横浜最古の酒場はどこ!?
ココがキニナル!
横浜最古の酒場はどこでしょうか。わかったら一度飲みに行きたいなぁ。(hirozoさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
立ち飲みができる酒屋、浅見本店の創業は明治時代にさかのぼる。最古の酒場の証明はできないが、消えゆく最も古い酒場の風景のひとつといえる。
ライター:ほしば あずみ
趣ある町の趣ある酒場(続き)
常連客ばかりとはいえ居心地の悪さはない。同じ場所で同じようにお酒を飲んでいるという立ち飲み特有の一体感で、気がつくと見知らぬ人同士でも言葉を交わし仲良くなっている。
常連客の岸さん(左)と栗原さん
二人とも通いはじめて数年との事。写真には写っていないが、岸さんに「長老」と紹介された常連客は40年来通っているという。
店について伺うと、皆共通して「ほかにない店がまえ」と「安さ」を挙げる。
少し前には缶酎ハイのテレビコマーシャルのロケに利用されたりしたそうだ。
壁にずらりと並ぶ酒の外箱は酒店ならではの迫力
店内には昭和30年代の浅見本店の写真も
酒店なので営業時間は9時から20時。酒場としては閉店時間が早いかもしれないが、皆どれだけ飲んでいても時間が来るとさっと帰っていく。店に迷惑をかけ営業に支障をきたす事がないように、客側も心得ているのだ。
「はしご酒をするからね、ここはそのうちの1軒。1軒で終わらないから安く飲めるのがいいんだよ」と常連客の1人、秋村さんは語ってくれた。ちなみに9時の開店直後からもお客さんはいるそう。仕事が休みの日などに、出かけついでに朝酒を楽しむという客たちが訪れるという。後日、昼に訪店した際、確かに数人の酔客を目撃した。
角打ちスタイルの立ち飲みは、一見入りづらいイメージがあるかもしれないが、浅見本店は通りに面して間口も開けており、出入りの敷居は意外に低い。
消えゆく古き酒場の風景
関東大震災や横浜大空襲でも被害を免れ、創業当時からこの地にあるという浅見本店。
「創業は明治時代だけど、明治何年なのかまでははっきりしない。立ち飲みをやるようになったのは昭和になってから」と浅見本店の浅見武社長。浅見社長で3代目なのだそう。
勤続50年という浅見社長
「昔はこういう業態の酒店もたくさんあったけど、今は衰退の一途。横浜で、うちより古いところ? ちょっとわからないね」
以前はまれぽでも藤棚商店街近辺にある立ち飲みスペースがある酒店を紹介した(立ち飲みスペースが藤棚商店街に多い理由とは?)。その際もこうした業態が少なくなっている事にふれたが、浅見本店も例外ではない。
「時代が変わったからね。4代目(ご子息)は一応後を継ぐんだけど、もうこうした(立ち飲みの)形式はやらないと言っている。4代目からは飲食店への仲卸しの方に重点を置いていく事になるよ」
立ち飲みスペースがあると常に店に出ていなければならないし、客とはいえ相手が酔っていれば時としてそれなりの苦労もある。より安定した経営を目指すなら、業務形態の変換もやむを得ないのかもしれない。
店の半分は酒類の小売販売スペース
だが今や貴重となった趣のある店にファンは多く、「いつまでも続けてほしい」という声は少なくない。浅見社長も「自分が動ける限りは続けるけど」と言う。
「あと、ここは土地を借りてずっとやってるんだけど少し前からこのあたりにマンションを建てる計画もあるんだよ。建物も古いから仕方ないかもしれないけどね」
古いからこその良さもあり、それを愛する人たちもいる一方、それだけでは立ちゆかない現実もある。現存する最古の、とは同時に、いつか消えてしまうかもしれない、という存在でもあるのだ。
いつかはここがマンションに姿を変えてしまうかもしれない
取材を終えて
最古の酒場の定義を「酒場としての営業形態となった年」と定めれば浅見本店と同時期、またはもっと古い店もあるかもしれない。実際今回取材させていただけなかったが、大正時代から続く酒場も存在する。
だが、かつてはあちこちにあった、量り売りの酒を立ち飲みできる酒屋としては確認できる限り最も古い。浅見本店は横浜の最古の酒場の一つであるといえるだろう。
―終わり―
有限会社浅見本店
南区万世町2-27
045-231-3048
営業/9:00~20:00
定休/水曜日
chrisさん
2017年07月12日 12時45分
古い価値観を否定してるわけじゃなくて、地主のお金がほしいという都合でそうなっていくだけでしょ。資本主義だから...。別に新しい価値観を肯定したいと思ってすらいない。
ダボスさん
2017年07月11日 21時19分
ま、ここもそのうちマンションが建つんやろうね。古い価値観を否定して成り行き任せでぽんぽんマンションやショッピングモールばかり建てるから味気ない町とか東京のベッドタウンって言われるんやで。
ペコロさん
2017年07月04日 20時23分
横浜を舞台とした短編映画シリーズ「Lifeworks」の「ロカビリーさん」の舞台になってたお店ですよね。