寝起きから遊ぶのが俺流

おはようございます。

先に述べたように、ハイランドビルはサウナだけではない。サウナで夜を過ごした後、朝からレジャーに興じることのできる「関内のアミューズメントパーク」、それがハイランドビルなのだ。

一夜を明かした朝9時。筆者は「これも仕事だからなあ」とニヤニヤしながらボウリング場へ向かう。実は楽しみすぎてあまり眠れなかったのはヒミツだ。

まずはボウリング。2階受付に向かう。営業時間は午前9時～午後9時まで。一般の方は1ゲーム500円からとなっている。
　

3フロア、42レーンのボウリング場。団体のお客さんも多いそうだ
　

プロボウラーもいらっしゃるとか

6月25日まで毎週木曜日の午前9時～午後0時までのスタートで、通常は一般500円で1ゲームのところを100円で遊べるなどキャンペーンがある。
　

一番乗りでひとりボウリング。背中がすすけている

　
すぐにやってきたファミリーの嬌声を浴びながら、ゲーム開始。
　

見よ！！　この勇姿！！
　

まさに豪腕！？
　

・・・あれ？
　

なぜだっ！？

だが諦めたらそこで試合終了。最後の最後まで諦めないんだから！！
終わりよければすべてよし、こっからターキー（3連続ストライク）を狙えばいいんでしょ！！
　

おれ、ほんき、だしてみた。やるときはやる漢なんですよ
　

きたあああああ！！　ダブル（2連続ストライク）！！
　

この勢いでターキーを・・・
　

・・・うん
　

「やれやれだぜ」。どこか誇らしげだ

ハイランドレーン、楽しい時間をありがとう。

関東屈指のアレが設置された本格ビリヤード場

・・・と思ったが、仕事の時間にボウリングをやった結果がこれでは不完全燃焼。そこで4階のハイランドビリヤードに向かった。

昔はヤンチャしてた雰囲気が漂う支配人の金本和重（かねもと・かずしげ）さんにお話を伺うことに。
　

平日は午前10時から営業。1時間、一般700円

前知識なしに訪ねてビックリしたが、このハイランドビリヤード、設置総台数16台（うち1台は大台・スリークッション）という本格的なビリヤード場だった！！　実は土日であれば1日に100人ほどのお客さんがビリヤードを楽しむこともある人気店なのだ。

また、こちらも学生がお得に遊べる「学割」や、1500円で最長5時間ビリヤードを楽しめる「突き放題」など魅惑的なキャンペーンを実施中とのこと。ぜひ利用してほしい。
　

ピンポンと言えば窪◯洋介、9階から落ちても無事なんだもんなあ

プロ選手も多数在籍し、公式戦を行ったり、直接指導してくれるスクールなんかも開催しているそう。
　

平日の午前中だというのに多くの利用者が思い思いにプレイしている
　

プロスタッフの照屋勝司（てるや・かつじ）選手。構えからオーラが漂っている
　

完全分煙。ビリヤード場でも分煙化が進んでいるらしい。

そしてこのハイランドビリヤード「関東ではここぐらいしかないんじゃないかな？」と金本支配人がニヒルな笑顔でおっしゃったのがこちら！！
　

信じられるかい？　ビリヤード場の中にビリヤード用品のお店が入っているんだぜ！？
　

店内。初心者から上級者まで対応できる品ぞろえとのこと

残念ながら写真はNGだったが、スタッフ代表の佐々木菜緒（ささき・なお）さんにもお話を伺った。

「ハイランドビリヤードはビリヤードを楽しむだけでなく、こうしてショールームMECCA（メッカ）というショップも併設しているので、思い立った時にビリヤードに必要な道具をそろえることができます。用具の修理なども可能ですから、マイキューのゲット→プレイ→アフターケアまでを1ヶ所で完結でき、お客さまには便利にお使いいただけるかと思います。メンバーになっていただければ割引もありますよ」

佐々木さんの笑顔にまいった筆者。喉元まで出かかった「一番高いキューをください」という言葉を飲み込んだのは言うまでもない。
　

この日もスタッフの方が黙々と道具の修理に勤しんでおられた

「遊びに来た時にでも是非覗いていってください。見るだけでも大歓迎です」
はまれぽ読者に向けて佐々木さんは弾ける笑顔でこう仰っていた。同店には女子プロ選手のスタッフもおられるのでアドバイスなどももらえるだろう。

筆者は固く誓った。佐々木さんに逢いにまた来よ・・・、いや、今度は時間に余裕を持ってピリヤードをプレイしに来ようと。
　

20万円以上する高価なキュー。いつかこれが似合う漢になりたい！

サウナで身体を休め、朝からボウリングやビリヤードなど楽しめる。看板に偽り無しの「アミューズメントパーク」が関内にあったことを、筆者は身を持って体感したのだった。

ハイランドビルについて伺う

充実した時間を過ごした筆者。別日に清水さんに取材を申し込み、ハイランドビルの成り立ちなどを伺うことに。

なぜ関内のこの場所に、サウナ、ボウリング、ビリヤードといったアミューズメント複合施設を作ったのか。ハイランドビルの成り立ちはという問いかけに清水さんは答える。

ハイランドビルは今から43年前、1971（昭和46）年に若葉町に誕生した。
　

1971年当時の町並み（画像は伊勢佐木町通り）。活気に満ち溢れていた時代だ
（横浜市史資料室広報課写真資料）

元々の親会社がここに土地を持っていたことがそのきっかけ。当時は空前のボウリングブームだったこともあり「遊び場（ボウリング）とサウナを一緒にすればいいんじゃね？」と言ったかどうかは分からないが、その場のノリでハイランドビルのコンセプトが決まっていったそうだ。
　

これなら、一日中すごせるな

その読みはあたり、ボウリングブームの加熱とともに若葉町だけでなく、千葉県にも以前は店舗があったそうだ。

しかし、ボウリングブームが終焉し遊びが多様化していったことで、ハイランドビルは徐々に時代に取り残されていったのかもしれない。

現在の客層は地元で働いているサラリーマン風、近隣の飲食店の方、飲んだあとに自宅に帰るのがおっくうになった方などが中心。ハナキンこと金曜日の夜、土曜日、日曜日はそれなりににぎわっているそう。ただ、かつてのにぎわいは失われつつあると清水さんは寂しそうにおっしゃった。
　

休憩所だけでは足りず廊下にも身体を休めるお客さんがあふれていたことも

ハイランドビルから50メートルほどのところにあるサウナ大洋は2015年（平成27）年の3月31日に閉店していることからも、関内のサウナ事情は決して明るいものとは言えないのかもしれない。
　

閉店する前に一度訪れてみたかった・・・

時代の流れといってしまえばそれまでかも知れないが、少し悲しい気持ちになった。

そこで、現在、市内にサウナが実際にはどれほどあるのか。横浜市保健所健康安全部生活衛生課に尋ねてみた。公衆浴場の累計において、銭湯が「一般公衆浴場」に該当するのに対し、サウナは「その他の公衆浴場（熱気等）」に該当するそうだ。同課によれば現在横浜市内で「その他の公衆浴場（熱気等）」の施設数は28、関内駅のある中区では10。

施設内にサウナが設置されているものは「その他の公衆浴場（熱気等）」として分類されるため、実際にハイランドサウナのような「サウナ」をメインとする店舗となればさらに少ないだろう。

清水さんは「正直に言うと状況は厳しい。今の一番の目標は潰さないこと。歴史と伝統を守りつつ、皆様に喜んでいただけるサウナとしてこれからも頑張って行きたい」と力強い決意を目に宿しておられた。



取材を終えて

3000円未満で快適に夜を過ごせる古き良きサウナが今も関内には息づいている。疲れた身体を癒やす都会のオアシス。それがハイランドサウナだ。

願わくば、これから先も関内の夜を照らし続けてほしい。


―終わり―


ハイランドサウナ
住所／中区若葉町1-2-2　ハイランドビル6階　
電話番号／045-261-9346
営業時間／24時間
定休日／年中無休
URL／http://www.highland-web.com/

ハイランドレーン
電話番号／045-261-9341
営業時間／午前9時～午後9時
定休日／年中無休

ハイランドビリヤード＆卓球
電話番号／045-251-9728
営業時間／月～水　午前10時～午後24時　木～日午前9時～翌午前1時
定休日／年中無休
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