検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

  • 36年ぶりに完全復活「横浜銀蝿 40th」。オリジナルメンバーで再結成!
  • 神奈川県内の横浜家系ラーメン店がどこにあるか地図からすぐわかる!横浜の観光情報「よこはまっぷ」
  • イベント開催、店舗オープン、新商品発売などリリース情報を配信したい方へ
  • はまれぽ.comにあなたのお店・会社を無料で掲載しませんか?

港北区にある樽町の地名の由来は?

ココがキニナル!

横浜市港北区に「樽町」という地名があります。なんの「樽」が関係しているのか、調査お願いします。(リョー☆サンさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

熊野神社に奉献したお神酒を入れる“樽”を作っていたからという説と、当地の地形に由来する名前という説の2つがあった!

  • LINE
  • はてな

ライター:田中 大輔

まずは地名の歴史を



さて、町内をグルグルと歩き回ってみたが、樽に関わるような施設は見当たらない。
酒蔵もなければ、味噌や醤油を作っている様子もない。街道沿いのお店を除けばほとんどが住宅街になっているのだから、当然と言えば当然か。
 


町内の公民館。もちろん“樽”とは関係ないだろう


この“樽”という地名は江戸時代には見られたそうで、当時は樽村。
江戸時代を通じて幕府の直轄領だったと記録が残っている。
樽村と隣の綱島村の境でもあった鶴見川の氾濫には当時から困らされていたようで、年貢の引き下げが行われたこともあったほどだそうだ。
 


綱島海道を真っ直ぐ行くと鶴見川にぶつかる。その向こうが綱島


その後、1889(明治22)年からは大綱村の大字・樽となり、1927(昭和2)年に横浜市に編入されて以降、樽町として現在に至っている。



神様に樽を納めた!?



町内を歩いてみてもなかなか答えは見つかりそうにないので、ひとまず電車に乗って菊名へ。港北図書館で資料をあさってみることにした。

まずチェックしたのは『角川日本地名大辞典』。
それによると、「往古には当所は師岡村熊野神社の社領で、祭礼の時に神酒の樽を作って奉献したことから樽の名がついたという口碑がある」と説明されている。
 


菊名にある港北図書館。2階建の小さな図書館だ


現在でも隣接する師岡町には師岡熊野神社があり、ここにお神酒を入れる樽を送ったことから“樽”町(当時は樽村)となったというわけだ。
つまり、お酒を作ってはいなかったがそれを入れる樽を作っていた。それも、神様にお供えする特別な樽だったというのだから、なんだか説得力があるように感じられる。

というわけで、樽町の樽は神様に納める特別な樽から来ていたのだ!
・・・とすんなり行かないのが地名の面白いところなのだ。



地形から取られたという説も



この熊野神社に樽を奉献したという説は『横浜市史稿』の地理編にも書かれているのだが、同様の説明があった後に「信じ難い説である」と懐疑的な書き方をしている。
その根拠については書かれていないが、どうやらこの説で確定しているというわけではないようなのだ。

おなじみ『横浜の町名』の初版でも熊野神社へ奉献した樽説に触れてはいるが、こちらも「この説は疑わしく、樽という文字にとらわれた説であろう」とバッサリいっている。
 


“樽”の一字に騙されてはいけない?


では、ほかにも説はあるのか。
『横浜の町名』では別の可能性を2つ示している。

ひとつは、“タル”という地名が「渓谷が段をなしていて雨時に滝となる所」、あるいは単に「滝」を意味すると『地名の語源』を引き合いに解説している。

もうひとつは、“タル”が元々は“タラ”だった可能性に触れていて、それならば「丘陵のなだらかなさま、あるいは崖に因む地名か」と推測。

いずれも地形から取られたという説で、崖の存在を感じさせる内容だ。
実際、町内には住宅地にしては極端な高低差のある場所が存在し、雨が降れば滝になりそうな場所もいくつかあった。
 


滝になりそうな崖に張り出すアパート。向こう側は普通に道路に面している


そう言われてしまうと、単純に樽を作ったから樽町というのも雑に思えてしまうし、地形から取ったという説の信憑性を信じたくなってしまう。

とはいえ、港北区のウェブサイトで樽奉献説と『横浜の町名』の滝説の両方を紹介していることからも分かるように、どちらも確定的な資料が見つかっているわけではないようだ。



取材を終えて



個人的には、であるが、『横浜の町名』にある地形から取った説の方が有力な気がする。
樽を奉納した話が口伝えでしか残っておらず、神社の記録に残っているわけでもないし、なぜ樽村(あるいは樽町)が樽を納めるのをやめてしまったのかの説明もないからだ。

もちろん、たまたまその辺りの記録が残っていないだけという可能性もあるが、今回の取材の印象だけで言うと、滝説に心動かされてしまう。

しかし、毎度のことながら地名の由来というのは奥が深い。
地名研究の学術的観点からの説と、いつからか地元に伝わるようになった言い伝え。前者が正しいのに、後者の方が知られているということもよくある話だが、今回の場合はさてどちらだろうか。


―終わり―
 

この記事どうだった?

  • LINE
  • はてな
コメントする
  • 樽町中学校前を通りかかったとき、そこの生徒を「樽中生」と略してあるのを見てビールが飲みたくなりました。私もすぎさんに同意します。投稿者さんはこれでご納得なのでしょうか。

  • 面白いに一票いれましたが、ちょっと調査のツッコミが足りないように思います。次回のテーマに期待します。

おすすめ記事

横浜で一番急な坂はどこ?【神奈川区・鶴見区編】

横浜駅から20分の場所で非日常を満喫。家族旅行やみなとみらいの観光にオススメな、横浜唯一の料理旅館

  • PR

なぜミニストップ1号店の場所に港北区の大倉山が選ばれたの?

タイヤ販売から車の修理、日本初? のタイヤプリントも。 タイヤのかかりつけ医「タイヤセンター戸塚」

  • PR

中世の名残を求めて、鎌倉街道を踏破―中の道2―

フカヒレ姿煮がのった豪華メニューも1人2400円で食べ放題! いま中華街で話題沸騰の「中国飯店」

  • PR

映画「コクリコ坂から」の高校生限定試写会の様子は?

元いじめられっ子の元プロ格闘家による熱血指導! どんな子でも楽しく稽古に通い続けられる空手道場

  • PR

こんな記事も読まれてます

期間限定で象の鼻パークを彩る光の祭典 「スマートイルミネーション横浜2015」の初日の様子をレポート!

みなとみらいのキャンドルカフェはどんな感じ?

南町田グランベリーパークで、屋外アクティビティとアウトドア体験ができるお店を調査!

【プレイバック】はまれぽライブラリー(2013年8月13日~8月19日)

カウントダウンを楽しめる、横浜のスポットが知りたい!

ベイスターズ・ラミレス監督の通訳とは? 丸山剛史さんの仕事に迫る!

みなとみらいの帆船日本丸は、なぜ横浜に誘致されたのか!?

中世の名残を求めて、鎌倉街道を踏破―中の道2―

新着記事