 


説明書きも添えられていた

 
建設当時から撤去まで同一の駅で使用され続けた跨線橋としては日本最古のものと記されていた。歴史的にも貴重な柱のようだ。

さて、古レールで造られた上家が残っているのは、このモニュメントの先、上りホーム(1番線)の鎌倉寄りの部分だ。この上家は1951(昭和26)年12月に建築されたものだという。
 


ここ!
 

2、3番線ホームでは、横須賀寄りの部分だけが古レール使用

 
レールの刻印が確認できないか、探してみたが・・・
 


見つからない・・・
 

見つからない・・・

 
古さを感じるレールなのだが、ペンキや腐食により、刻印を見つけることはできなかった。



鎌倉駅 レールの刻印は多数見えるものの・・・



最後に訪ねたのは、観光客らでにぎわう・・・
 


鎌倉駅
 

上家が建築されたのは1931(昭和6)年12月だという

 
駅員さんのアドバイスを受けながら、古レールの刻印を探してみる。
 


見上げたところに刻印が見えた

 
拡大してみると・・・
 


「CAMMELL S TOUGHENEDSTEEL」と読める!?

 
残念ながら、製造年は確認できないが、イギリスのキャンメル社製のよう。後に続く「TOUGH ENED STEEL」は商品名らしい。
 


これもキャンメル社製らしい
 

ここにも刻印らしきものがあるのだが、写真では判別不可能
 

これは真ん中あたり「1889」と読める!?

 
なかなかはっきり文字が読めるレールが見つからない中、かなりはっきり読み取れるものがあった。駅事務室の手前あたりにある柱だ。
 


「CAMMELL S TOUGHENEDSTEEL W 1888 」と読める
 

「1888」とはっきり見える!

 
意味が不明な文字もあるが、イギリスのキャンメル社1888(明治21)年製なのは確かなようだ。

1本だけだが、はっきり刻印を確認できるレールを見つけることができて、ちょっと満足感を得て、鎌倉駅を後にした。



取材を終えて



参考にした「古レールの駅デザイン図鑑」には、近隣では東海道線の小田原駅、国府津駅、大磯駅、横須賀線の田浦駅、北鎌倉駅の上家の写真が紹介されていた。古レール造の上家がある駅は、まだたくさんありそうでキニナってしまった。

駅のバリアフリー化や駅舎の老朽化による新築によって、古レール造の上家は減少するだろう。また、残っているレールも、腐食を防ぐためにペンキを上塗りされ、レールの刻印は見えにくくなっていく。そう思うと、今回の取材での経験はとても貴重なことのように思えた。

今まで、レールのことなど気に留めたことはなかったが、今後は、駅に降り立つ度に、上家に古レールが使われているかキニナったり、思わずレールの刻印を探してしまったりしそうだ。


―終わり―
 

参考文献
「鉄のほそ道―写真で綴る線路のはなし―」石本祐吉著(株式会社アグネ)
「鉄道考古学を歩く」浅野明彦著(JTB)
「古レールの駅デザイン図鑑」岸本章著(鹿島出版会)
 

この記事どうだった?

  • LINE
  • はてな
コメントする
  • HV&COLDですが、BV&COLDです。Bの右側が磨耗しているのでHに見えてますが、ボルコウはBolckowというスペルですから。また、テネシーにあった「工」のマークは元々は工部省の意味で発注者が国鉄だということを表わしています。アメリカ製のものに多いのですが、八幡製鉄所のものでも見かけます。それと八幡の皇紀を使ったレールですが、2608年まで存在します。ですので、1948年と2608年が混在しているので、一部に二重刻印となっているものもあります。横浜付近はあまり見に行きませんでしたが、JR田浦駅の跨線橋に皇紀のものがあったかと思います。

  • レールが使われていたなんて、全く知らなかったです。いい話を知ることができて感謝です。取材、ごくろうさまでした。

  • 私がよく利用する駅ばかりで驚きました。ただただ古いなぁ、と漠然と思っているだけでしたが、視点を変えるととたんに興味深くなりますね!私も今度駅を利用した時に、思いを馳せながら見てみたいと思いました。

もっと見る

おすすめ記事

横浜の路面電車、名残はどこにある?

横浜駅から20分の場所で非日常を満喫。家族旅行やみなとみらいの観光にオススメな、横浜唯一の料理旅館

  • PR

相鉄線は色がバラバラ?車体カラーの統一は進んでいるの?

賃貸でもこだわりのマイホームを実現! 家族の健康を大切にしたお部屋探しなら「有限会社アーク・ケイ」

  • PR

スコットランド産の本革製座席を設置した通勤電車がある!?

リフォームも、新築も。良い家をつくり、まもり続けて40周年、進化を続ける横浜市栄区の地域密着型工務店

  • PR

JR大船工場跡地はどうなる?

看板犬も人気のお店!元町5丁目にあるヘアサロン「aimable aime(エマーブルエメ)」

  • PR

こんな記事も読まれてます

世界初の試み! 横須賀美術館「スカジャン展」の魅力に迫る

矢沢永吉ファンの熱すぎる店主のいるラーメン店と焼き鳥店に突撃!

クイーンズスクエアの巨大柱から聞こえる音って何?

【編集部厳選!】がっつけ! 美味い丼ぶり特集(2月15日)

有隣堂 週間BOOKランキング 12月6日(日)~12月12日(土)

【プレイバック】はまれぽライブラリー(2012年7月17日~7月23日)

「永遠の若大将」も登場! 「第35回横浜開港祭2016」初日の様子は?

JR大船工場跡地はどうなる?

新着記事