みなとみらい2丁目はどこにどんな人が住んでいるの?【前編】
ココがキニナル!
ランドマークのあるみなとみらい2丁目の人口が、今年の6月、0人から11人になったけど、どこにどんな人が住んでるの?マンション群があるのは4-5丁目だし…(まつどんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
居住施設はないので、実際には人は住んでいない“はず”。過去には41人なんていう時もあったが、これも住民票のからくりのせい!
ライター:吉岡 まちこ
そんなんでいいのか、住民票
では、住民票を受け取る窓口で、係の人は「おや?みなとみらい2丁目には住めないぞ?」とツっこんだりしないのだろうか。
住民票の提出先は西区・戸籍課登録担当だ。そこのところどうなのか聞いてみた。
「お客様が書かれた申請の通り、登録することになっています」
なんと、書かれた住所がどんな場所なのか、そこにマンションか家があるのかどうかも追究はしないという。
横浜市市民局の窓口サービスの人も「住民票は、申し出の通り住所を置くことができます」と機械的に言うではないか。
ランドマークとクイーンズスクエアの間
「ここに住んでいます」と言っても住民票は受け付けてもらえる
スッキリしないので、西区役所の代表番号から「区民の人口に詳しそうな係をお願いします」とか曖昧なお願いをしたところ、統計選挙係という部署につないでもらえた。
選挙と統計の業務をしている係で、その町に何人住んでいるか区民の動向を把握する部署だという。
――住民票ってテキトーな住所を書いても受け付けてもらえるって本当ですか?
「国立公園の中とか市役所の中とか、あきらかに嘘だとわかるのはダメですが、住民登録をしているということと、実際住んでいるかは別のことなのです」
最初から、そこに住んでいようがいまいが構わないということに近い。このギョーカイでは暗黙の了解なのか!?
「選挙が近づくと届く“選挙投票のご案内”のはがき、ありますよね。あれは住民票をもとに送るのですが、毎回西区だけで100~200通の返戻があるんです」
住民票に書かれた住所に住んでいない人がこれだけいるとわかっていながら。
そんなんでいいのか住民票。
総務省に電話をし、住民基本台帳を管理している課に回してもらうと、その先は住民制度課という所だった。
「居住の意志と、横浜市で住所として認定している可能性があれば、該当者が届け出をおこなった住所を西区長の権限で住所として認定できます」
「本来ふさわしくない場所でも、住める場所であれば法律上認めている」的なことだった。
そこにマンションも家もなくても、違法性はないのだ。
実際に住んでいる可能性があるとすれば・・・
さらにさきの西区戸籍課登録担当のかたが、良いヒントを2つくれた。
みなとみらい2丁目って、人は住めないですよね?と聞いてみたところ…
「横浜市の都市計画では用途地域としては商業地域ですが、人が住んではいけない区域というわけではないんですよ。それに住民登録の住所が事務所だとしても、住居兼職場という可能性もありますし」
それもまったく違法ではないそうだ。
「もしくは、その10人(取材時)は、ホテルに住んでいるんじゃないですか?」
そうか、故・淀川長治さんも先日亡くなった杉浦直樹さんも、それからデイブ・スペクター夫妻も確かホテルに長年住んでいると聞いたことがある。それもあり得る話だ。
横浜市統計ポータルサイト。「外国人登録」についても記載がある
話が複雑になるので後回しにしたが、ポータルサイトのトップにもあるように「外国人登録」者数も、人口にカウントされる。
そのことは西区の戸籍課にも言われていた。90日以上日本に滞在する外国人は外国人登録をしなくてはいけないのだ。ただし「町ごとの外国人登録者数はどこも多くはないので、公表はできない」(横浜市政策局総務部統計情報課)とのことだった。
そこで西区・外国人登録係に確認してみた。
「外国人は住民登録ができないので、外国人登録が住民票のようなものです。ホテルを一時滞在地にすることもできます。ただ日本人はホテルに住民票を置くことはできません」とのことだ。
この中にはロイヤルパークホテル
「ホテルに住んでいる」と言っていいのは外国人だけだ
でも、確か住民票を持っていないと日雇い仕事もできないという理由で、カプセルホテルを居住地にしている人や、家出してネットカフェに住民票を置いている日本人の話をニュースで聞いたことがある。ホテルに住民票を置けるケースもあるのでは?
「横浜市はカプセルホテルもネットカフェも認めていません」とは、西区戸籍課登録担当だ。
でも書かれた住所がネットカフェかカプセルホテルかを確認しないのだったら、提出できるも同然ともいえるのでは?
ちなみにみなとみらい2丁目には、カプセルホテルもネットカフェもない。
あまりに多い過去の41人。その謎解きは、後編で!
10人、多い時の41人に外国人登録が含まれていたとしても、その全員がこのみなとみらい2丁目の住所を書いたのだ。
マンションも家もない2丁目。それでも住民票は受け付けてもらえるし、違法でもなんでもない。
商業施設やオフィスばかりで一見人が住める場所などないように見えるが、本当にそうなのか。みなとみらい2丁目の人口の謎・後編では、人が住んでいる可能性がないか、現地を歩きながらとことん追究してみた。すると、意外な場所を見落としていることに気づいた…!
― 終わり ―
【後編】みなとみらい2丁目はどこにどんな人が住んでいるの?
みやっきさん
2011年11月11日 13時03分
興味深い記事ですた!後半も期待です。
lalalaloveさん
2011年11月11日 12時44分
本籍地がどこでも受け付けてもらえるという話はよく聞くけど(だから皇居の住所を本籍地にしている人も多い、とか)、住民票の住所もそれっぽかったら受け付けてもらえるとはビックリ。でも適当なことを書くと、色々と不便が起こりそうなので、まずしないでしょうね……。後半も期待