横浜市内で松茸やトリュフ、天然食用キノコは採れるのか?
ココがキニナル!
横浜市内で松茸が採れる山や公園はある?ポルチーニやトリュフは採れるみたい/横浜市内にどのくらい天然の食用キノコが生えているの?(ちゃたろうさん/ナチュラルマンさん)
はまれぽ調査結果!
大正2(1913)年頃に大磯の高麗山(こまやま)で採れたらしい松茸。残念ながら近年では横浜市の発生情報は皆無。キノコ観察会では100種類をゲット。食用は9種類でトリュフも採れた♪
ライター:おとも尚美
小田原で採れたキノコたち
キノコを探して2時間、ちなみに、ライターおとも自身はキノコを全く見つけることができなかった。
井上さんは「キノコ探しに慣れてくると『キノコ目』といって、キノコを見つけやすい目になってくるよ。でも、今日は全然見つからないね。キノコは気ままで予測がつかないから勉強会でも空振りする事があるし、今日のお鍋は味噌だけになるかもしれないね」と、苦笑い。同定時間まで残りわずかになったため、集合場所へ向かう途中「あら!ハタケシメジ!やっと見つかったよ!」と、喜んでいた。
やっと採れた食用の「ハタケシメジ」はとても美味らしい
「ハタケシメジ」のすぐ傍には「カニノツメ」なるキノコもあった。カニノツメだなんて、外見も中身もおいしそう!
すると横にいた天才少年・光くんが「カニノツメはうんこだよ」という。
恐る恐る臭いを嗅いで、吐きそうになる。・・・まさにうんこだ!まさかキノコに向かって「勘弁してください」と、敬語を使うことになろうとは。恐るべし、カニノツメという名のうんこ。いや、キノコ。
うんこ臭がヤバい「カニノツメ」
手についたうんこ臭の始末に悩んでいると、すぐそばで「あーーーーーっ!!」という絶叫が上がった。そこで目にしたものは・・・「殺人キノコ カエンタケ」
素手で触っただけでも危ない殺人キノコだ!
小さじ半分程度を食べれば死に至る、毒キノコ最強の猛毒を持つという「カエンタケ」を目前に、絶叫後、会員の皆さんは冷静に小枝を差し、通り過ぎる人用に目印を作っていた。
どんなキノコが採れたのかな?ドキドキ同定タイム!
あっという間に同定の時間がやってきた。チーム井上が発見した食用キノコは「ハタケシメジ」1本のみ。どうやら味噌のみのスープを飲むことになりそうだなと覚悟した。
ブルーシートに各自採取したキノコを並べる
ルーペなどで細かくチェック!
特定されるキノコがあれば、分からないままのキノコも!
もちろんトリュフの姿も!
本日集まった50人の会員の中でも、同定作業が出来るのは3~4人のみ。それほどキノコの種の特定は難しいのだ。同定は2時間ほどかけて行われ、その間、他の会員達はスケッチをしたり、採取したキノコについて話し合ったり、鍋の準備に勤しみ、思い思いの時を過ごす。子ども達は川遊びや虫取りなど、キノコを抜きにしても楽しそうだ・・・平和で和む。
子どもたちは親が見守る中、川遊び。カエルや魚を獲っていた
わがチームは食用キノコ1本。それなのにどんなキノコ鍋を準備しているのかと、様子を見に行くと・・・
キノコ鍋の準備
こっ、これは「ハタケシメジ」!
美味しいという「ハタケシメジ」が沢山!
どうやら他チームの会員さん達が頑張ってくれていたようだ!
ひゃっほーい!念願のキノコ鍋にありつけそうだ!
ちなみにこの写真は下ごしらえとして塩水に浸し、キノコバエの幼虫の虫抜きをしているのだそう。
キノコ鍋に入るのがまさしく「神奈川の天然の食用キノコ」。横浜広域でも同様の種類が採れるという。
「食」に丸が付いている!
コガネタケとオニタケにも丸が
この日の野外勉強会で採れたキノコはなんと100種類。その中で「トリュフ・ナラタケ・ハタケシメジ・シイタケ・オニタケ・コガネタケ・スギエダタケ・オキナツエタケ・アラゲキクラゲ」の、9種類のキノコ に食用の丸がついていた。もちろん、勉強用や持ち帰り用の数本を残して全て鍋に入る。
トリュフを抜かした「8種類のキノコぶちこみ鍋」!うまそ~!
いただきまーーす!
味噌ではなく醤油ベースの「キノコぶちこみ鍋」は、会員さん持参の豚肉・大根・ネギと合わさり、薄味ながら出汁が完璧で最高においしかった!もはやどのキノコを食べているのか分からなかったが、歯ごたえはシャッキシャキのプルンプルン!まさに、「大地の恵み」という感じ!
自然一杯の森の中で、神奈川県の自然を存分に感じながら、キノコの勉強ができ、有意義な1日だった。
取材を終えて
今回はたまたま小田原の野外勉強会に参加してきたが、横浜市内の公園などでも開催している。もっと多くの人たちに、「キノコ名人」たちと共に、横浜のキノコを探して勉強する休日を過ごしてほしいと感じてしまった。
最後に、今回「小田原いこいの森」にて発見されたトリュフについて「神奈川キノコの会」と、共催の「神奈川県立生命の星・地球博物館」からのお願いがある。
「関心の高い特定キノコが見つかったとの情報が広まると、どこに出る?などの追及連絡が管理事務所に寄せられ迷惑を被るとの事例があります。常識的なエチケットを持った行動をお願い致します。また、キノコをむやみやたらに掘り起こすと、その土地に2度と発生しなくなる場合もあるので、キノコ狩りは良識の範囲で行っていただきたい」
とのことだ。
―終わりー
取材協力
神奈川キノコの会 三村浩康会長
ちゃたろうさん
2019年01月14日 15時02分
ありがとうございます。私も参加したかった!
ナチュラルマンさん
2018年12月05日 12時12分
キノコ狩りは小仏山地(相模原市)でムラサキシメジ、フウセンタケの仲間、アカモミタケ、アラゲキクラゲ、キツネノチャブクロ、ノウタケ、タマゴタケ、ヒラタケ、シイタケ、エノキタケ(天然のエノキタケは白く細くない。やや暗い茶色な形は原木栽培ナメコみたい)などを採取したことはありますが、横浜市内ではアラゲキクラゲくらいしか採取したことがないです。緑区辺りはナラタケを『ササコ』と称して食べていると聞きます。ただ、キノコ狩りは同定出来る方がいないと危ない。最近は温暖化でカエンタケ含め、南方系の猛毒性キノコが分布を北上させていると聞きました。80歳を超えたキノコ採り名人ですら、毒キノコを食べて亡くなったとか…でも横浜市内で身近なキノコを愛でるのはいいですね!取材、ありがとうございました。
三日坊主さん
2018年12月05日 12時09分
キノコも調べ始めたら面白いでしょうね。せめて、食べれる物と毒キノコを見分ける位までなりたいが、なかなかね~。