振り袖業者「はれのひ」被害者家族に届いたアルバム
ココがキニナル!
振り袖業者「はれのひ」被害者家族に届いたアルバム。いま、傷ついた心に残る思いとは?
ライター:はまれぽ編集部
2018(平成30)年2月24日、はまれぽ編集部に嬉しいお知らせが届いた。
2018年1月8日、成人の日当日に行方をくらました、振り袖業者「はれのひ」騒動の被害者家族より、「本日、はれのひ破産管財人より、アルバムが到着しました」という連絡がきたのだ。
港南区にお住まいのT.Sさん(画像は過去記事より)
T.Sさんは、「単に写真を挟んだだけの物でなく、印刷され製本された立派なアルバムでした。とにかく諦め切れなかったアルバムの到着に、逆に『夢じゃないよね?』って言葉が出ました。そして、自分としては、これでこの件は終わりにしようと決めました。金銭的には、勿論勘定は合いません。でも、ある意味貴重な体験と色んな繋がりができ、“まぁいいか”と感じました。そして、“後できっといいことある”と思っています」と、胸のうちを話してくれた。
CDデータも同封されていたという(画像提供:T.Sさん)
T.Sさん家族は、自宅にアルバムが届くまで、さまざまな思いをしてきたという。
港南警察署の相談窓口へ出向いたり、仕事を休んで横浜市の「はれのひ被害者 特別相談室」へ訪問したり、家族一丸となって問題解決に取り組んだとのこと。
その先々で、「まだ事件になっていないので、今日はお話を情報として頂きます。もし事件化したら知能犯課から連絡します」「お金は諦めて下さい。もし詐欺事件になったとしても、お金が戻った試しはない」と、現実を突きつけられたそうだ。
極めつけは、元社長・篠崎洋一郎(しのざき・よういちろう)氏によるあの釈然としない記者会見。
「はれのひ」元社長・篠崎氏
「とても情けない会見でしたね。もうこの人には、何も思ってはいけない、何も求めてはいけないと思いました」とT.Sさん。
そして、2月24日の朝早くに、破産管財人である「多摩川法律事務所」よりアルバムが届いたという。
同封されていた破産管財人の手紙によると、アルバム製作会社への支払いも滞っていたらしく、ある時期より製作を拒否されており、アルバムになっていない方も相当数いるそうだ。
2018年1月8日、横浜アリーナ周辺の様子
当の娘さんは、「三回も振り袖着れたし、沢山写真撮ったし、パーティーも超楽しかったし、もしかしたら『はれのひ』で良かったかもー!」なんて言っているらしい(笑)。
そんな娘さんに、「おいおい!そりゃーないぜ!って思いながら、めっちゃ笑顔の娘を見たら、『まぁいいか!』って思いました」とT.Sさん。
とびきりの笑顔で写真にうつる娘さん(画像提供:T.Sさん)
最後にT.Sさんは、「色々ありましたが、我が家はこれでこの事件、一旦、落着と致します」と締めくくった。
第三者の筆者でさえ釈然としない今回の騒動。
心に大きな傷を負ったまま、それでも前に進もうとしている被害に遭った新成人たちに、心からのエールを送りたい。同時に、問題を引き起こした篠崎元社長らの経営陣に対しては改めて強い憤りを覚える。
このような事件を二度と起こさないためにも、徹底的な原因究明と、関係者の責任追及が必要だ。篠崎元社長の卑劣な行為に対しては、詐欺罪での立件をはじめ、司法による最大限の厳罰を望みたい。
ー終わりー
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