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【横浜の名建築】重要文化財 神奈川県歴史博物館

ココがキニナル!

横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第6回は、神奈川県立歴史博物館。創建時には、世界有数の為替銀行だったこの建物は、それにふさわしい威厳と堅牢さでさまざまなものを守っていた。

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ライター:吉澤 由美子

博物館になったことで内部見学が可能に

(続き)

入口から左右に伸びた廊下の天井はダクトや照明器具などを設置するため、本来の天井よりかなり低い位置に新しい天井が設置されている。
 


壁側に隙間があり、本来の天井を覗くことができる


現在展示室となっている旧営業室の床は、博物館となってから造ったもので、もともとここは吹き抜けだった。
 


吹き抜けだった頃の天井近くにあたる場所


微妙なふくらみを持たせた柱。細かな装飾をじっくり間近に観察できる。
 


入口上部には明かりの入る窓があり、そこも同じデザインの装飾


1Fの端には、レトロなインテリアの喫茶室「ともしび」がある。

ここは外に向かった窓を見ることができる貴重な場所だ。
 


手回しハンドルと、銀行らしい鉄のガード


貴賓も使用した階段は、装飾も豪華。

親柱(手すりの端にある柱)や階段は鉄製で、蹴込み板(けこみいた)にも格子模様が施されている。
 


親柱下にも装飾。下から見上げることも考慮に入れている




地下の金庫室が守ったもの



学芸員の丹治さんに、この建物で一番気に入っている場所をうかがうと、「いつでも見られる場所では、地下の窓ですね」と教えてくれた。

地下部分と歩道の間に設けられたドライエリアは、150cmほどの高さの石壁で隔てられていて、覗き込むと地下の窓が見える。
 


ドライエリアにあるシャッターつきの窓


馬車道沿いにある窓は改修時に取り換えられたものだが、ほかの場所には創建時のシャッターとスチールサッシの窓が残されている。

金庫室だった地下1階内部は現在、収蔵品の保管場所だ。
 


厚みが30~40cmもある金庫の扉はどっしりとしている


こちらにあるのは、今はもう存在しない「竹内」という会社が作った金庫。

 

三本足のカラス「八咫烏(ヤタガラス)」がついたプレート。「東京市」という表記に時代を感じる


関東大震災では、このあたり一帯が炎に包まれた。横浜正金銀行は堅牢な造りから崩壊は免れたが、延焼により1~3階内部とドームを焼失。

しかし、地下1階に逃げ込んだ人たちは、火が燃え盛った2~3時間をここでやりすごし、無事に生き延びることができた。

基礎や外壁だけでなく、窓のような部分にも堅牢さを求めたこの建物は、銀行として財産を守り、現在は歴史的価値のある資料を守り、関東大震災の時には人の命を守ったのだ。



取材を終えて



展示室のアーチ上部や、外観の昇降口紋章上、そしてドームの丸窓上部には、中心にリボンをかけたような意匠が繰り返し使われている。

そういった細かなディティールをじっくり見ていくと次々に発見があり、ますます惹き込まれていく。

神奈川県立歴史博物館はとても奥深い建物だった。


― 終わり―


※一部の場所は特別な許可をいただいて撮影しております

神奈川県立歴史博物館 公式サイト
http://ch.kanagawa-museum.jp/

問い合わせ先
〒231-0006 神奈川県横浜市中区南仲通5-60
電話:045-201-0926

建物見学会は、事前応募が必要。
ドーム間近の屋上、階段室、地下の金庫扉前など、普段非公開の場所を案内してもらえる。

次回の建物公開見学会は10月16日(日)。
9月1日発行の「県のたより」に募集要項が掲載される予定。
 

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