テニス発祥の地は横浜だった!?
ココがキニナル!
テニス発祥の地が横浜にあると聞きましたけど、どんなところなんですか?(Tiaraさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
日本のテニス発祥地は、山手公園。ここには、歴史あるテニスクラブの他、テニス発祥記念館や市営テニスコートもあり、テニスの聖地ともいえる場所。
ライター:吉田 忍
テニス発祥記念館
(続き)
展示された昔の写真を見ると、昔のネットは女性の肩のあたりまであり、ロブを中心にしたスローなスポーツだったことがうかがえる。
壁にはテニスをする外国人女性の姿を描いたステンドグラスが飾られている。
早川松山画の7枚組浮世絵「横浜名所 公園地」という作品をもとに作られた
テニスに関する資料がこれだけ集まっているのは、日本ではここだけだとか。
YITC(横浜インターナショナル・テニス・コミュニティー)
1878年に結成されたレディーズ・ローンテニス・アンド・クロッケークラブは、当初イギリス婦人を中心に組織され、他の外国人女性や男性を受け入れていく。
1956年から日本人にも門戸を開き、1982年に、名称を『社団法人 横浜インターナショナル・テニス・コミュニティー』に改名。
YITCについて教えてくださった、支配人の伊藤秀夫さん
このコミュニティは、活動内容や名称を変更しながら、2008年に創立130周年を迎え、現在もその伝統を守っている。
「1878」の数字に歴史を感じる
オリジナルの地形や場所のまま100年以上もテニスクラブが続いているのは、YITCを含め世界でも2~3しか残っていない。
最初に造られたコート。今は芝ではない。奥に見えるのはクラブハウス
YITCは一般のスポーツクラブと違って、テニスを通じて地域への貢献や国際交流を図る組織。
障がい者に向けたレッスンを毎月2回行い、各国大使館に呼びかけて国際交流大会を毎年主催し、定期的に用具の寄付を贈り続けるなど、テニスを通じた活動の幅は広い。
コミュニティ自体の維持管理も、社員(一般クラブの会員にあたる)が行い、資金も社員からの寄付でまかなわれている。
クラブハウスには、チャンピオンの名前が記されたプレートや各国の旗
まとめ
YITCは先輩から守ってきた伝統を引き継ぎ、それを次代に残していく。
そしてYITCが寄贈した貴重なコレクションにより、横浜市がテニス発祥記念館を作った。
テニス発祥は、このような人たちの手によって横浜の地に生き続けている。
そして、山手公園は、2004年3月、国から文化財名勝の指定を受けた。日本で一番古い西洋公園であること、作られた当時から地形や景観がほとんどかわっていない点がその評価の対象となった。
変わらずに存在できたのは、外国人居留地としてスタートし、戦後は米軍の接収を受け、国内でありながら日本人が自由に入れなかった場所だったことも大きい。
横浜市の公園になってから、わたしたちはこの明治の香りが残る山手公園を守ることを受け継いだ。
新しい歴史を重ねながら、このままの姿で未来へと残していきたいと思う。
―終わり ―
山手公園 横浜市営テニスコート
http://park.hama-midorinokyokai.or.jp/park-details/yamate-park/7
横浜市環境局 テニス発祥記念館 紹介サイト
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/park/yamate/te-1.html
横浜インターナショナル・テニス・コミュニティ(YITC) 公式サイト
http://www.yitc.org/