85年以上も続く大倉山梅林の歴史とは?
ココがキニナル!
現在、大倉山公園の梅林の梅の木は、150本ほどあるが、昭和6年の開園当初は、何と千本以上の梅の木があったそうです。なぜ、梅林の規模が縮小されたのか?大倉山の梅林の歴史を知りたい(ねこぼくさんのキニナル
はまれぽ調査結果!
東急が開園させた梅林は1937年頃に1000本を超え、戦時中の伐採で縮小、戦後に復活。横浜市所有後に整備され、現在は200本となった。
ライター:大和田 敏子
現在の梅林の様子は? いざ現地へ
大倉山梅林の歴史を知ることができた後、実際の様子を見にやってきた
取材は2月10日。かなり開花してきているよう!?
主な種 は「白加賀(しらかが)」「野梅(やばい)」。珍しい種としては、薄紅、紅、白の花がつく「思いのまま」、萼(がく)が緑色の「緑萼梅(りょくがくばい)」などがある。
梅の木1本ずつに種類が書かれているので名前を確認しながら歩いてみた
「白加賀」は、まだほとんど開花しておらず、「野梅」も5分咲きといったところ。
「緑萼梅」は、まだ咲き始めたばかり
1本の木に、薄紅、紅、白の花が咲く「思いのまま」はまだ開花前
残念だ・・・。
月影(つきかげ)。なんて素敵なネーミング!
楠玉(くすだま)。名前通りの丸い花!
池のある周辺にも、開花している木が多くあった
紅千鳥(べにちどり)。満開!
来園していた方にも、少し話を伺った。
近所にお住いのNさん(左)と川崎在住のAさん
「梅の時期にはよく来ますが、毎年行われている観梅会は人が多いので、空いている時の方が落ち着きます」とNさん。
「昔、近くに住んでいるころはよく来ていましたが、久しぶりです。観梅会はとてもにぎやかで、梅酒が甘くておいしかったことを覚えています」とAさん。
横浜に引っ越してきて2年目という60代のAさん夫妻は「ここに来るのは2度目。手入れが行き届いていて気持ちが良いです。きれいで落ち着いた雰囲気がいいですね」と話してくれた。
写真を撮っている方の姿もちらほら見かけた
大倉山観梅会の魅力に迫る!
大倉山観梅会実行委員会事務局の高橋保志(たかはし・やすし)さんに話を伺った
観梅会が始まったのは1989(平成元)年。初回来園者は不明だが、1万人ほどだったのではないかとのこと。天候によりばらつくが、その後は増加傾向で、近年は3万人以上だという(2015年4万人、2014年6万人)。2015年は2日目が雨だったそうだ。
最近は、東急東横線と東京メトロ副都心線の相互乗り入れもあり、遠方からの客も増えているという。
第28回大倉山観梅会ポスター
以下、2015年の観梅会の様子について、「こうほく写真コンテスト」の入賞作品をはじめ写真を提供いただいたので、内容を紹介する。
例年通り1日目のステージは、地域の子どもたちの発表の場として、和太鼓や獅子舞、ソーラン節などが披露される。
「佳作」の熱演獅子舞〈川上勝正さん〉
2日目は、港北三曲会による筝(そう)・尺八などの演奏、港北芸能協会による日本舞踊のステージ。
梅にお琴が似合う(提供:大倉山観梅会実行委員会事務局)
野外でお茶をたて、自然を背景に楽しむ有料の「野点(のだて)」も行われる。
「佳作」の野点〈峯岸誠一さん〉
梅林の中と大倉山記念館の広場に地元商店街が出店(提供:大倉山観梅会実行委員会事務局)
2016年の出店数は15店舗ほどだという。
園芸品の販売もある(提供:大倉山観梅会実行委員会事務局)
大倉山梅酒「梅の薫」の新酒試飲、先行販売もある(提供:港北観光協会)
「梅の薫」は、梅林が横浜市に移管されたのを機に、1991(平成2)年度に大倉山公園(梅林)開園60周年記念事業として、港北観光協会が発案。
大倉山梅林の「白加賀梅」を手もぎで収穫し、厳選した梅を、2~3年寝かせた原酒とブレンドし調整しているという。ヨコハマ・グッズ「横濱001」認定商品で、第16期(2015-2016)の審査では、「審査員特別賞」を受賞している。
観梅会翌日からは、港北区内と神奈川区内の酒屋さんで約5000本の限定販売されている。
こんな風景もきっと(「佳作」の家族団らん〈宮田久男さん〉)
取材を終えて
桜を観る、いわゆる「お花見」に比べて「梅見」「観梅」は注目されることが少ない。けれども、ゆっくり眺めてみると、梅の花には奥ゆかしい魅力があった。
取材の帰りに「梅の薫」を購入した。新酒ではないのだけれど・・・。
甘くてまろやかな味の梅酒をいただき、眺めてきた梅の花を想う
大倉山梅林には、多くの種類の梅の木がある。種類によって見ごろが違うので、長い期間、楽しむことができるのも良いところだ。まだ咲いていなかった花を観にまた出かけたい。「思いのままに」はもう咲いただろうか。
―終わり―
詳細情報
第28回大倉山観梅会
2016こうほく梅の写真コンテスト作品募集
参考文献
「港北区史」(港北区郷土史編さん刊行委員会)
「わがまち港北」平井誠二著 (『わがまち港北』出版グループ)
「横浜今昔」毎日新聞横浜支局編(毎日新聞横浜支局)
東急電鉄関係資料「清和」「東急グラフ」「とうきゅう」など
ホトリコさん
2016年02月25日 12時07分
桜も良いけれど、梅も香りも含めて良いですね。梅酒もセットは思いつきませんでしたが、今度試してみましょう。
柴犬さんさん
2016年02月24日 13時40分
大倉山公園の梅は少し寂しい感じがしてたけど、昔は凄かったんだな、と知って、おみそれしました!横浜近辺はイマイチ梅の名所がないのが残念。、、個人的には池上梅園が一番好き(東京だけど、、)
くてくてさん
2016年02月24日 10時55分
観梅会は開花にぴったり合うことがむずかしいですね。詳細情報にある「第28回大倉山観梅会」のページに「梅の開花状況はこちらで」があるので参考になります。