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リニューアルされた横浜マリンタワーを徹底紹介!

リニューアルされた横浜マリンタワーを徹底紹介!

ココがキニナル!

9月にリニューアルされた横浜マリンタワーがどんな風に変わったのかとても気になります。是非特集していただきたいです。(suzukaさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

3年半ぶりにリニューアルオープンした横浜マリンタワーは、時代にふさわしい癒しの観光スポットへ進化するとともに、未来志向のクリエイティブな交流拠点としても生まれ変わった!

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ライター:結城靖博


1961(昭和36)年、世界一高い灯台として鳴り物入りで誕生した横浜マリンタワー。その後、横浜でもっとも背高のっぽのランドマークは、この地のシンボルとして長らく君臨してきた(灯台機能は2008年に終了)。

1990年代以降、みなとみらい地区の再開発で横浜観光の中心軸がやや北西部に移ったとはいえ、山下公園と中華街、歴史的建造物ひしめく官庁街、元町・山手地区に囲まれた横浜マリンタワーは、今なお横浜に来たからには欠かせない観光スポットの一つだろう。
 

横浜マリンタワーの所在地。やはり魅力的な場所に位置する


その横浜マリンタワーが、2019(令和元)年4月から休業し、長いリニューアル工事の期間に入った。

同タワーがリニューアルされるのは、今回が二度目だ。一度目は2006(平成18)年に休業し、約2年半後の2009(平成21)年5月に再開した。この時、長年慣れ親しんできた紅白の外観が、シルバーとブラウンオリーブに変わったことを印象深く覚えている横浜市民も少なくないだろう。

今回は、その時よりも長い3年半ぶりの再開である。




新生・横浜マリンタワーのコンセプトとは?




今回のリニューアルで横浜マリンタワーが打ち出したコンセプトは、「NATURE & FUTURE」。

それはつまり、今の時代に求められる環境への意識を重視しつつ、同時にテクノロジー革命を核とした創造的未来に積極的に関与していく――ということだろうと、筆者は理解した。

この2つは、背中合わせのテーマでもある。

そしてこのコンセプトに沿って、横浜マリンタワーは次の3つの基本理念を掲げる。

① 市民に愛される、新たな環境デザイン「The tower in the Forest & Garden」
② クリエイティブ・ヨコハマへの共感「Art & Technology」
③ 観光MICE※への貢献「横浜 旅のライブラリー & コミュニティラウンジ」

上記①~③は、プレスリリースの文言をそのまま引用したものだが、これだけでは具体的なイメージはつかみにくい。やっぱり実物を見なくてはね。

というわけでここから先は、その3つの理念がどのようにリニューアルに反映されているのか、現地を訪ねて詳しく紹介していこう。

※「MICE(マイス)」とは、企業等の会議(Meeting)や報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関や学会等の会議 (Convention)、展示会・見本市(Exhibition)の頭文字をとった造語。現在、横浜市では10年後を見据えた「横浜観光MICE戦略」の策定を進めている。




緑に包まれた新生マリンタワーの外観




なんといっても、一目見て誰しも「おおっ、変わった!」と思うのが、横浜マリンタワーの外観だ。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


これまで白とグレーのモノトーンだった外壁面が、緑に覆われた姿に大変身!

この新しい装いは観光客にも大人気のようで、取材時も緑の壁面を背景に記念写真を撮る人たちが後を絶たなかった。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


さらに緑化壁面前のオープン広場では、ストリートライブやパフォーマンス、キッチンカーやマルシェなどさまざまなイベントを開催し、気軽に楽しめる憩いの空間として利用される予定だという。

また、オープン広場の先は、緑濃い山下公園通りや山下公園につながっている。この緑の動線によって、周辺と一体化した環境づくりを目指している。


山下公園通り



山下公園


これこそ基本理念の1つ目、「The tower in the Forest & Garden」を象徴する光景だろう。


それではいよいよ、新生マリンタワーの内部へ潜入することにしよう


この先は、横浜マリンタワーを運営するリストグループの方々に1階から順に案内してもらうことになった。




カフェ、バー、雑貨店で構成されている1階




エントランスに入ると、リニューアル前からあったタイル壁画や灯台時代の名残りを伝える投光器の展示はまだ健在だった。


懐かしの投光器とタイル壁画


だがその周囲に、新しいお洒落な店舗が入っている。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


上の写真は、ハワイ発祥のブレックファーストレストラン「Eggs ’n Things 横浜マリンタワー店」と「menehune collection」のテラススペースだ。

「Eggs ’n Things」は長らく同じ山下公園通り沿いにあった店舗が人気を博していたが、店が入るホテルの閉館にともない2年前に惜しまれつつ閉店した。今回、横浜マリンタワーのリニューアルにともない新たな店が近くにできたことを喜ぶかつての常連客も少なくないだろう。

この店のホイップクリームたっぷり、ふわっふわのパンケーキは絶品だ。


(提供:横浜マリンタワー)


また、併設するハワイアンショップ「menehune collection」では、テラスでBBQやハワイのローカルフードが楽しめ、セミオーダーメイドのアロハシャツやハワイアンジュエリーなども販売している。


「menehune collection」外観(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)
 


同店内(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


こうして見ると、横浜マリンタワーの1階はハワイアン一色かというと、そうではない。

下は、山下公園通りの一筋裏手、水町通りに面したバー「mizumachi」だ。水町通りといえば、外国人居留地の時代に由来する地名を持つ歴史ある通りだ。

横浜マリンタワー改修工事前に大人の憩いの場として10年間愛されてきた「bar mizumachi」がブラッシュアップし、リニューアルにあわせて新たに開店した。


「mizumachi」店内(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)



緑に囲まれたテラス席もある(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


「Eggs ’n Things」が昼の、「mizumachi」が夜の癒し空間ともいえるだろう。




ラウンジ、ギャラリー、ショップで構成されている2階




2階は、基本理念の3つ目、「横浜 旅のライブラリー & コミュニティラウンジ」の特徴がよく表されているフロアだ。

ひとつは、ラウンジにある「旅のライブラリー」。


「旅のライブラリー」コーナー(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


この棚には、横浜にゆかりのある写真集や、建築・都市論、小説、レコード、CDなどが陳列されており、自由に手に取って近くにあるテーブル席で目を通すことができる。

そのそばには、「横浜シティガイドデスク」が設置されている。シティガイド協会が市民視点で横浜の歴史や最新情報を交えながら観光案内をしてくれる場所だ。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


さらに同階には「アートギャラリー」もある。これは、2つ目の基本理念「Art & Technology」とも結びつく。


取材時は「森洋史の海物語」という企画展が開催されていた


そして、ギャラリーの先には「マリンタワーショップ」が。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)



ここではヨコハマ・グッズ「横濱001」や、マリンタワーオリジナルグッズが購入できる



なかでも、廃版海図をステーショナリーなどに再生したグッズはユニークだ





ブライダル空間の3階は観光MICEの拠点でもある




3階はブライダル・スペース「THE HOUSE」だ。これまでも横浜マリンタワーではブライダルが行われていたが、リニューアル後は、さらに洗練されクオリティーを高めた。


「THE HOUSE」の内観(提供:横浜マリンタワー)


「THE HOUSE」のブライダル・プランには、展望フロアでのスカイセレモニーもある。


(提供:横浜マリンタワー)


また、3階のホールは結婚式のためだけのものではなく、前述した基本理念の3つ目、「観光MICE」につながる会議やイベントも開催できる場所ともなっている。



4階はシンプルに美味しい空間




4階には、レストラン「THE TERRACE」が入っている。


同店外観(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


この店が標榜するのは、横浜を象徴するような新旧の融合「ニュートロ・イタリアン」。地元の食材を活かした新旧にとらわれない独自のイタリア料理を提供するという。

下の料理は「近海で獲れた1本鮮魚と貝類のアクアパッツア “THE TERRACE STYLE”」。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


そしてこちらは「三浦野菜のバーニャカウダ “new tro”」。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


とにもかくにも、美味しそうである。




横浜マリンタワーの原点、展望フロアへ昇る





ここまで紹介してきた1~4階が、新生横浜マリンタワーの低層階の様子だ。

だが、なんといっても「タワーの原点は展望台にあり」。

そこで、この4階から一気に29階の展望フロアへ向かいたいところだが、そのためにここでいったん下へ降りることに。展望フロアへ上がるエレベーターは、2階にあるからだ。


2階のエレベーター入口(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)



そしてこちらが、2階からビューンと上った29階の展望フロアからの眺望


取材時は幸いにして好天だったので、素晴らしい景観を堪能することができた。


こちらも29階からの眺め。少し南寄りに目を向けてみた


横浜マリンタワーの展望フロアの魅力は、やっぱりこの360度のパノラマ体験にあるだろう。その点はリニューアルされても不変だ。


同階には、塔の真下を見下ろせるガラス張りスケルトンの床もある。なかなかの迫力だ


続いて、階段を上って最上階の30階展望フロアへ。


同じ絶景をいつまでも眺め続ける恋人たち(かな?)


こんな光景も、昔と変わらない。

ちなみに横浜マリンタワーは2010(平成22)年、NPO法人地域活性化支援センターにより「恋人の聖地」に認定されている。


同階の内側の壁には金属のレースが飾られている


その美しさに思わず見とれていると、案内してくださったスタッフが「夜になると刻々と変化する光がこのレースに反射して、とてもきれいなんですよ」と教えてくれた。

「刻々と変化する光?」
それは、今回のリニューアルで特筆しておきたいことと関連していた。

そう、夜になると地上から約100メートル上空にあるこの展望フロアは、「メディアアートギャラリー」に変身するのだ。

そこは、最新テクノロジーを駆使した光と映像による表現をつくり出すメディアアーティストたちの作品を、横浜の夜景と重ねて楽しむことができる体験型アートスペースだ。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)



(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)



(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


すでに述べた基本理念のひとつ、「Art & Technology」を象徴するような空間といえるだろう。

さらにこの理念は、塔の外観からも、夜ごと横浜の街に向けて発信されている。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


塔のライティングには「Stained Light Micro」という最新のLED器具230個が採用され、輝度の高い点滅照明だけで塔のシルエットを表現しているという。


(photo:森正(TADASHI MORI.)/提供:横浜マリンタワー)


美しい緑と最新技術が融合された外観。目の前を行き交う人々の視線が思わず惹かれるこの姿こそ、今回のリニューアル・コンセプト「Nature & Future」をもっとも端的に示しているように思えるのだった。




取材を終えて




3年半の休業は決して短い期間とはいえない。だが、その間に偶然にもコロナ禍が起き観光事業が停滞を余儀なくされる中で、横浜マリンタワーは粛々とリニューアルに向けて準備を進めてきた。

そして今年、営業が再開されて間もない2022年10月からは、外国人観光客の水際対策も大幅に緩和され、この先インバウンド需要の回復も見込まれている。

長期的に見ると、現在横浜市では山下ふ頭の再開発計画を進めている。もし山下ふ頭が交通ターミナル化すれば、横浜マリンタワーは横浜観光のスタート地点のひとつに位置付けられることにもなるだろう。

横浜マリンタワーの運営形態は、長い歴史の中で実に多様に変化してきた。さまざまな点で機運に恵まれていると感じる今回のリニューアルを経て、今後さらにこの塔がどのように進化していくのか、注目していきたい。


―終わり―


取材協力

横浜マリンタワー
住所/横浜市中区山下町14-1
問合せ先/info-marinetower@list.co.jp
営業時間/10:00~22:00 最終入場17:30(昼営業)、21:30(夜営業)
休業日/無休(施設点検日は休業)
展望フロア入場料/

●基本料金
一般(高校生以上):平日1,000円、土日祝1,200円
小・中学生(未就学児無料):平日500円、土日祝600円

●学校行事利用
高校生:500円
小・中学生:300円

●特別割引料金・障害者手帳等提示の場合
一般(高校生以上):500円
小・中学生:300円

※表示はすべて税込
※18時以降は特別営業となるため上記料金とは異なる(季節により変動あり)
※施設が定める特定日(GW・お盆休み等)、及び企画営業(初日の出、花火大会等)については料金が異なる
https://www.marinetower.yokohama/


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  • 山下清のモザイク壁画が以前のまま残っていてよかった。2階はきれいになりましたが、昔は鳥小屋でしたねリニューアル前の入場料750円が1200円(土日)に上がったけど仕方ないか…

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