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神奈川・小田原の空を泳ぐ、こいのぼりじゃない「めだかのぼり」の正体とは?

神奈川・小田原の空を泳ぐ、こいのぼりじゃない「めだかのぼり」の正体とは?

ココがキニナル!

小田原市の郊外でたまたま見かけた鯉ではない魚ののぼりがキニナリます。いつも掲げているようではなさそうですが、なぜ鯉のぼりじゃないのでしょうか。珍しかったので調査をお願いします。(晴天さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

変わったのぼりの正体は、大きな「メダカ」だった! 小田原のメダカ保全のシンボルとして、生息地の空を泳いでいた

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ライター:田中 大輔

メダカを脅かす開発の波



早春の青空を「めだかのぼり」が泳ぎ回っていたこの日は、専門家を招いての保全調査の日。
三浦メダカの記事でもお世話になった、神奈川県水産技術センター内水面試験場の勝呂尚之(すぐろ・なおゆき)さん、嶋津雄一郎(しまづ・ゆういちろう)さんらに加え、水族館職員や学生などのボランティアも集まって作業が行われていた。

 

 

調査では生き物の採集と、数やサイズの計測が行われた
 

この日の調査では、266匹のメダカが捕獲されたほか、オイカワやタモロコといった魚類やヤゴなども見つかった。

 

 

採集されたメダカ。計測後はもちろんリリースされる
 

また、外来種であるアメリカザリガニやカワリヌマエビも発見された。彼らに罪はないが、在来生物に害を及ぼす可能性があるため、保全活動の一環として外来生物を取り除くことも行われている。

 

赤くはないが、れっきとしたアメリカザリガニ。残念ながら駆除対象
 

当地の周辺は都市計画上、工業団地の建設が決まっている場所もあり、現在の自然環境が大きく姿を変えることは疑いようがない。

 

隣接する地区の一帯も、工業団地になることが決まっている
 

沖津さんや高橋さんは仲間たちとともに、市や県とも協議を持ち、できる限りメダカをはじめとする動植物の生息地を守れるように努力している。
行政や業者もやみくもに開発するわけではなく、そういった声に耳を傾けてくれることもあるそうだ。例えば、2011(平成23)年に近隣に県道が作られた際には水路の位置を調整したり、道路をくぐるようにトンネルなどを設けたりして、生き物の生息地が分断されないように配慮した工事を行ってくれたとのこと。

 

辺りには魚だけでなく、サギやカモ、カワセミなどの鳥たちの姿も
 

でも、どれだけ配慮をしても、開発が進めば少しずつメダカやほかの動植物の住みかが減ってしまうことには変わりがない。
開発によって地域経済が活発になったり、恩恵を受ける人もいるから、一方的に悪いことだとは言えないが、自然への配慮が足りなければ貴重な命が失われてしまい、取り返しのつかないことになってしまう。
その一方で、工業団地の開発計画があったがために、用水路の整備などが行われず、結果的にメダカが生き残れたという側面もあるそうだから、なかなか一言では言い表せない部分もあるようだ。



取材を終えて



沖津さんは、自らの土地をビオトープにしただけでなく、官地である土手に市の許可を受けて30本の桜を植えたり、知人たちと協力して私費で「めだか之碑」を建てたりと、積極的に地元の自然を守ろうと活動している。

 

「めだか之碑」。知らなければ個人で建てたとは思えないクオリティ
 

その活動を理解して協力してくれる人も増えてきているが、心無い人に困らされることもあるという。
メダカを獲ろうとする不届き者や、池や川に生き物を放す人だ。ペットショップなどで売っているヒメダカはもちろんのこと、同じミナミメダカであっても、別の水系から来たメダカを放してしまうと、自然には混ざるはずのない遺伝子が混ざってしまい「遺伝子汚染」と呼ばれる状態になってしまう。また、本来はいないはずの昆虫がメダカを捕食してしまうこともある。
悪意のあるなしに関わらず、元々ある自然を壊してしまうことになるため、勝手な放流は絶対にしてはいけないことだ。

 

のぼりをきっかけに、ちょっとでもメダカのことを知ってほしい
 

そんな保全活動のシンボルとして、空を泳ぐ「めだかのぼり」。
調査だけでなく、観察会などのイベントを開く際にも揚げられるそうだから、目にする機会があるかもしれない。
そのときは、あの大きなメダカが泳ぐその下で、小さなメダカが暮らしていることを思い出してほしい。


-終わり-
 
 

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