バリエーション多彩! 横浜にある七福神を完全網羅! vol.2
ココがキニナル!
この間野毛の成田山で七福神を見かけました。横浜市に七福神はいくつあるのでしょうか。気になります(tokuさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜にある七福神は全部で9つ! 各エリアや寺社ごとにお送りする個性豊かな七福神めぐり第2回は港北・鶴見編!
ライター:一藁 雅之
鶴見へ!
続いて鶴見七福神の紹介だ。
鶴見歴史の会を中心に、鶴見区文化協会や鶴見法人会、商店街連合会など地域をあげて七福神を盛り上げている。「鶴見歴史の会」の金子さんによると、2011(平成23)年に總持寺の移転100年と鶴見歴史の会創立30周年、さらに鶴見区文化協会創立25周年を記念して誕生したとのこと。
こちらは鶴見の七福神
1番から順に正泉寺(しょうせんじ)、總持寺(そうじじ)、東福寺(とうふくじ)、安養寺(あんようじ)、松蔭寺(しょういんじ)、鶴見神社(つるみじんじゃ)、熊野神社(くまのじんじゃ)となっている。
まずは松蔭寺の布袋様から。
鶴見区東寺尾1-18-1。JR鶴見駅よりバスで約10分、大口駅より徒歩約20分
歴史の趣を感じさせる佇まい
満面の笑みを浮かべる布袋様
仙鶴山と呼ばれる所の小高い位置にあり、境内はひっそりのどかな雰囲気たっぷりだ。鶴見区の資料によると、奈良時代の優作とされる阿弥陀如来坐像が上野の国立博物館に寄託されているそうだ。
次は駅前の大通りにあって気軽に訪れやすい安養寺の弁財天。
鶴見区岸谷1-22-12。生麦駅から徒歩約3分、鶴見駅からバスで約10分
公開は正月限定とのこと。残念・・・
境内にある「福壽辨財天縁起(ふくじゅべんざいてんえんぎ)」によると、「この弁財天に諸人祈らば病苦災難悪神の障害を除き子孫長久、商売繁昌の利益を得くこと夢ゆめ疑う事なかるべし」(※編集部意訳:弁財天に祈れば、病気や災難を取り払い、子孫繁栄や商売繁盛は間違いない)という。
3ヶ所目は踏切をわたって反対側にある正泉寺の恵比寿様。
鶴見区生麦4-31-4。花月園前駅から徒歩約10分、国道駅から徒歩約5分
奥に佇む「波切不動明王」との見事なコラボレーション
沿岸部の土地柄か、海上の安全や豊漁、商売繁盛の恵比寿様が祀られたことに納得。木彫の舟に鎮座している様子はお茶目でありながらも、海という大自然に対する敬意や信仰心の象徴と感じられる。
長い階段を登った末に辿り着けるのが、東福寺の毘沙門天。
鶴見区鶴見1-3-5。花月園前駅から徒歩約3分
こちらも残念ながら非公開
弘法大師様の霊場で、「新四国東国八十八カ所巡拝」のひとつでもある。
お寺の創建された年代は不明だが、寛永年間(1243年~1247年)に山脇玄心(やまわき・げんしん、玄心法印)が開山したとされている、鶴見でもっとも古い寺のようだ。
次は「日本一」と言われる總持寺の大黒様。いったい何が日本一なのか。
鶴見区鶴見2-1-1。鶴見駅から徒歩約7分、京急鶴見駅から徒歩約10分
日本一(約1.8メートル)の高さを誇る大黒様
總持寺の大黒様は高さ約1.8メートル。お寺によると、木彫りの大黒様としては日本一大きいと言われているそう。
大黒様本体の高さに加えて、台座や遠近感のある視覚効果で数字よりも大きく見える。日本一と呼ばれるにふさわしい威厳や神々しさがたっぷりだ。
この総持寺は曹洞宗の大本山として、多数の文化財が収められているほか、石原裕次郎など著名人の墓所がある。
再び線路の反対側にまわって行く鶴見神社の寿老人。
鶴見区鶴見中央1-14-1。鶴見駅より徒歩約8分
風格漂う由緒正しき神社
こちらの鶴見神社は、推古天皇の代(約1400年前)から続く歴史のある横浜・川崎間最古の社だ。
さらに鶴見神社のウェブサイトによると、推古天皇以前より神聖な地として、すでに祭が行われていたとのこと。鎌倉時代から伝わる田祭りにも貴重な文化遺産としての価値がある。
また、宮司の金子さんに話を聞いてみると、過去に寿老人が盗まれたことがあったらしい。しかし、鶴見出身で秋田に住んでいる方がその話を聞きつけ、有志で木彫の寿老人をつくって寄贈してくれたそうだ。
宮司の金子さんは前述の「鶴見歴史の会」の会員の金子さんと同一人物!
鶴見七福神を締めくくるのは熊野神社の福禄寿。
鶴見区東中町9-21。鶴見市場駅から徒歩約1分
公開は正月のみ(写真は熊野神社ウェブサイトより)
こちらは「バリエーション多彩! 横浜にある七福神を完全網羅! Vol.1」で紹介した熊野神社だ。1ヶ所で七福神+おかめを祀っているのに加えて、鶴見七福神として福禄寿が鎮座している。
こちらも創建以来1000年以上の歴史を持つ重要な寺社なので、貴重な文化財が多数。関東総鎮護として、横浜の守り神となっているのだ。
取材を終えて
取材中、「気軽に七福神めぐりをするのはよろこばしいことだが、できれば参拝のマナーにも気を付けてほしい」という声があった。たしかに私欲のために寺社や参拝客に迷惑をかけるのはもってのほか。七福神にお参りをする時は、本来の信仰心も忘れずにいてほしい。
次回は全国でも珍しいダルマ大師のいる「瀬谷」、自然に恵まれた地域の「金沢」、現在は廃止となってしまった「浜」の3エリアを一挙紹介!
―終わり―
ムクスケさん
2014年12月31日 15時52分
鶴見神社の地図が、東福寺です。