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さよなら、開かずの踏切!川崎・南武線沿線の未来を変える大プロジェクトの舞台裏

さよなら、開かずの踏切!川崎・南武線沿線の未来を変える大プロジェクトの舞台裏

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平間から鹿嶋田まで、南武線の立体交差化の計画は進んでいるでしょうか(エアバスさんのキニナル)

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川崎・南武線の高架化プロジェクトが本格始動!2033年度には開かずの踏切問題がほぼ解消し、街も安全で便利に生まれ変わります!

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ライター:新はまれぽ編集部

「カン、カン、カン…」

川崎市の平間駅や鹿島田駅の周辺に響く、おなじみの警報音。

朝の忙しい時間、あと数分で会社や学校に間に合うはずが、目の前でゆっくりと遮断機が下りてくる。

次から次へと通り過ぎる南武線の電車を眺めながら、「またか…」とため息をついた経験、沿線にお住まいの方なら一度や二度ではないはずです。

ラッシュアワーには1時間のうち51分も閉まっていることがあるという、通称「開かずの踏切」

この踏切は、私たちの貴重な時間を奪うだけでなく、街の流れを止め、緊急車両の通行を妨げるなど、安全上の大きな課題にもなっています。

しかしそんな長年の悩みに、ついに終わりが見えてきました!

川崎市を縦断するJR南武線を、まるごと空へと持ち上げる壮大なプロジェクト

「連続立体交差事業」がついに本格的にスタートしたのです。

これは単なる線路工事ではありません。

私たちの日常と街の未来を、より安全で快適なものへと変える、一大ストーリーの幕開けです。

線路が空へ!踏切のない未来の街並み

このプロジェクトのゴールはとてもシンプル。

矢向駅から武蔵小杉駅までの約4.5kmの区間にある9箇所の踏切を、すべてなくしてしまうことです。

電車が地上を走るから、踏切が必要になる。

ならば線路を高架にしてしまえばいい。

そんな発想の転換で、私たちの街は劇的に変わります。

◆もう、踏切待ちはありません!

朝のイライラも、約束の時間に遅れる心配もなくなります。

車もバスもスムーズに流れ、子どもたちの通学路もずっと安全になります。

◆駅が新しく、使いやすくなる!

平間駅、鹿島田駅、向河原駅は、近代的で開放的な高架駅に生まれ変わります。

これまで線路で分断されていた駅の南北も自由に行き来できるようになり、街全体が一体感を取り戻すでしょう。

◆線路の下に新しい空間が生まれる!

高架の下には、広々とした空間が生まれます。

そこがおしゃれなカフェやお店、子どもたちが遊べる公園、便利な駐輪場になるかもしれません。

線路があった場所が、新たな賑わいの中心地になる可能性を秘めているのです。

魔法の裏には知恵がある!「214億円」と「5年」を生んだ新発想

これほど大きなプロジェクトですから、莫大なお金と時間がかかるのは当然です。

当初の計画では、総事業費は約1,601億円、完成までには約21年もかかると試算されていました。

「完成するのは嬉しいけど、ずいぶん先の話だな…」

そう思っていた矢先、川崎市は驚きのアイデアを発表します。

それが工事の方法をガラッと変える「別線高架工法」への転換でした。

少し専門的になりますが、これはまるでパズルの解き方を変えるようなもの。

・従来のやり方(仮線高架工法):
まず今の線路の隣に「仮の線路」を作って電車を走らせ、空いたスペースに高架橋を建設。
完成したら電車を新しい高架に移し、最後に仮の線路を撤去する、という手間のかかる方法でした。

・新方式のやり方(別線高架工法):
まず今の線路のすぐ隣に、いきなり「本物の下り線用(立川方面)の高架橋」を作ってしまいます。
下り電車がそこを走り始めたら、地上に残った古い線路のスペースを使って、今度は上り線用(川崎方面)の高架橋を建設する、という効率的な方法です。

この賢い発想の転換によって、大規模な仮設の線路が不要になり、なんと総事業費は約214億円も安く、工事期間も5年も短縮されることになったのです。

項目 従来:仮線高架 新方式:別線高架
仮設線路 大規模に設置が必要 原則不要
事業費 約1,601億円
(当初想定)
約1,387億円
▲214億円(削減)
工期 約21年
(当初想定)
約16年
▲5年(短縮)
工事中の踏切影響 大(長時間の遮断) 中~小(段階的に緩和)
リスク管理 手戻り・仮設撤去の複雑性 切替工程への集中管理
駅・動線への効果 南北分断の残存 南北自由通行・回遊性向上
高架下活用 限定的 暫定→恒久の段階活用が可能

一番嬉しいニュース!「踏切の悩み」は半分以下の期間で解消へ

そしてこの新しい工事方法がもたらす最大のメリットは、プロジェクトの完成を待たずして、私たちの悩みが大幅に軽くなることです。

新しい計画では、まず下り線の高架化が先に完了します。

つまり地上を走る電車の本数が半分になるのです。

これにより踏切が閉まっている時間は劇的に短くなります。

当初計画では「開かずの踏切」が解消されるまでに約11年かかるとされていましたが、この新方式のおかげで、なんと半分以下の約5年で、あの深刻な渋滞から解放される見通しとなりました。

遠い未来の話だと思っていた快適な日常が、ぐっと身近に感じられる嬉しいニュースです。

未来へのロードマップ ~私たちの街は、いつ、どう変わる?~

では、具体的にいつ頃、変化を実感できるのでしょうか。
未来へのスケジュールを少しだけ覗いてみましょう。

時期 ステップ 街の変化
2024年~2028年度 計画から実行へ(用地取得) これから始まる工事のために、必要な土地の準備を進めています。
まさに、壮大な計画の土台作りの真っ最中です。
2029年度~ 工事スタート! まずは下り線(立川方面)の高架橋を作る工事が始まります。
いよいよ街の景色が変わり始めます。
2033年度 最初のゴール! 下り線が高架を走り始めます! この時点で踏切を通過する電車は半分になり、「開かずの踏切」問題は実質的に解消されます。
~2038年度 鉄道事業の完成 上り線(川崎方面)の高架橋も完成。
ついに、すべての電車が空を走るようになります。
~2042年度 関連道路の整備の完了 高架下の整備や周辺道路がすべて完成。
新しい街がその全貌を現します。

夢の先にある、小さな宿題

もちろん、すべてが順風満帆というわけではありません。

このプロジェクトは川崎市が進めているため、矢向駅のお隣、横浜市に位置する尻手駅までの区間は、残念ながら今回の工事の対象外です。

川崎市内の踏切がなくなっても、市境を越えた先にはまだ踏切が残る、という「宿題」が残されています。

それでも、この一歩が持つ意味は計り知れません。

長年の夢だった「踏切のない街」が、ついに現実のものとして動き出したのです。

次に踏切で待つときは、少しだけ空を見上げてみてください。

数年後、今あなたを待たせている電車が、その空を走り抜けていく。

そんな未来を想像すれば、待ち時間も少しだけ、ワクワクするものに変わるかもしれません。

ー終わりー

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