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山奥に向かって「ずらあ~っ」と並んだちょっと怖い横須賀の稲荷神社とは?

ココがキニナル!

横須賀市田浦地区に鳥居がずらぁ~と並んだ神社があります。「白赤稲荷神社」と「白若稲荷神社」の2カ所。京都の伏見神社と縁があるとか?なぜここに祀られているのか?キニナル!(八景のカズさん)

はまれぽ調査結果!

白赤(はくせき)稲荷神社も白若(しろわか)稲荷神社も京都府伏見の伏見稲荷大社を総本社とする系列の神社だった

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ライター:やまだ ひさえ

朱の鳥居に願いを込めて



田浦地区にある2社の稲荷神社は、京都の伏見稲荷大社を総本社とする講中だ。

 

2つの稲荷神社がある(Googlemapより)

 
中でも投稿にある「白赤(はくせき)稲荷」は、50年ほど前、ご縁があって松本さんが1500坪の土地を取得、建立したものだ。

横須賀街道から住宅街に入り、横浜横須賀道路が間近に見える奥まで入った場所に入口がある。三浦半島の中でも高い場所にあり、初めてで1人で行くのは不安があるだろうと、松本さんが案内してくれることになった。

 

車で入れるのは、ここまで

 
右側が、田浦の白赤稲荷が祀られている山。山頂近くに社がある。

 

参道の入口には幟(のぼり)。目印になっている


一の鳥居の脇には杖が用意されている

 
山道の険しさを予感させる杖。神社で用意したものだ。

 

鳥居をくぐると、いきなり急坂が待っている

 
松本さんが先導してくださる。登り慣れているので、初心者では追いつくのは難しい。

 

最初のうちは道が整備されている

 
途中に畑があり、そこへ通う農家の方が中心になって階段が整備されている。
それでも慣れない人間には歩きずらい。

 

休憩用のベンチ(?)も置かれている

 
蛇行する山道を登ること10分ほどで、開けた場所に出る。

お社までの中間地点といった場所で畑仕事に精をだしているのは、柄沢文男(からさわ・ふみお)さん。40年以上も急坂を登って、この場所で作物を作り続けている。松本さんとは顔なじみだ。

 

柄沢さん(左)に作物の出来具合を聞く松本さん

 
畑の周りが唯一の平坦な道だ。ここを過ぎると、また、急坂の山道が続く。

 

密林に迷い込んだかのようだ

 
山頂近くにある稲荷神社への参道だが、柄沢さんの畑以降の道は整備されていない。参拝者が踏み固めた場所が階段のようになっているだけで、まるで獣道のようになっている。

 

山頂からは遠く東京湾を望むことができる

 
登り始めて約20分。ようやく神社の入口に到着。

 

鳥居の回廊になっている

 
鳥居は、神様の世界と俗世の境界線を表すもの。「願い事が通る」という意味があり、江戸時代以降、願い事を通してほしい、願い事が通った、そのお礼に鳥居を奉納する習慣が広がった。

 

取材した時点では58本の鳥居が並んでいた


鳥居の数だけ願い事がある

 
鳥居は、稲荷神社のご神木である杉の木を使って造られている。杉がご神木になっているのは、杉の花の形が稲穂に似ているからだ。

 

稲穂に似ている杉の花

 
杉の自然木で作った鳥居は、6~7年持つといわれている。撤去されるのは、自然の状態で朽ちたときだけだ。

 

朽ちるとご祈祷されたのち、撤去される

 
鳥居をぬけると・・・

 

杉林の中に拝殿が建立されている

 
周囲の杉林は人工林だが、かえってそれが凛とした空気の源になっているようで、静寂と神々しさを融合させた、神聖な空間を創りだしている。

 

右のお狐様は、蔵の鍵


左のお狐様、稲玉


祠は、稲荷神社の特徴である流造(ながれづくり)

 
小さなお社だが、立派な稲荷神社だ。

 

入口では見上げた横浜横須賀道路が眼下に望める

 
松本さんがこの場所を手に入れようと思ったきっかけは、三浦半島でもトップクラスの高地にあるので、神様を祀る場所としてふさわしかったこと。

そして、この山が相模湾と江戸湾とを結ぶ交易路として使われていたこと。「商売繁盛の神様であるお稲荷さんを祀るには、適した場所だと思った」そうだ。

高齢になった今でも松本さんは、急な山道を登り、定期的に祝詞(のりと)をあげにくる。今回は、せっかく来てくれたからとはまれぽ編集部の繁栄を祈願してくれた。

 

祝詞をあげる松本さん

 
祝詞をあげる清々しい声が、お稲荷さんが鎮座する山に、見守る里に響くのを感じながら、下山し、白若(しろわか)稲荷に向かうことにした。

白若稲荷は、横須賀市船越町3丁目、逗子市に隣接した場所に鎮座している。

 

交通量の多い幹線道路に面して鎮座している


白若稲荷神社


7本の朱の鳥居は祈願の証し

 
白若神社も歴史は古い。

詳しい年代は不詳とのことだが、船越三郎左衛門(ふなこし・さぶろうざえもん)という人物が、相模国田越村(現在の逗子市)方面から祠を背負いやってきて、人々の五穀豊穣を祈願するため、この地に鎮座させたのが最初を伝えられている。

以前は、もう少し下にお社があったが、地域の守護神である白若稲荷は高台に祀るべきだと声があがり、1960(昭和35)年5月、現在の地に移された。

 

地元の有志によって管理されている

 
ご祭神は、伏見稲荷大社と同じ宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)。もともと五穀豊穣と商売繁盛を願って祀られたが、前を通る道路で交通事故が多発したため、現在は、交通安全の守護神としても祈願されている。

専属の宮司が在籍していないので、祈願祭では松本さんが宮司を勤めている。
 


道路に面して交通安全が祈願されている

 
お稲荷さんは、衣食住を司る神様。いつでも庶民の願いとともにある。



取材を終えて



白赤稲荷は、山頂に鎮座しているため電気も水道も通っていない。夜道にあの急な山道を登るのは危険な気がするので、初詣をお考えなら、初日の出後をお薦めする。


―終わりー
 

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  • レポートありがとうございます。白赤稲荷は、ここホントに神奈川県横須賀市?と疑ってしまいそうな静寂な所です。夜中に訪れるのはかなりの度胸がいりますが、雨の日に訪れるとまた異様な雰囲気に包まれ、隠れたパワースポットとしてとても良い神社です。白若神社は、よく通る道の脇にあって、かなり前から存在を知っていたのですが、はまれぽ的に食い足りないかと投稿を躊躇して、自分で少し調べていたら白赤稲荷の存在を知り、行ったら凄い所だ!とキニナル投稿へと至りました。

  • 新丸子の京浜伏見稲荷はお狐さまだらけで面白くて好きだけど、この白赤稲荷みたいに地元の人しか行かないような、山の中にひっそりある稲荷神社もちょっと怖い、落ち着いた雰囲気が好き。旅先でこういう稲荷神社を見つけるとつい行ってしまう、、。これからも大事に祀って欲しい。

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