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ココがキニナル!

市電保存館以外での車両の行先や現状は/交通安全センターの公園にあった電車は/久良岐公園横浜市電改修後のイベントや今後の計画は(よこはまいちばんさん/ねこぼくさん/fire_jiさん/D5000xさん)

はまれぽ調査結果!

市電保存館以外で横浜市電の車体が残るのは、久良岐公園、野毛山動物園など、全部で4ヶ所。そのほか3ヶ所で車輪のみを確認することができた

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2017年07月07日

ライター:紀あさ

久良岐公園の1156号、一般公開

2012(平成24)年4月の修復完成式典以降も、齊藤さんら有志の手により、1156号の整備や清掃が継続されており、毎月1回、車内が一般公開されている。

2017(平成29)年5月21日、その一般公開に訪れた。

 

会場入り口側から見ても、
 

横から見ても、
 

反対側から見ても、
 

車内を見ても、いまだ全部ピカピカ
 

椅子が往年の市電と同じ布製なのは、保存館以外では唯一のケースだ。1156号のシートの寄贈をしてくれたのは相模鉄道。休車の7000系電車から貰った。

この椅子は、修復後初公開時には「相鉄カラー」の朱色だった。市電運行当時の雰囲気により近づけるため、市内の内装業者に依頼し、生地を張り替えて、2014(平成26)年4月から緑色のシートが再現された。

 

運転席は子どもたちに大人気
 

この日は天気がよく、常に誰かが車内を訪れていたが、一部地域で30度を超えたほどの夏日だったためか、来場者数は約200人といつもよりやや少なめ。桜の季節の4月は約300人だったそう。

家族連れの割合が最も多く、初めて来たという子もいれば、何度も来ている子も少なくなかった。

 

電車が大好きで、ブザーやフートゴングを「チンチン」と鳴らす方法を知っている子も!
 

戸塚区のりょうくん(4歳)は、1156号への乗車は3度目。楽しげにチンチンと鳴らしながら「これね、ドア閉まる時の音」などと筆者に教えてくれた。

ちんちん電車の由来は、車掌と運転士間の合図のベル「信鈴(しんれい)」の音からとする説と、運転士が足で踏む警鈴「フートゴング」の音からとする説がある。

 

ちんちん電車の由来。ヒモをひく信鈴は、のちにブザーに変わった
 

ちなみに信鈴とフートゴング、こんなのです
 



運転士と車掌さんが乗客に!

1156号の一般公開、車内にはなんと、こんな常連さんも・・・。

磯子区の元・運転士の齋藤章三(さいとう・しょうぞう)さんと、元・車掌の河嶋弘(かわしま・ひろし)さんだ。

 

齋藤さん(右)が手にするのは、市電の運転免許証のコピー
 

齋藤さんは1928(昭和3)年生まれ、1946(昭和21)年に交通局入局。河嶋さんは1933(昭和8)年生まれ、1156号の製造と同年度の1952(昭和27)年2月に入局、いわば1156号と同期だという。

河嶋さんは1156号の修復中に、「『1』がないのはかわいそうだから…」と、欠けていた車体番号の本物の金属プレートを自らのコレクションから提供してくれた方だと「市電修復ノート」の最終回に綴られている。

 

車体番号の最初の「1」が欠けていた修復前の1156号(五十嵐匠さん提供)
 

「色も当時のまま。よくこれだけ直してくれたよね」と、ふたりは、うれしそうに緑色のシートに座って時を過ごしていた。

 

当時の資料を読みながら談笑
 

子どもたちがひとしきり遊び終わっていなくなると、「ちょっとレバーの位置が気になる」と、元運転士の齋藤さんが立ち上がった。

「レバーの位置が中途半端だと非常制動(ブレーキ)が入らないんだよ」

 

正しい位置に戻します
 

ブレーキの甘さが原因での大事故もかつてあった。
「見習い中さんざん師範に言われたよ。レバーは完全に入れないと火吹くぞって」

 

ハマっ子のみなさま、動かしたあとは、レバーはこの角度に!
 

運転席で写真機に応えてくれた齋藤さん「70年前を思い出すねぇ」
 



今後の一般公開

今後も月に1度の一般公開は継続予定。5月の公開は日中だったが、夏季は夕方の公開となり、前照灯などライト類が灯る。

ヘッドライトの点灯は市電保存館ですらも見られない貴重な機会、ぜひ夏の夜のご来場を。

 

夏季公開の様子
 

今後の公開予定
 



時をこえて

1972年の横浜市電全廃から45年、市電保存館以外に37両あった供出車両は大半が姿を消していた。その中で、形を保ってこられた車両もあり、守り続けようという人たちがいる。

そうした車両を通じて語り継がれ、後世に手渡されてゆく歴史がある。

過去を振り返ると、久良岐公園の1156号は、1966(昭和41)年の生麦線廃止の「お別れ電車」として走った車両だった。

 

2016年夏、生麦線廃止50年で「お別れ電車」を再現した 1156号(五十嵐匠さん提供)
 

さらに歴史をさかのぼれば、「久良岐(くらき)」の名の由来は極めて古く、横浜市の地名最古の記録だといわれる奈良時代(8世紀)の歴史書「日本書紀」にはすでに「くらす」として表される。室町時代(15世紀)の文献に初めて「横浜村」として横浜の名が見えるよりもずっと昔から、ここは「久良岐」だった。やがて久良岐は地名としては消えてゆき、現在の久良岐公園は、数少ない久良岐の名を留める場所となった。

横浜市電1156号は、その「久良岐公園」で、横浜のひとつの記憶の形として、市電時代の横浜をこれからも語り継ぐ。

 

この記憶はどこまで未来にゆけるだろう
 

全調査完了!
 



取材を終えて

2ヶ月にまたがって掲載した「横浜市電三部作(漁礁編・絵本編・現存編)」いかがでしたでしょうか? 最後までお読みいただきありがとうございました。

 

レポートは、ベレー帽のレポーター・きのあさがお届けしました!
 

折しも取材中、6月11日に、関東に今なお残る路面電車の都電荒川線で、横浜市電と同じくクリーム色に青帯の配色だった7022号を含む7000形が引退した。

 

都電はかつてツーマン(運転士と車掌の2名乗車)が赤帯で、ワンマンが青帯だった
 

東京都交通局にきいたところ、引退後の行方は決まっていないというが、残る道があるといいなぁ・・・。

すべての取材を終えて『今よみがえる横浜市電の時代~あの頃の市電通りへ~』(天野洋一&武相高校鉄道研究同好会著)のオンデマンド版を眺めた。

 

市電が通った道の過去と現在を、上下に比較している本
 

ただ道同士の比較だけでなく、「あの頃の市電」と同じ位置に、現在の市バスを撮ろうとする試みが面白い。

上下を見比べていると、ずっとモノクロームのイメージだった「あの頃の市電」が、ふと、調査中に出会った保存市電たちのような「クリームと青」の配色になって、脳裏に浮かび上がった。

そうか・・・市電と今のバス。同じ色あいの乗り物が、同じ道を走っているんだ。

市電は路線廃止の都度、バス路線を新設するなどして、市民の足としての市営交通網が途絶えないよう努力を続けてきた。その意味でもバスは多分に市電の遺伝子を引き継いでいる。

バスと市電を同系色にする意図があったかどうかまでは判明しないのだが、いずれも道路上での視認しやすさを目指した配色である旨の記録は見つかる。

 

市営バスは昭和3年の創業時から、市電とトロリーバスは昭和35年からクリームに青帯
 

コトコトと線路をゆくクリームに青の市電、スイスイと道ゆくクリームに青の市バス。

今、目の前の横浜は、在りし日の横浜の、日々の続きとして、ここにあるんだなぁ。


―終わり―


取材協力
神奈川新聞社
野毛山動物園
中田小学校 横浜市泉区中田南4-4-1
老松中学校 横浜市西区老松町27番地
西中学校 横浜市西区西戸部町3-286

参考文献
「横浜市電修復ノート」1~12  神奈川新聞社(2011/12/15-2012/6/19)
「本日の横浜市電1156」1~19 神奈川新聞社(2012/1/17-2012/2/22)
今よみがえる横浜市電の時代~あの頃の市電通りへ~ 天野洋一&武相高校鉄道研究同好会著 竹内書店新社
横浜市電が走った街今昔 長谷川弘和著 JTBキャンブックス
のりあい自動車 よこはま市バス60年 横浜市交通局
岡山県片倉鉄道保存会HP

謝辞
写真をご提供いただいた五十嵐匠様と森田満夫様、武相高校鉄道研究同好会顧問山田京一先生、横浜市交通局様、東京都交通局様、横浜都市発展記念館岡田直様、書籍に関する多くの相談にのってくださった横浜市中央図書館リファレンスの方々にお礼申し上げます
 
 

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  • ライターさんの市電に対する深い愛を感じました。相模原の車両の末路は悲惨でした。ボロボロに荒らされ部品は奪われ最後には鉄板が貼り付けられたハリボテとなり果て消えました。その横の案内板に、市電のセリフ「みんなと一緒にいつまでもここにいたいので大切にしてね」とあるのが悲しみを倍増させていました。これは「二度目の死」です。せっかく第二の人生をスタートさせたのに、まさかもう一度死ぬことになるとは、しかも今度は無念の死であり(一度目は時代背景など抗えない事情があったが、今度は防ぐこともできたはずの死)、最後の、とどめの死でもあります。古いものを大切にする心は、環境を大切にする姿勢にも生きるはずです。単なる懐古主義を超え、古いものの存在意義や、長く生きてきたものを愛し愛でる気持ちや、走ってきた&見てきた長い時間と道のりへの敬意なども。物言わぬモノたちは、ときに人以上に多くの大切なことを語ってくれます。

  • 引き取られた市電車両のその後・現状を取材ありがとうございました。子供の頃は日常的に利用していた市電が廃止されてしまい、一部の車両が各地に引き取られて野毛山動物園も行く度に目にしていましたが年月と共に車両が傷んで行く姿を見る度に「引き取っても放置じゃ意味ないのでは?」「引き取る以上は費用掛かるのは当然であり責任を持って管理するべきだ!」と心の中では長年モヤモヤしていたものでした。大人になって野毛山動物園は行く事もなく市電の状態がキニナル中で、神奈川新聞記事での久良岐公園保存車両の改修を目にし大変うれしく思うと同時に、各地に引き取られた車両のその後がキニナリ投稿した次第。状態良く保存する為には今後も継続的に費用が掛かるモノですが、僅かな力になれればと神奈川新聞社に「維持の為の寄付」を問い合わせたものの実施していないとの事で非常に残念に思っています。野毛山も同じように完全修復出来ないのかな???

  • 屋外展示は維持費が嵩むので大変ですよね関係者の皆様に敬意を表します

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