横浜で美味しい「モーニング」が食べられる「昔ながらの喫茶店」はどこ?
ココがキニナル!
橫浜西口の喫茶店「珈琲さろん午後」は、午後なのにモーニング!?(スさん)名古屋発の喫茶店がチェーン展開されて人気ですが、昔ながらの喫茶店でモーニングサービスをやっているお店はある?(ココポリととさん)
はまれぽ調査結果!
「珈琲さろん午後」は昔の店名を引き継ぎ、モーニングサービスを提供。モーニングをやっている昔ながらの喫茶店では、ゆっくりした時間が流れていた。
ライター:吉澤 由美子
ソウルミュージック大好きマスターのホットサンドモーニングの店、喫茶タケヤ
3店目は、京浜急行黄金町駅から徒歩2分の喫茶タケヤ。まずは、店内のレトロで渋い雰囲気を見ていただきたい。
趣きある店内
壁には外国製の古いポスター
流れる音楽は、60年代から70年代のマスター選曲のソウルミュージック。特にボビー・ブランド(アメリカのブルース歌手)はマスターのフェイバリット。渋い店内には現役のピンク電話もある。
タケヤという店名の由来は、元々ご両親がこの場所で営まれていた旅館の屋号から引き継いだもの。30年前にご両親が亡くなられたのをきっかけに現マスターが喫茶店として開業した。
かつては旅館だった喫茶タケヤ
モーニングはホットサンドとコーヒーのセットで400円(税込)。地元の名店カメヤのパンを使っている。
喫茶タケヤのモーニングサービス、400円(税込)
モーニングのホットサンドは、トーストしたパンにマヨネーズであえて胡椒を振ったゆで卵がはさんである。カリッとした表面としっとりした内側がリズミカルでシンプルだがおいしい。なんだかとってものんびり和める味だ。
1枚のパンを薄く切ってはさんであるので、サクサク感が増す
モーニングは午前8時から午前11時までだが、残っていたら時間を過ぎても出してもらえるとのこと。
今回はモーニングの取材だが、実はスパゲティナポリタン(550円・コーヒーとのセットは650円)が人気の喫茶店でもある。
人気の秘密を聞くと、「特別なことはしてないよ。うちの隠し味はソウルミュージックだから」と笑顔のマスター。
流れる曲に合わせて口ずさみながら料理をするマスター
そして、タケヤは猫がいる喫茶店としても知られている。
モモちゃん(10歳 ♀)。生まれつき後ろ足の一部がないが、カウンターにぴょんと飛び乗るほど身軽
近くの大通り公園に、ブリーダーが捨てたらしいアメリカンショートヘアの猫が居ついて、3匹の子猫を産んだ。子猫と一緒にタケヤに押しかけてきて、そのまま飼われることになったのは、今から10年ほど前のこと。
ママ猫と唯一の雄だったゴンちゃんはもう亡くなってしまったが、モモちゃんとその姉妹のなっちゃんは今も元気。
「猫とソウルミュージックとナポリタンが好きな人には居心地のいい店」とマスター
ナポリタン好き、ソウル好き、猫好きのお客さんがお昼近くから夕方まで次々に来てくれるという喫茶タケヤ。「サクサクのホットサンド目当てに朝のお客様も増えるかもしれないですね」と言うと、「店を開けるのは朝の8時だけれど、なんだかんだ準備してから猫といっしょにまったりボビー・ブランドを1時間くらい聞くのが習慣」と言う。
「だから、開店時から1時間ほどは、ゆっくりしたいんだ」というお茶目なマスター、名前は片岡孝夫さん。
ソウル大好きなマスターは、フリーチャチャのステップなんかも教えてくれるらしい。
ソウルミュージックにあわせて踏むステップ
「1960年代の終わりころ、中華街のはずれにリバーサイドっていう店があってね、ジュークボックスがあって、それに合わせて踊る店だった。リバーサイドは黒人ばかりでソウル中心。もちろんお客はほとんど米軍の兵隊。ベトナム戦争中だったから、休暇をもらって日本に来る。本国から当時流行っているレコードをたくさん持ってきてジュークボックスに入れて、最新のステップを披露してくれた」
最新曲で踊る黒人兵
「今では考えられないけれど、そのころ、日本にアメリカの音楽が入ってくるのは1年遅れ、2年遅れという時代だったから、横浜はアメリカの大衆文化がいち早く入ってくる場所だった。60年代終わりの3年間くらい、横浜は新しい文化に触れられる華やかな場所だった」と懐かしむ。
そんなマスターに「ここもお酒が似合いそうなお店ですよね」というと「お酒を飲むのは好きだけど、お酒を売るのは好きじゃないから」と笑う。
「午後5時でお店をしめて、猫を構いながらボビー・ブランドを流してゆっくり一人で飲むんだ。贅沢だよね」
取材を終えて
横浜生え抜きの古き良き特色ある喫茶店で、魅力的で風情あるモーニングを出しているお店を見つけた。
今回取材した店には、日常を忘れられるほど、ゆっくりした時間が流れていた。同じ時間を過ごしたとしても、時間をより長く感じさせてくれて、心身が休まるのだ。忙しい朝には短時間で良質な元気をチャージできる。そして時間に余裕があるときには何時間でもいられる。そんな長居を快く許してくれる雰囲気を持った店だった。
そして、昔ながらの喫茶店のもうひとつの魅力は、店主の人柄、そしてちょっとした会話。セルフサービスのカフェやチェーン店では味わえない時間だ。
―終わり―
取材協力
珈琲さろん午後
住所/横浜市西区北幸1-11-15 横浜STビル1F
電話/045-325-1717
営業時間/[月~金]8:30~20:00 [土]12:00~18:00 [日・祝]12:00~18:00
朝食営業、ランチ営業、日曜営業
定休日/なし
※年末年始(12月31日から1月2日まで)とビル自体の休館日はお休み
http://space.geocities.jp/caffe55lover/
コーヒー マツモト
住所/横浜市南区真金町2-12
電話/045-231-8631
営業時間/7:00~19:00
定休日/不定休
※年末年始は1月1日から1月4日までお休み
タケヤ (TAKEYA)
住所/横浜市中区末吉町4-86
電話/045-252-0255
営業時間/8:00~17:00
朝食営業、ランチ営業
定休日/基本的に無休(お正月<1月1日のみ>・その他休み有)
※情報は取材当時のものです。詳細は各店舗のホームページをご覧ください。
つるみつざわさん
2019年12月04日 18時52分
たけやさん33年前に学校帰りにしばしば立ち寄らせて頂きました。放課後の時間にも関わらずモーニングを350円で提供してくれていた。今でも破格値で提供していて驚きました。タマゴサンド美味かった。モーニングだけで貧乏学生を長居させてもらって感謝してました。懐かしいです。店内もモーニングもそのまま。また訪れてみたいです。
ホトリコさん
2014年12月29日 10時02分
餅とコーヒー意外と良い組み合わせかも。