横浜で一番おいしいカルボナーラを探せ!Vol.3
ココがキニナル!
スパゲティナポリタンが流行っていて色々食べ歩きました。人気のスパゲティと言えば、ナポリタン以外にもカルボナーラもあると思います。横浜で一番おいしいカルボナーラを取材してください(うずらさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
超濃厚なクリーム系カルボナーラの「ザ・ニューヨークカフェ」と、パスタの概念が広がるローマの本格的なカルボナーラの「パパダビデ」をご紹介!
ライター:吉澤 由美子
ローマで10年修行したシェフがこだわった、「パパダビデ」のカルボナーラ
みなとみらい線「元町・中華街駅」を出てすぐの「パパダビデ」はローマの伝統料理を楽しめるイタリアンレストラン。
入口の扉を開ける時の重さが、「おいしいものを食べよう」という期待感を増してくれる
大人のための重厚なリストランテという雰囲気から、空間やサービスをリニューアルして、カジュアルな使い方もできるようになった。
「おかげさまで、入りやすくなったと好評です」と案内してくれた支配人の滝沢直樹さん
店内には外光がふんだんに入るゆったりしたバーがあり、奥にはしっかり空間を取って配されたテーブルの並ぶフロアが広がる。左奥には大きな窓に沿った開放的なテーブル席もあって、かなりゆったりした造り。
のんびりアペリティーヴォ(食前酒)やディジェスティーヴォ(食後酒)を楽しめそうなバー
「今日はちょっと飲むだけと気軽に寄ってくださる方も増えています」とバーテンダーのマサさん
天井のゆるやかなアール(曲線)が広さを感じさせ、落ち着ける空間だ
カルボナーラはローマ発祥の料理。「パパダビデ」には、ローマ料理にこだわるオーナーがその腕にほれ込んで迎えた堀江達也シェフがいる。
ローマで10年間、料理修行をしてきた堀江シェフ
このお店のカルボナーラは、手打ちのトンナレッリというパスタで作る、生クリームを使わない本格派。内装やシェフの経歴に否が応にも期待感が高まる!
さっそく調理を見せていただけるということで、すみずみまでピカピカに磨きこまれた厨房にお邪魔すると、堀江シェフがカルボナーラに使う食材をすでに用意して待ってくれていた。
「カルボナーラはパンチェッタ(豚のバラ肉)を使う店が多いのですが、ウチではコクのある豚の頬肉を使ったグアンチャーレを手作りして、それを使っています。香りもいいですし、ソースをよりなめらかにしてくれるんですよ」と堀江シェフ。
グアンチャーレとはハーブやスパイス、そして塩で漬け込んだ豚の頬肉(豚トロ)
弱火でじっくりグアンチャーレに火を入れていくと、いい香りが広がっていき、みるみるおいしそうな脂がフライパンに染み出てくる。
出てきた脂が多いようなら少し捨てて微妙な加減を行う。生クリームを使わずに卵黄だけでとろりとさせるのは至難の業。そのために必要なプロセスだ。
ボウルに卵黄2個をなめらかになるまでよくかき混ぜ、そこに塩気が強めのチーズ「ペコリーノ」をすりおろして加え、再びしっかり混ぜる。
カルボナーラ用に仕入れている三浦産の特別な卵の黄身にペコリーノが加わる
香りと脂を引き出したグアンチャーレに、野菜で丹念に取ったブイヨンを少しだけ加える。
こんがりしたグアンチャーレと沸き立つオイル&ブイヨン
本格カルボナーラのとろりとしたソースは、パスタの茹で汁を加えて作る店が多い。こうすることで、茹で汁に溶けだした小麦の旨味や香り、塩気が加わるだけでなく、卵をとろりと乳化させることができる。
「手打ちのトンナレッリは、小麦自体の旨味や香りがしっかりあるので、茹で汁を加えると強くなりすぎてしまう。チーズもローマのペコリーノで塩気が強め。味の調整をするために、野菜のブイヨンを加えるようにしています」と堀江シェフ。うーん、すごいこだわり!
ここでトンナレッリが登場する。卵を練り込んであって、断面が真四角で2mmと太めのこのパスタはカルボナーラソースとの相性が抜群らしい。出会ったことのない食感としっかりした小麦の味わいに驚かれる方が多いとか。
手打ちのトンナレッリ。粉もブランドに頼らず舌で見つけた質のいいものを使う
トンナレッリの茹で時間は短め。歯応えのある状態でフライパンに入れ、卵ソースを加えるとどんどんとろりとなっていく。
太めのパスタがソースをまんべんなくまとっていく
お皿に盛られたカルボナーラに、ペコリーノと香りのいい黒こしょうをたっぷりすりおろして仕上げ完了。ソースのなめらかさに圧倒される。
自家製トンナレッリのローマカルボナーラ(1800円/税別)
テーブルにサーブされて改めてカルボナーラとご対面。太いトンナレッリにソースがもったりと絡みながらフォークに巻き取られていく。最初に黒こしょうの鮮烈な香り。そして、ペコリーノの豊かな香り、卵の優しい香りが追いかけてくる。
チーズと卵黄、グアンチャーレの旨味をまとったトンナレッリは、弾力がありながら、ねっちりとつぶれるのではなくスコンと噛み切れる面白い歯触り。小麦の優しい香りや旨味がぎゅっと固まっていておいしい。豚トロだけあってグアンチャーレもサクリと噛み切れるため、口の中で違和感なく立体的な味わいを楽しめる。
細部にこだわってローマのおいしさを再現したカルボナーラは、パスタの概念を広げる鮮烈なおいしさだった。
カルボナーラは、単品でも、コースでも人気のメニュー
「カルボナーラは老若男女に人気があるメニュー。お子さんには黒こしょうを減らすなどして提供しています」と滝沢支配人。
ランチのパスタコースではカルボナーラを選べないが、昼夜ともに単体でオーダーできる。
また、「パパダビデ」ではローマの伝統料理の神髄を味わえる「ローマクラシック(4500円/税別)」というコースでもカルボナーラを提供している。
季節によって料理が変わる「ローマクラシック」
今の季節は、前菜のトリッパ、メインはイタリア料理の定番ともいえる子羊のロースト。それにカルボナーラと、デザートにはフランボワーズのジェラートとチョコレートケーキにコーヒーというラインナップだ。メインは魚も選べるが、「パパダビデ」は肉料理にこだわりのある店なのでここは肉をチョイス。
トマトソースでじっくり煮込まれたトリッパ
トリッパにはミントを添えるのがローマ風。このトリッパ、普通のものよりかなり厚みがある。「和牛は穀類を多く食べているので胃が痩せてしまう。草をしっかり食べている牛でないと、この厚みや旨味は出ません」と堀江シェフ。噛むごとにじんわり旨味が出てくるトリッパはトマトソースの軽い酸味とアクセントのミントで爽やかに食べ進めることができる。
分厚く大振りのラムラックは、クセがなくジューシーでやわらかい
華やかな香りのジェラートと、濃厚なチョコレートケーキも手作り
吟味された材料を使って、手間暇かけて作られた料理の数々は、贅沢で深い味わい。自分へのとっておきご褒美リストに、ぜひ加えたいカルボナーラのコースだった。
時間をかけて楽しみたい丁寧な料理とワインがそろう。記念日デートにもおすすめ
取材を終えて
「ザ・ニューヨークカフェ」は超濃厚なクリーム系カルボナーラ。「パパダビデ」は素材からこだわって作られたローマの本格カルボナーラ。どちらのカルボナーラもとろりとおいしく、まったく違うベクトルの魅力でいっぱい。
カルボナーラってこんなに広がりのある料理だったのかと括目しつつ、これからも横浜のおいしいカルボナーラを求める旅は続く。
なお、まだまだおいしいカルボナーラ情報を募集中。さて次はどこに行ってみようかな。
― 終わり ―
ザ・ニューヨークカフェ (THE NEW YORK CAFE)
住所/神奈川県横浜市中区尾上町5-73 馬車道ビル B1F
電話番号/050-5868-3702 (予約専用番号) 、045-222-7566 (お問い合わせ専用番号)
営業時間/17:00~02:00 (L.O.01:30) 夜10時以降入店可、夜12時以降入店可、日曜営業
定休日/年中無休
HP/http://www005.upp.so-net.ne.jp/aquarium/n.y.c.htm
PAPA DAVIDE(パパダビデ)
住所/横浜市中区山下町37-8 グローリオタワー1階
電話番号/045-650-7080
営業時間/ランチ11:30~14:00 、ディナー17:30~23:00(L.O. 22:00)
定休日/毎週 月曜日(祭日を除く)
HP/http://www.papadavide.com/