横浜産の野菜を使ったお弁当が郵便局で買えるって本当?
ココがキニナル!
中区内で発売されている「ハマの野菜弁当」が郵便局でも販売されているとか。なぜ郵便局で扱ってもらうようにしたのか経緯がキニナル。(雲葉 @since1992さん)
はまれぽ調査結果!
郵便局でのお弁当販売は、1952年創業の仕出し店「横濱うお時」を中心とした地産地消プロジェクト「ヨコハマヤサイdeまるしぇ」のアイデア!
ライター:大和田 敏子
「mass×mass 関内フューチャーセンター」で販売開始
2013(平成25)年10月には、中区にあるコワーキング・スペース「mass×mass 関内フューチャーセンター」で販売を始めた。地域で働く人たちの社員食堂というテーマ「まちなか社食」と名付け、月~金曜日の午前11時30分から午後2時までコワーキング・スペースの場を開放して、お弁当を食べることができるようにした。
「mass×mass」の入り口には「まちなか社食」の旗がある
入口にはお弁当のメニュー。横浜野菜を使ったおかずが明記されている
入って右手にお弁当販売ワゴン
神奈川県最西端、山北町の間伐材を使ったワゴンだそう
午前11時30分過ぎからお客さんが集まり始めた
どれもおいしそうでキニナル!
仕出し店「横濱うお時(魚、肉)」、魚屋カフェ「濱の市(特撰、週替わり、日変わり)」、洋食レストラン「ラトリエ・ビルド」、タイ料理居酒屋「サバイクラパオ」、高級仕出し弁当店「泉仙」の5店、9種類のお弁当がある。価格は500円~700円だ。
タイ料理のお弁当は、ちょっとめずらしい!?
ここで一番高価(700円)な、お弁当はこれ!
「ヨコハマヤサイdeまるしぇ」は販売拠点によって、販売しているお弁当の種類が異なるが、ここでは取材時、全種類を販売していた。
隣はコーヒーとマフィンを販売するワゴン
お弁当を買った方にも話を伺った。
週1~2回購入するという近くにお勤めの方
「種類も多くておいしいです。地産地消に役立つのも良いですね」
交流会に集まった方々もお弁当を広げていた
月1回の交流会の時は、お弁当を購入するそう。とても評判がいいそうだ。
ほかにも・・・
「おいしいので毎日のように買っている。地産地消に共感するし、上の階に入居しているので少しでも貢献したい」(30代女性)
「おいしい。メニューをネットで見て買いにくる」(40代男性)
といった話も伺えた。近くにお勤めの方がほとんどのようだ。
「mass×mass」スタッフの方(女性)もランチタイム
「普段あまり野菜を食べないので、野菜不足解消にもいいですね」と話してくれた。
スタッフのしおざわさん!
「横浜野菜についてPOPに書いたりしてアピールしています。お客さんにも野菜にこだわりがある方が多いですね」
ここで、横濱うお時のお弁当をいただくことにした。
横濱うお時(魚)のお弁当(550円)
この日のお弁当は、ブリの照り焼き、卵焼き、ブロッコリー、ナスの揚げ煮、キャベツの肉みそのせ、カブの浅漬け。
ブロッコリーとキャベツ、カブが横浜産だ!
残念ながら、今の時期は、ナスやピーマンはほかの産地のものだそう。ご飯は宮城県登米市の特別生産米を使っているという。
90年以上変わらないレシピの卵焼き。うお時では「頑固焼き」と呼ぶ!
頑固焼きは甘めの味付け。・・・なんだかなつかしい味! 野菜のおかずは素材の味をしっかり感じることができる控えめな味付けだ。照り焼きも味がしつこくなく、おかずとご飯のバランスが良いので、最後までおいしくいただけるお弁当だった。
郵便局でお弁当販売!?
さて、キニナル郵便局でのお弁当販売。これには、どのようなきっかけがあったのだろうか?
実は、きっかけは渡邉さんが奥さまを通じて、OLのランチ事情を知ったことによるそう。
1時間ほどのお昼休み、銀行や郵便局に用事がある時はまずその用事を済ませる。待ち時間が長くて時間がなくなれば、外でランチをとることは諦め、コンビニやお弁当屋さんで購入することになる・・・とこんな事情。
「それなら、待っている場所で弁当を売ればいい!」と渡邉さんは考えた
以前、キャンドルにメッセージをつけて郵送する「message from・・・」というイベントで知り合った郵便局の方に話したところ、郵便局では催事としてスペースを借りることができると知った。・・・で、郵便局でのお弁当販売が実現!
2014(平成26)年5月の中区横浜太田町郵便局を皮切りに、現在は、横浜本町、横浜北幸、新横浜駅前、新横浜三郵便局の計5つの郵便局で販売を行っている。
横浜北幸郵便局。お弁当販売を示す「ポストでり」の旗があった!
ごく普通のお弁当売り場!?
「年賀はがき販売中!」と見えて・・・やっぱり郵便局だ!
こちらも午前11時30分過ぎから、お客さんがちらほら
スタッフのかとうさんに話を伺った
「横浜野菜は安心と言ってくれる方もいますし、野菜の多いお弁当をとおっしゃるお客さまも多く、地産地消について関心を持っていただけていると思います」と、かとうさん。
近くの会社に勤める、常連のお客さんがほとんど。会議がある時など10個近くまとめて買う方もいて、在庫がなくなって、ほかの店から運んでもらうこともあるという。
お弁当を買った方にも話を伺った。近くにお勤めだそう
「とてもおいしくて種類も多いので、その日の体調などによって選べるのがいいです。どれも茶色っぽいお弁当でなく、彩りが良いので女性にも人気があると思います。地産地消は素晴らしいことですね」と話してくれた。
ほかにも「地元の食材をいただくのは良いことだと思います。近くにはほかにもお弁当を売っている場所がありますが、ここのはおいしくて、同じ会社の人たちにも人気があります」(20代女性)という話も聞けた。
正午になると、郵便局の外までお弁当を買う人の列ができた
「ヨコハマヤサイdeまるしぇ」全体では、1日に400~420個前後のお弁当を販売している。この横浜北幸郵便局では、90~100個が売れる。ここが一番売れている拠点だそうだ。
商業施設でも、地産地消をテーマにした販売を
横濱うお時は、MARK IS みなとみらいに地産地消弁当・惣菜店を出店している。
MARK IS みなとみらいへの出店は2014(平成26)年11月
「横濱野菜うお時」の売り場
こちらの店舗では、お弁当や・・・
お惣菜だけでなく・・・
横浜産野菜も販売! 生産数が少なく、なかなか市場に出回らないめずらしい野菜も意識して販売しているそう。
「横浜でこんな野菜を作っているんだ!」と知ってもらうのも目的の一つ
地産地消をテーマに、選りすぐりの加工品も販売している
横浜野菜をコンセプトの中心にしてはいるが、日本全国の旬の食材を使ったお惣菜をという方向でも販売を進めているようだ。
「横濱うお時」「ヨコハマヤサイdeまるしぇ」の今後は?
「横濱うお時」として、さらに商業施設への出店予定もあるそうだ。
「鮮度の良い、旬の野菜を安心して食べられる地産地消には大きなメリットがあるが、それには限界がある。食べておいしいということが一番大事なので、その時期においしい旬のものを横浜以外のエリアからも仕入れる」と渡邉さん。
網元の家から始まり、かつて魚屋だった「うお時」
・・・ということで、日本全国から、おいしい魚を仕入れることも考えているという。
キニナル投稿にあったヨコハマ創造都市センターでのお弁当販売は、指定管理者が(公財)横浜市芸術文化振興財団から現管理者に変った2015(平成27)年3月に契約を終了。
現在の販売拠点は7ヶ所だ。今後、さらに郵便局への出店を増やす方向で調整中とか。オフィスビル1階など共有部分への出店も考えているそうだ。
取材を終えて
地産地消は良いことだと思っていても、横浜野菜を買うことのできる場所は限られていたり、横浜野菜を使用した飲食店の料理は高価であったりすることが多く、なかなか実践しにくい。そんな中、身近でリーズナブルに、横浜野菜を使ったお弁当を販売する「ヨコハマヤサイdeまるしぇ」には興味がわいた。
また、そうした販売を可能にした、渡邉さんのユニークな発想と、人とのつながりを大切にする温かな人柄に触れることができ、楽しい取材だった。
―終わり―
取材協力
有限会社 うお時
住所/横浜市中区若葉町2-26
電話/045-261-0693
http://www.uotoki.com
mass×mass 関内フューチャーセンター
住所/横浜市中区北仲通3-33 中小企業共済会館ビル 1F/2F
電話/045-274-8701 (代表番号) 045-274-8700 (コンシェルジュ)
横浜北幸郵便局
住所/横浜市西区北幸2-10-33
電話/045-323-5775
MARK IS みなとみらい
住所/横浜市西区みなとみらい3丁目5番1号
電話/045-224-0650(代表)
ヨコハマヤサイdeまるしぇ/http://marche.yasai.yokohama
雲葉 @since1992さん
2016年01月06日 10時31分
だいぶ前の投稿だったので販売終了→まとめて送りかと思ってました。ありがとうございます。郵便局で販売の理由も分かりました。ワンストップで用が済むなら確かに便利ですね。記事にもありますが横浜野菜とブランド化しても高価にする理由はなく、手軽に味わえるのがいいと思います。