有隣堂 月間BOOKランキング2017(平成29)年9月
ココがキニナル!
有隣堂 月間BOOKランキング2017(平成29)年9月
ライター:ミズグチマイ
横浜が誇る書店「有隣堂」の強力バックアップでお届けする「有隣堂 月間BOOKランキング」
有隣堂全店の月間ランキングをジャンル別にご紹介! はまれぽライターが、はまれぽならではの横浜にまつわる本をいろいろな切り口でご紹介します。
今月は文庫で「銀翼のイカロス」がランクイン。各カテゴリをクリックすると有隣堂サイトでランキング詳細を見ることができます。
4ジャンルの中から、キニナル本をクリック! | ||
総 合:『マスカレード・ナイト』東野圭吾(1,650円+税、集英社)
ビジネス:『業界地図』東洋経済新報社編(1296円税込、東洋経済新報社)
文 庫:『銀翼のイカロス』池井戸潤(760円+税、文藝春秋)
コミック:『僕のヒーローアカデミア(15)』堀越耕平(400円+税、集英社)
これはかわいい! あの『のせ猫ファミリー』の写真集がビッグサイズで登場。思わず心の奥まで、じーんと癒されてしまうこと間違いなし! お客様に今年一番のかわいさをお届けニャー!(本店5F 斎藤さん)
『のせ猫BIG』
SHIRONEKO著
宝島社(800円+税)
歩き方にはその人の人生が表れていて、世界のトップに共通した所作をしているそうです。歩き方次第で、なりたい人生も手に入るかもしれません。(本店6F 田所さん)
『歩き方で人生が変わる』
長尾 和宏著
山と渓谷社(1,200円+税)
ひきこもりの24歳、麻生人生が長野で米作りを通して、生きていく為のいろいろなものを取り戻していく感動作。ラストは涙なくして読めません(本店2F 有松さん)
『生きるぼくら』
原田マハ
徳間書店(690円+税)
筆者がはまれぽならではの横浜にまつわる本をいろいろな切り口でご紹介します。
横浜といえば『ホニャララ発祥の地』だ。
元町付近を散策していると、道沿いに唐突に「クリーニング業発祥の地」と書かれた石碑が佇んでいたりする。横浜港が江戸時代に開港して以来、多くの文化が横浜に流入し定着。そんなこんなで、発祥の地であることを記念した石碑が横浜には多く建てられている。
クリーニング発祥の碑(はまれぽキニナル調査より)
横浜市立図書館の蔵書検索で「もののはじめ」または「はじめて」という単語と「横浜」を含んだタイトルの書籍を検索すると、20冊以上見つかる。発祥の地をテーマにした横浜本のもののはじめを求めて、今回は『横浜もののはじめ(編集:横浜市図書館/発行:横浜市教育委員会)をピックアップ。
横浜もののはじめ(編集:横浜市図書館/発行:横浜市教育委員会)
『横浜もののはじめ』は1976(昭和51)年に発行されており、横浜発祥のモノ・文化のまとめ本としては横浜市立図書館蔵書としては最古であった。横浜市立図書館で1974年に開催された『横浜もののはじめ展パンフレット』が同じく保管されているので、展示のために収集した情報を、一冊の本にした経緯があるのかもしれない。
前置きが長くなったが、この『横浜もののはじめ』がとにかく面白い。全76ページでサクサク読めるのだが、シンプルながらも横浜発祥となる経緯を整理して書いてくれているので、文化の発祥に携わった人や、その後について調べたい時に参考になる。
この石碑は、こういう由来があったのか!
「ゴム印」の発祥ひとつとっても1882(明治15)年発祥と1887(明治20)年発祥の2つの説があり、1882年説のほうは「ケヤコーフという人からゴム印製造法について聞いた藤木節斎は、ありあわせの器具と歯科医用ゴムを使ってゴム印製造に成功した」といったエピソードが紹介されている。聞いただけで作れるとは、藤木節斎氏は何者なんだ?と想像がふくらむ。
『横浜もののはじめ』は既に絶版で購入するのは難しいが、横浜発祥の文化に関する情報は、横浜開港資料館が『横浜もののはじめ考』を1988(昭和63)に発刊。2010(平成22)年に後年明らかになった情報を追記した第3版を発刊している。横浜開港資料館で取り扱っているようなので、ゴム印伝説の藤木節斎さんの詳細が載っていることを期待して、スキを見て購入しに行きたい。
取材協力:有隣堂伊勢佐木町本店
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