日本橋から何km地点? 横浜市内の旧東海道にデザインプレート設置プロジェクトが進行中
ココがキニナル!
台町から宮前商店街の歩道に、旧東海道のデザインがあしらわれたプレートが7枚設置されました。どのような由来の絵なのか、ここ以外にもあるのかなど調査してみて下さい。(ねこぼくさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
旧東海道を歩く人のための道標として横浜市内に設置されたデザインプレート。これまでに、鶴見区と神奈川区に設置され、今後、西区・保土ケ谷区・戸塚区にも設置される予定。
ライター:小山 はな
青木橋を渡り、台町へ
旧東海道はここで、JR東海道線と京急線をまたぐ跨線橋の青木橋へ。青木橋は、品川駅近くの八ツ山橋と並ぶ、日本最初の跨線橋と言われている。
日本最初の跨線橋の一つ青木橋
青木橋から横浜駅方面を望む
ここを新橋からの蒸気機関車が走るのを、明治時代の通行人も見下ろしていたのかと思うと感慨深い。
国道1号線と旧東海道の交わる青木橋交差点
青木橋交差点は、環状1号線の起点でもあり、なかなかの交通量で、歩行者用信号が同時に全部青になる。現在の青木橋の位置は少しずれているため、旧東海道は、上の画像でいうと赤い外階段のあるビルの横を入る。
斜め横断をしてすぐ左手に5枚目
ここのプレートは、これまで見た4枚のプレートとは違う点がある。それは、「日本橋30km」と書かれている点だ。角地以外の場所に設置されているプレートには基本、旧東海道の起点である日本橋からのおよその距離が記されている。
「日本橋30km」との記載
さらに、そのまま進んで6枚目のプレート発見。こちらはkm表示なし。
6枚目
この角を右にまがると引き続き、旧東海道ルートになる。ちなみに、宮前商店街の歩道は石畳だったのに対し、台町の旧東海道の歩道はレンガだ。これも上から見た亀の形を模しているという徹底ぶり。
こっち向きのたくさんの亀さんたち
ここから旧東海道は台町の坂を上っていく
東横フラワー緑道が交差
大綱金刀比羅神社
東横フラワー緑道や金刀比羅さまを過ぎ、坂を上っていくと、左手に歌川広重の浮世絵・東海道五十三次の神奈川宿に「さくらや」として描かれている現在の「田中屋」がある。
田中屋
格式高い会席料理や贅沢な和牛料理が食べられる
浮世絵では田中屋の裏は断崖絶壁の海である。脇道を進むと現在は長い階段が。
田中屋の脇道
このあたりの旧東海道の左側はほぼかつては海なので、このような急な階段や坂道ばかりだ。その先にある現在の横浜駅のあたりもかつては海だったと思うと驚くばかりだ。
ほかの脇道もこんな感じ
6枚目のプレートから、最後の7枚目のプレートまでは台町の峠越え(笑)をして、約1kmの道のりだ。途中には神奈川台の関門跡や上台橋といった歴史的なスポットがあるので飽きることはない。
旧東海道デザインプレートのほかにも沿道には、「神奈川宿歴史の道」というその場所の歴史をおしえてくれるガイドプレートが随所にあり、一つ一つじっくり読んでいくと地域に対する興味がより深まる。これも区政推進課のお仕事で、風雨にさらされ劣化したものを見つけては、「メンテナンスしなければ・・・」と使命に燃える田邊さんであった。
神奈川台の関門跡のガイドプレート
上台橋を見上げる。欄干も青海波デザイン
ついに7枚目が見えてきた
アップ&ダウンの台町の旧東海道歩き。ついに神奈川区最後のプレートに辿り着いた!
これからの旧東海道デザインプレートプロジェクト
立案から4年ほどかけて、鶴見区と神奈川区に設置された合計16枚の旧東海道デザインプレート。今後は順次、残る3区の西区、保土ケ谷区、戸塚区にも設置される予定だ。
道路局企画課の石井係長によれば、「西区に関しては、2020(令和2)年度内に設置予定で、これから関係各所と設置時期や位置を調整していく」とのこと。来年の3月までには進めたい考えだ。これまで設置したプレートはすべて地面埋め込み式だが、もしかしたら、そのデザインは踏襲しつつ、壁にはめ込んだり立て看板のようにしたりする可能性もあるそうだ。
神奈川区の加藤木係長(左)と道路局の石井係長(右)
神奈川区区政推進課の加藤木元樹(かとうぎ・げんき)係長は、「神奈川区の旧東海道付近には、たくさんの歴史的スポットがある。今日歩いた沿道以外にも少し足を伸ばすと神奈川台場跡などもあり、旧東海道をきっかけに市民のみならず、外からもたくさんの人に来てもらいたい」と話す。横浜市では市民の文化的で健やかな暮らしをサポートするため、いろいろなウォーキングイベントなどを実施しているので、ぜひ楽しんで参加してほしいそうだ。
ちなみに
神奈川区より先に設置された鶴見区のデザインプレートはこんな感じだ。
画像提供:鶴見区区政推進課
画像提供:鶴見区区政推進課
「鶴見」のところが赤くハイライトされている。
取材を終えて
横浜市内の旧東海道は、約28kmあるらしい。一度にすべてを踏破するのは難しいが、今回歩いたルートなど、休日にゆっくりと沿道のスポットもめぐりつつ、ランチを挟んでのんびり歩けば、無理なく半日楽しめるだろう。横浜は歴史の街と言われているが、テーマを持ってめぐるとより興味を持てるのではないだろうか。今回調査したデザインプレートは、旧東海道を通じて、横浜の歴史と魅力をおしえてくれる道標になってくれる。鶴見区の旧東海道も暇を見つけて歩いてみたい。そして、今回取材にご対応いただいた横浜市の皆さんが、横浜市のまちづくりに本当に真摯に取り組んでいることが感じられ、今後もますます横浜の魅力が上がっちゃうことを確信したぞ!
—終わりー
取材協力
横浜市神奈川区
https://www.city.yokohama.lg.jp/kanagawa/
横浜市道路局
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/org/doro/