「ハマのアメ横」洪福寺松原商店街はなぜ賑わう?
ココがキニナル!
「ハマのアメ横」と言われる洪福寺松原商店街ってなんであんなに混んでるんですか?(XYZさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
様々な努力をしているが、なんといっても「良いモノが安い」からである。
ライター:杉村 洋一郎
「何でも揃い、買い物が楽しい商店街」
(続き)
空のダンボールを屋根に放り上げる「外川商店」
屋根にダンボールを積み上げた光景がおなじみの「外川商店」。
ダンボールを畳むヒマもスペースもない!という理由でこういうスタイルになったとか。
どうやって片付けるのか質問すると「トラックを横付けにして一気にドサっと落とす」とのこと。
納豆(3コ入り×3)180円、キムチ瓶100円という激安ぶり…
野菜だけでなく漬物や加工食品も扱っているが、値段は破格という他ない。
試しに「油揚げ10枚セット特価100円」を買ってみたのだが、1枚10円の油揚げは大変美味しかった。
価格だけでなく品質もきっちり吟味してあるようだ。
お客さんにインタビューしてみよう
では、実際のお客さんの声を聞いてみよう。何人かのお客さんにインタビューしてみた。
「権太坂(保土ヶ谷区)からいつも来ている」というお母さん。
「ちょっと遠いけど、一度ここにくるとやめられなくなるわよ。2、3千円あれば十分買い物できるんだもの」
自転車の前後に山積みの買い物。こういうお客さんが多い
ネギと苺。これで1,000円だったそうだ
通りかかるお客さんに片っぱしから「どこから来たのですか?」と尋ねてゆくと、「磯子から」「横須賀から」「東京から」「大和から」などなど、大変広域なのに驚く。もちろん半分は地元の人で、「通」は特定の店を贔屓にせず、ローテーションでいろいろな店を廻り、日頃から顔なじみになっておくのだそうだ。
「やっぱり顔なじみだと『もうちょっとおまけしちゃお!』ってことになるし、夕方には品物をさばくためにタダ同然で売ってくれるし…」というチャッカリした意見も多かった。
「商店主にも聞いてみた」
さて、今回の取材前の調査で、商店街の中の八百屋「新倉高造商店」のブログを見つけた。
頻繁に更新されている熱心なブログだ。「商店街の店主なら賑わいの理由を知っているに違いない」と考え、店主の新倉忠さんに取材を申し入れた。
取材中もひっきりなしにお客さんが訪れる「新倉高造商店」
ストレートに「この商店街が賑わっている秘密は?」と尋ねたところ、「良いものを安く売っているから」というあっさりした答えが返ってきた。
単に無理な値引きをしているわけではなく、長年たくさんの商品を売ってきたから市場の卸に対して信用が厚い。限られた「高品質で値段が安い」商品を優先的に卸してもらえるのだそうだ。
取材中もひっきりなしにお客が訪れ、雑談がてら買物をしてゆく。親子にわたっての常連さんも多い。
商店街を知り尽くしているお客相手に手抜きは通用しないので、日々の仕入れは真剣勝負だという。
このように、商店街の各店が「良いものを安く」「お客様本位で」をモットーに努力しているのはわかった。
では、「商店街全体」としてはどんな努力をしているのか?
商店街の取りまとめ役である「洪福寺松原商店街振興組合」を訪ね、田中理事長にお話を伺った。
「未来の商店街を目指す」と語る理事長
楽しげに商店街の未来を語る田中理事長
―まず商店街の歴史をお尋ねします
「昭和27年頃、この近辺に7~8軒のお店があって『松原安売り市場』として知られたのが最初です。当時は市電が近くて交通の便もよかったんです」
―この商店街の魅力と強みは?
「コンパクトに多彩なお店がまとまっているから買物しやすい。共通カートの貸出で買い廻りも楽だし、宅配サービスもしています。これは高齢のお客様にご好評です。昭和のレトロな雰囲気も残しつつ、防犯カメラ、休憩所、医師に連絡できる体制づくりなど客層やニーズの変化には敏感に対応しています。こうしたインフラ整備は大変ですが、非常に重要だと思います」
―他になにか独自の活性策はありますか?
「横浜国立大学とのコラボもやっています。商店街活性化は日本の大きなテーマですから、この洪福寺松原商店街をモデルに『未来の商店街像』を一緒にいろんな角度から模索しているところです」
横浜国立大学工学部が制作した「未来の洪福寺松原商店街」立体モデル
―大規模スーパーとの競合は厳しいですか?
「近辺にもどんどん出店していて確かに脅威ですが、人の流れが分断されない限り共存共栄は可能ですよ。今までもそうしてきたし、これからも大丈夫だと確信しています」
まとめ ~ 賑わいの秘訣とは ~
結局、洪福寺松原商店街が賑わう理由は「良いモノが安い」という小売の原点を貫き続けていることに尽きる。
さらに、インフラ整備や大学とのコラボといった長期計画が着実に進行し、大規模スーパーにも対抗できている。一般的な商店街の重要課題は後継者不足だが、この地域には若い世代もしっかり根づいていて、世代交代も順調に進んでいるという。
震災の被害もほとんどなく、物資不足の時も豊富な品ぞろえで地域に貢献し、さらに客足を伸ばしたという洪福寺松原商店街。しかしその繁栄の陰には振興組合をはじめ一軒一軒の商店の地道な努力の歴史があることを忘れてはならない。
― 終わり―
トロロさん
2016年07月04日 22時25分
庶民的で利用しやすい商店街だとは思いますが、残念なのはテレビでも取り上げられた鮮魚店の直ぐ近くにある、某洋品店のババアは陰険そのもので客を追い返す接客しか出来ないんですよね。あれでは客から怒りを買うか、商店会から最低の店として退去勧告を受けて路頭に迷う日も遠くはないでしょう。
IKさん
2016年01月20日 14時03分
混んでいる理由に追加、歩行者天国の道路が店舗の商品の陳列場と化し、通行に支障がある。歩いてみればすぐわかる。なぜか行政・警察の指導もないみたい。
urasさん
2015年04月16日 12時43分
こないだ桜木町からトンネル抜けて保土ヶ谷まで歩いて、その後ちょいと寄ってみよっかと…これもハマレポのおかげです。びっくりしました。天王町の駅前ではないのに異空間。びっくりだったのがサカナ屋とオーパーヘッドダンボールの八百屋ですね。持って帰らないとという足枷のおかげで、町田小田急でサカナ買って家に戻ったときの残念感はハンパでなかった。あそこ、サザエさんがきたらとんでもないことになりそうな!桜新町から引っ越しますよ。一家まるごと。