ハマスタ約9個分? 戸塚区で進む「舞岡リサーチパーク」構想とは?
ココがキニナル!
戸塚区舞岡にあるリサーチパークって何の施設なんですか? その周りの東京ドーム3個分の土地もリサーチパーク構想らしいですが何ができるのですか?(山下公園のカモメさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「舞岡リサーチパーク」の第1期地区は完成。第2期地区は2020年度以降までに、緑豊かな公園と墓園として整備される予定。
ライター:岡田 幸子
「元舞岡リサーチパーク第2期予定地」はどうなる?
さて、静かな里山の自然を豊かに残した現地の状況は分かった。では、このエリアは今後どうなるのだろう?
甲斐課長によると、「用地の一部は自然の地形を生かしながら、広場や遊具、市民農園などを備えた『舞岡町公園(仮称)』として整備される予定です。戸塚区内に野球やサッカーなどのチームが多くあることから、スポーツに活用していただける運動施設と、スケートボードなどのできるニュースポーツ系広場も計画されています」という。予算は用地費を除いて約13億円が見込まれている。
土地利用基本計画※クリックして拡大
スポーツやピクニックができる広場は、災害時の避難場所としても(写真はイメージ)
スケボーなどの広場なども計画されている(写真はイメージ)
すでに「八幡山一帯」として広域避難場所に指定されている同エリアだが、災害時に一時的に避難する場所の機能を持たせた多目的な空間を確保しながら、貴重な樹林地や里山の景観を保全していくという。
里山の景観や歴史を継承する農園や広場(写真はイメージ)
さらに、高岡担当課長からは、用地南東部分に約37億円の予算(用地費除く)をかけて整備予定の墓園についての詳細も伺えた。
「同じ戸塚区の俣野町に『俣野公園』隣接の市営墓地『メモリアルグリーン』があります。芝生型納骨施設や樹木型、慰霊碑型などの合葬式納骨施設を備えた、これまでの墓地とは違う、まったく新しい形の墓園として、ご好評をいただいています」
「今回計画されている『舞岡地区新墓園(仮称)』も、こうした新コンセプトの墓園となる予定です」とのことだ。
緑に囲まれた墓園の計画も(写真はイメージ)
なるほど、公園も墓園もありきたりのものではなく、「ここならでは」「今だからこそ」の要素が加わった新しい形のものになりそうだ。
新コンセプトの墓園って?
「新コンセプトの墓園」として例に挙がった「俣野公園」隣接の「メモリアルグリーン」は、2007(平成19)年より実際に墓地として使用されているという。キニナルので、後日「メモリアルグリーン」も訪問してみた。
ドリームランド跡地の「俣野公園」内にある(Googlemapより)
メモリアルグリーンはこちらです
この奥が墓園になっているらしい
墓園には、芝生エリアにプレート型の墓碑が並ぶ芝生型納骨施設のほかに、自然の樹木を墓碑に見立てた樹木型納骨施設が3つ備えられている。さらに献花台に花を手向け参拝するかたちの慰霊碑型納骨施設があった。
素敵な装飾のエントランスを抜けると
開放感たっぷりの芝生エリアに並ぶプレート型の墓碑
こちらが樹木を墓碑に見立てた樹木型納骨施設
さらに慰霊碑型納骨施設も
カワセミにも遭遇。いいところだ♪
高岡担当課長は「2019年に横浜市は人口のピークを迎えると見られていますが、少子高齢化の進展に伴い、その後も高齢者数および死亡者数は増え続けると推計しています。現在、横浜市では再整備を含めて市営墓地の整備を進めていますが、それでも全市的にお墓は不足しており、市営墓地の倍率も平均3倍、人気が高い合葬タイプ(ひとつのお墓に多くのご遺骨を埋葬するお墓)では10倍から30倍もの高倍率となっているのです」と語る。緑豊かな墓園への市民ニーズは高いようだ。
合葬タイプが人気らしい。木にお参りするなんて確かに新しい!
「舞岡町公園(仮)」「舞岡地区新墓園(仮)」を合わせた「旧舞岡リサーチパーク第2期地区」の新たな土地利用計画は、2017(平成29)年度にこうした開発計画への法的なお墨つきである「都市計画決定」を受ける予定で進められているという。
近隣町内会やマンション住民などに対して説明会を開催し、広く意見を募集。2014(平成26)年11月から12月にかけては都市整備局のサイト経由でも市民から意見を募り、少しずつ案を修正しながら、広く市民に愛されるエリアとなるよう、段階を踏んで計画を練ってきた。
今後、予定通りに計画が進行すれば、2017年度には用地取得、2018年度には工事発注と進み、2020年度以降に新たな公園と墓園が供用開始となる見込みだという。人と自然の共存を目指す、その仕上がりに期待しよう。
取材を終えて
記事中で挙げた「横須賀リサーチパーク」「舞岡リサーチパーク」以外にも、「京都リサーチパーク」や「東富士リサーチパーク」「岡山リサーチパーク」など、日本全国津々浦々に「リサーチパーク」と名のつく施設は多数存在している。
その多くが、バブルの余韻冷めやらぬ昭和末期や平成初頭に計画、開発されたものであることからも、当時の日本のテクノロジー信仰や、経済復活への信念がうかがえる気がする。
長い不況を経て、いま人々の思いは「テクノロジー」から「エコロジー」にシフトしているように思う。「舞岡リサーチパーク構想」の方向転換は、こうした時代の移り変わりを象徴するものなのかもしれない。
取材中にいただいたダイコンは、浅漬け、いかダイコン、ふろふきダイコンにおでん、とすべておいしくいただきました。薄切りにして刺身で食べてもみずみずしく美味なダイコンに、改めて同エリアの豊饒(ほうじょう)な大地を感じながら・・・。
−終わり−
取材協力
横浜市
都市整備局
http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/
環境創造局
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/
健康福祉局
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/
戸塚区役所
http://www.city.yokohama.lg.jp/totsuka/
xanthusさん
2017年03月11日 11時02分
これからは、ピクニックがてら墓参りに出かける時代になるのでしょうか?海外では、墓が公園みたいになっているところが多いですが、それの真似でしょうか。墓が足りなくて、メモリアルパーク化を進めるつもりなら、国土の広い国のやり方は合わないんじゃ…?そもそも墓は寺にあるものという考えは、古いんでしょうか。仏教徒が大半を占めているこの国で、キリスト教系の国の真似をしてもいいことないかもと思うのは私だけでしょうか。
ushinさん
2017年03月08日 00時43分
「山いが」さんが、チャリで走破しそうな廃物件でしたな(笑)
茱萸澤村民さん
2017年03月02日 20時44分
なぜ市が墓地を作るのか理解に苦しむ。墓はいらないという立場と対峙させたとき、墓を用意するという行為自体がすでにある種の宗教行為なわけで。そんな宗教行為のために税金を使って便宜を図るのは、憲法違反じゃないかと。あと、舞岡といえば自動車部品系上場企業のニフコが以前本社を構え法人税を払ってくれていたのに、横須賀市に移転してしまったのも記憶に新しいところ。