1兆8300億円の骨格予算! 神奈川県はどう使う?
ココがキニナル!
各自治体の新年度予算案、どんな内容?~神奈川県編~
はまれぽ調査結果!
今回は4月に知事選を控える神奈川県の、2兆円近い当初予算の内容を調査!
ライター:はまれぽ編集部
世界的大会に向けた予算はいくら?
2020年の東京五輪開催に向けた事業も、骨格予算で無視できない要素だ。
神奈川県藤沢市江の島が会場となるセーリング大会については、五輪に先駆けて行われるセーリングワールドカップ開催も含め、大会の経費一部負担などで1億1391万円を計上。
海上の熱い戦いを無事に成功させる必要がある
また、東京五輪のセーリング競技に向けた整備に関しては、10億9067万円の予算をあてた。ここまで費用が膨らんだのは、湘南港に保管されている既存艇の移動費用が大きい。
セーリング大会に当たっては、周辺の整備にもお金がかかる。湘南港の既存施設(係留施設やトイレのなど)改修には、6億2400万円を計上した。
現在も多くのヨットが停泊する港でも、五輪に向けた準備が進む
こうした大会や、8月に開かれるアフリカ開発会議など大規模イベントを控え、国内外からの注目が集まる県内では、イベントに合わせた対応も必要になる。
各種テロ対策などの警備費用としては、2836万円を盛り込んだほか、五輪大会では会場周辺の防犯カメラ設置や上空60メートルから全方位を監視できる「気球カメラ」と映像分析システムを導入。
最新技術でトラブルを防げるか(神奈川県警発表資料より)
映像から群衆での異常な混雑状況や不審物などを検知し、事故やテロを未然に防止する。これらの警備体制の強化には、5億1190万円を計上した。
次の世代のための支援策は
各自治体で課題となっている保育に関しても、県独自の取り組みが盛り込まれている。
政府が10月からスタートする幼児教育・保育の無償化では、無認可保育園や幼稚園の預かり保育のため5億8805万円を計上。市町村が行う保育園や幼稚園、認定こども園への給付に関しては、その一部(県負担分)である401億2784万円を盛り込んだ。
多様な保育の受け皿が求められている(過去記事より)
また、子ども子育て支援新制度で対象外となっている私立幼稚園についても、少子化対策のために利用料の負担を実施。こちらには29億5000万円を計上し、こうした子育て支援では627億1500万円が予算計上されている。
取材を終えて
黒岩知事は2019年度の県予算案について、「持続可能な神奈川に向けた骨太な骨格予算」と表現している。「県民生活に密着した施策を充実させた」と自信をのぞかせており、「子ども子育てへの支援」「教育環境」「安全安心のまちづくり」、そして「未病改善による健康長寿への取組み」という分野には、並々ならぬ思いを込めているようだ。
4月の選挙では、これまで知事が取り組んできた政策に対して、県民からの評価が下されることになることもあり、骨格予算でありながらも成果を意識した予算が組まれている。
「政治や選挙ってよくわからない」と感じる人は、予算案を知ることがどんな事業にお金を使っているのかという、もっとも分かりやすい判断基準になるかもしれない。
ー終わりー