私鉄百貨店の本店は始発駅に多いのに、なぜ京急百貨店は上大岡にあるの!?
ココがキニナル!
大手私鉄系の百貨店(の本店)って本来始発駅に多いものですが、なぜ京急百貨店って、品川でも横浜でもなく、上大岡なのですか(黒霧島さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
上大岡は京急線の駅の中で品川、横浜に続いて乗降客が多いことに加え、創業当時「副都心計画」が進んでいたこともあり上大岡が選ばれたらしい。
ライター:阿良川 遊
地元密着型百貨店の底力
担当者は言う。「京急百貨店は広く知られている存在ではありません。横浜から南側、かつ京急沿線に住んでいらっしゃる方をターゲットにした完全な地元密着型百貨店です」
現場のスタッフたちは、地元のあらゆる層をお客として取り込むために、創業から18年の間、創意工夫を重ねてきた。「より多くのお客様に、よりよい品物やサービスを届けるために百貨店内の店舗もずいぶん入れ替えました。でも、一店舗でも閉店すると惜しむ声が続々寄せられるので、出退店にはとても気を使います」とのこと。
京急百貨店のフロアガイド
最近では、港南区丸山台の人気洋菓子店「ストラスブール」が初の百貨店出店を果たした。オープンから数日は行列が絶えなかったという。本店へ行くことなく、人気のケーキや焼き菓子が買えるとあって、ファンの間では大変喜ばれているようだ。
人気の「ストラスブール」
人気のモンブラン(410円)
ストラスブールの本社に「どうして京急百貨店に出店したんですか?」と聞いたところ「何度か催事で伺っていたご縁で、京急さんからお話をいただきました」とのこと。
催事で人気の地元店をハンティングしたら、行列が絶えなくなったというわけ。目指すところはあくまで「地元」だ。
また、京急百貨店関連のキニナルに「車いすがあってありがたかった」とあったのでそれも聞いてみた。
「最近は商業施設に車いすを置くのが決まりになっています。いついらしていただいても車いすをご用意していますので、お気軽にどうぞ」とのこと。
京急百貨店には常時車いすを完備している
お店だけでなく、駐車場協会から銀賞を授与されたという立体駐車場や、昨年のリニューアルで充実度を増した親子向けイベントスペース「ハグ・クミ・パーク」など、現場のスタッフたちが知恵を絞ったアイデアは、さまざまな形で百貨店に花を添えている。
この立体駐車場については「上大岡の京急百貨店の4階駐車場はわくわくします。入庫と出庫が逆側にあるし不思議です。取材お願いします」というキニナルが寄せられていたので質問。
「敷地が広くないので、あらゆる手段を検討した上での結果だと思いますが、建設時の詳しい事情は分かりません。当初は地下に作るはずだったのが作れず、地上に作ったと聞いています」とのことだった。苦肉の策で作った駐車場が、結果的に専門業界から表彰を受けたことは興味深い。
立体駐車場は建物の両脇に配置されている(赤マル部分)
入庫と出庫は逆側
入庫ロビー
出庫ロビー
また「ハグ・クミ・パーク」は、子ども向け商品が販売されているエリアに設けられたスペース。遊具が設置され、来店した親子連れがくつろぎ、遊べるようにと配慮された場所だ。
ハグ・クミ・パーク
ここまでは百貨店にはよくある風景だが、この 「ハグ・クミ・パーク」では、絵本読み聞かせや各種講習会などを積極的に開催しており、文字通り地元の親子たちを「育む」場として一役買っている。
また、多くのキニナルが寄せられていた「色分けされたエスカレーターの位置関係がよく分からない上に、下のB1から上の10Fまで貫通したものがほとんどありません。よく迷ってしまうのですが、なんでこんなことになってしまったのかキニナリます」ということについても聞いてみた。
エスカレーターは赤・青・緑に色分け表示されている。赤マル印部分がエスカレーター
担当者の方いわく、
「2階に京急線のホームがあり、エスカレーターを地下から最上階まで貫通することはできなかったのです。敷地も限られていますし、このような配置になったのだと思います」とのこと。
館内のエスカレーターは赤・青・緑に色分け表示されている
エスカレーターについて個人的な感想を述べると、地下から最上階まで貫通してはいないものの、その位置や表示など、利用者が使いやすいよう気配りされていると感じた。
そして、これから
読者のなかには、京急百貨店が開業時から10年以上売上を伸ばし続けたという「神話」を記憶している人も多くあるだろう。その売上増が一旦ストップしたときは、大きなニュースとして全国的に取り上げられた。百貨店の閉店・統合が相次ぐ時代のなかで、京急百貨店はその流れに負けず、上大岡で着々と力を蓄えてきた。
屋上にある京急稲荷大神
商売繁盛などの御利益があるらしい
これからについて担当者は「オープンから18年、上大岡でスタートし、存続できたことは大きな成功だったと思います。毎日のようにお顔を見せてくださるお客様もあれば、学生だった方がご結婚・出産されて子連れで来店してくださったり・・・やはり地元のお客様が大きな支えです。地元密着型百貨店としてさらに便利に、楽しい百貨店として成長を続けていきたいと思っています」と語った。
地元のお客が大きな支え
取材を終えて
控えめで上品、かつ親しみやすい笑顔が印象的なスタッフの皆さん。上大岡のオアシスは外から来た私たちも優しく癒してくれる。
1990年代のはじめ、神奈川の「副都心」として整備されようとしていたことをきっかけに、ここ上大岡で開業した京急百貨店。副都心計画は過去のものとなったが、京急百貨店は上大岡をひとつの街として完成させたのではないか。駅を中心とした人や車の往来を見ていると、この百貨店が成した功績は、街全体に及んでいるという気もしてくる。
創業から20年近く、地元の人達が支える百貨店は上大岡の大きな財産であることがよく分かった。
上大岡の大きな財産「京急百貨店」
―終わり―
ushinさん
2017年10月15日 04時29分
「京急百貨店建設が提案されていた1980年代当時、上大岡は県庁所在地・横浜に準じた都市機能をもつ「副都心」として整備されはじめていた。」・・・ああなるほど、京急百貨店が神奈川県上大岡市に出来た理由がよくわかりました、って待て~い!上大岡も県庁所在地・横浜の中にあるだろ!
神々の雫さん
2015年09月14日 01時56分
京急百貨店、デパ地下で「鈴廣」の蒲鉾を売っているのがいいですね。箱根駅伝で有名ですが、アミノ酸等不使用の味わいはいついただいても裏切られません。ちなみに数年前、家族での会食に使った「伊勢定」は、少々ファミレス・ライクだったかなァ…。上大岡といえば、先日約25年ぶりに周りを歩き、その変貌に驚愕しました。線路沿いの小路に沿った愛らしい商店街がなくなり巨大なビルに。そのビルの中に、当時あった化粧品店が入店していたのにはチョッとホッとしましたが。さらに…二階に書店が入っていた「赤い風船」は巨大なゲーセンに。赤い風船を抜けてあるはずの「ダイエー」は、やはり巨大なゲーセンに…。「副都心」は結構だけれども、身近な「町」が無機質な「街」に変わったのを見ると、一抹の寂寥を禁じ得ませんでした。
けれぽさん
2015年02月16日 12時02分
京急百貨店はいつもエレベーターやエスカレーターの位置で混乱します。青、赤、緑、なのですが、北、南東、南西、としてくれたらどんなに分かり易かったか。どうして方角にしてくれなかったのでしょうかね。