【横浜の名建築】横浜郵船ビル(日本郵船歴史博物館)
ココがキニナル!
横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第20回は、横浜郵船ビル(日本郵船歴史博物館)。豪華客船が次々横浜港を航行していた時代を彷彿とさせる、威厳に満ちた建物だった。
ライター:吉澤 由美子
威厳に満ちた外観と、機能的な中に華やかさがある室内
(続き)
室内には中心を囲むように長い大理石のカウンターが作られ、大理石の柱が並ぶ。
広くゆったりとした空間だ。
カウンターはかなり背が高い
床のモザイクタイルも竣工当時のもの
壁際の小部屋に続くドアはすりガラスに囲まれ柔らかい光に包まれている
一般公開されていない場所だが、奥には船荷証券をしまうための金庫も残っている。
不思議なことに壁面のかなり高い位置に作られている。
この金庫は現在使われていないため、塗り込められている
同じく一般公開はされていない従業員用の通路も、とろけるようなカーブを描く手すりや、モザイクタイルと石を組み合わせた床が美しい。
ゆったりとした階段
手すりの美しいカーブ
石とモザイクタイルを組み合わせた階段室の2階フロア
従業員用の階段がこれだけ幅のある作りになっているのは、3階に厨房器具などを搬入する必要があったためではないかとのこと。
手すりは表通りにある窓から覗き込むと見える場所にある
この横浜郵船ビルを竣工当時の姿に戻した改修は、「第15回BELCA賞」のベストリフォーム部門を受賞している。
入口から見たミュージアムショップ方面
取材を終えて
海運業が今よりもっと華やかだった時代に建てられた横浜郵船ビル。
時代を感じさせる通用口
日本を代表する海運会社がその威信をかけて建築した建物の中に、一流のサービスを行うための研修施設があって、従業員だけが使う場所にも洗練されたデザインが施されていた。
それを目にすることで従業員が誇りや品位を育てていく、そんな意図が込められていたのかもしれない。
※特別な許可をいただいて撮影しています。
― 終わり―
日本郵船歴史博物館 公式サイト
http://www.nyk.com/rekishi/index.htm
日本郵船歴史博物館
横浜市中区海岸通3-9
045(211)1923
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
月曜休館日
※2011年11月29日(火)~12月2日(金) は展示変えのため、臨時休館日です
入館料:大人400円
団体以外の場合、入場券にコインがついてきます。このコインで、併設されたティールームで好きな飲み物1杯が飲めます。
12月3日から、「籾山艦船模型製作所」の企画展がはじまります