ハマスタ近くにある威圧感がハンパない門の正体は?
ココがキニナル!
横浜スタジアムの横に威圧感ハンパない門構えがありました。空手道場みたいですが、都会のど真ん中にある道場って、実際中はどんな感じなんでしょうか?(kappeさん)
はまれぽ調査結果!
競技選手を育てるというより、礼や作法、困難から逃げずに立ち向かう心作りを目的とした空手道場だった。生徒さん同士も打ち解けていて温かい雰囲気
ライター:山口 愛愛
400人もの生徒が集まる人気の稽古
(つづき)
次に2人1組になり「護身術」の稽古へ。骨格や人間の動きの仕組みを理解しながら、護身術が身につくので女性にも人気なのだ。
丁寧に手のほどき方、攻撃や逃げ方を指導
手首をつかまれたときの対処の仕方をレクチャーし、生徒さん同士で練習。攻撃への流れも考えながら、小島も挑戦。
つかまれそうになっても
いろいろな返しがあることを知る
稽古の最後には木刀が登場。1人ずつ木刀を振りかざす今井師範と対峙し、木刀をよけながら突きなどの攻撃をしていく。
交わし方から打撃に転ずる動きを学ぶ
今井師範は「怖がってかたまり、刀をじっと見てしまうとよけられない。人の動きをギリギリまで見て、しっかり見切ること。相手が攻撃してくるときには必ず予備動作がある。そこを見抜ければこちらが仕掛けられる」と言い、木刀を縦に横に振っていく。
生徒さんはよけながら、少しの間を見切り攻撃していく。
交わしながらの突き
最初はビビリ過ぎて逃げていた小島も
スキを見て手数を出せるようになった
最後に定位置基本の突きを繰り出し、礼をして終了。
基本に返ることも大切
「体の使い方など勉強になりました。初めてでもしっかり体を動かせました!」と小島。「初めてとは思えない。スジがいいよ」と今井師範。初心者も満足の内容だった。
誰とでも仲良くできる最強の自分作り
稽古が終わったところで、今井師範に道場の成り立ちについて伺ってみる。まず、門について聞いてみると「門は、カルチャースクールや一般的な子どもの空手教室と違う道場という印でもあります。ここでは『徳』を学び、『徳』を得て、それを普段でも生かしてほしい。門をくぐったところから、それを意識してもらえるように。門に言葉が書いてあるでしょう」と今井師範。
なので、行きは「入徳之門」
帰りは「生徳之門」となっている
「うちでは競技選手を育てるのではなく、“できる”と思う気持ちを育てているんです」と道場のポリシーを語ってくれた。
今井師範は、生れも育ちもこの道場のある中区。10代で空手を始め、今井さん自身も師匠の教えを受け、この街で空手を極めてきた。
空手を始めたのは「強くなりたかったんでしょうな」
もとは2010(平成22)年に、この近くにある関内南口のビルの6階で開校したという。広告など一切出さなかったが、今井師範の教えに口コミで生徒が広がり、その道場に入りきらなくなり、2014(平成26)年に、この場に移ったのだった。
道場の前は飲食店だったそう
今でも、毎月15名ほど生徒が増え、総数はなんと400名超え。
「うちは競技選手を育てる道場と、違うんですよ。行を修めて修行する道場です。このまままでは仕事や生活がうまくいかないかもしれない、強くなりたいと思う人たちが時間を作ってくる場」と話す。
子どもクラスもあり、親子で参加する人も
「戦うのが好きで来る人はほとんどいない。ここで目指す必殺技は、どこでも誰とでも仲良く楽しく暮らせる“無敵の自分”をつくること」
「世の中のモメごとの原因の8割は礼を欠いたこと。感謝の念が欠けている。臆病だと表現を試すことができないからね。元気に目を見て礼を尽くし、感謝の印を返すことを真剣に考える場」と説明し、ほかの道場と一線を画しているのが分かる。
競技成績の向上を目指したい人は、水、金曜日の通常の練習の後の「組手」クラスで稽古をすることができる。
レベルに合わせた競技空手も学べる
護身術が習えるのも珍しく、大きな特徴である。「自分で何かを求めるより、もう返す側かなと思い、護身術が役に立って、生まれ育った中区に恩返しできれば、との思いで始めた」と今井師範。
「護身するにはしっかりと相手の動き、本質を見ないといけない。ナイフや刀の上辺にとらわれないことが大事。日常で例えるなら『もたもた仕事して・・・』と嫌みを言ってくる上司に対して、『忙しいのに気付いてくれてありがとうございます』といえるのが最終目標」と奥深い言葉がスッと入ってくる。
中には護身術が目当てで入会する人も
生徒さんは3歳から75歳までいて、40代、50代から始めた人も多いそうだ。空手は自分で整骨する効果もあるといい「骨格の差があっても、理論を使えば勝てるのがおもしろいところ」。
今井道場に通い3年になる伏見さんは「ホームページを見て、戦うというよりは精神論や礼儀に対して書かれていたので、武道の力を強く感じ、見学したその日に入会しました」とのこと。
小島に丁寧に指導してくれた伏見さん
「通うようになって忍耐力が付きました。一歩引いて物事が見られ、冷静に判断するようになり、仕事にも生活にも生かせられていると思います」と明るい表情で話す。
厳しさとやさしさを持ち合わせた空手仲間たち
今井師範に今後の目標を聞いてみると「自分の生徒たちが指導者になって道場を開校して、どんどん広がれば嬉しいかな」と話し、伏見さんに今後の夢を聞くと「今井先生の人間的な魅力に惹かれているので、一緒に道場ができたらいいなと思います」との答えが返ってきた。
師範と生徒の固い信頼関係も感じられる、徳のある道場であった。
取材を終えて
型や技はもとより、心を磨くと強い人間になるというような教えが節々で伝わってきた。興味を持った方は、いかつい門をくぐってみてはいかがだろうか?
―終わり―
取材協力
少林寺流空手道錬心舘 関東地区本部
武道空手 今井道場
住所/横浜市中区山下町223-1
電話/045-341-3966
http://www.imai-dojo.com/
ホトリコさん
2016年05月04日 06時15分
ボクシング習ってるって自慢する輩も、いじめっ子でした。習う人の目的次第であると信じたいが、いかがなものでしょうか?
今宵月男さん
2016年05月02日 01時14分
子供のころクラスに空手やってる子がいたんだけど、いつもいじめられっ子相手に突きや蹴りの練習みたいなことばかりしていたので、空手にいい印象は全くないですね。道場の中ではおとなしく練習してるけど、学校ではいろいろやってるんですよみんな。
かにゃさん
2016年04月30日 18時40分
この門、中華街から関内駅に帰る途中にあって、いつも気になってたんですよ。謎が解けて良かった。ありがとうございました!