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川崎球場横の防火水槽が変な形をしている理由は?

ココがキニナル!

川崎球場の横にある潜水艦みたいな防火水槽。なんであんな形なんでしょうか?しかも宇宙に飛び出しそうな角度・・・(カレーライスさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

防火水槽は日本で普及している普通の形。変わっているのはその角度で、市民の注目を集めるためにあえてオブジェらしく設置したという。

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ライター:中村 健人

消防局で話を聞いてみた

(続き)

本来別の場所に古い防火水槽があったのだが、整備の過程で取り壊されたそう。その代わりとして置かれることになったのがあの防火水槽だが、景観をより良いものにするオブジェとしての存在価値を狙って広場内に設置されたという。

オブジェということは誰かがデザインしたはず。ならば誰がデザインしたのだろう?と思うだろう。

記者が作った人の名前を尋ねると驚きの答えが返ってくる。実はあの防火水槽、デザイナーがいるわけではなく日本で一般的に使われているものをそのまま設置しただけだというのだ。
 


これが日本にたくさんあるという

 
本来、防火水槽というのは地下に埋まっていたり、目立たない場所へ縦に設置したりと、一般人の目に触れることはほとんどないらしい。石黒さんと小林さんは職業柄、普段から見慣れているらしいが「確かに一般の人から見たらあんな大きいもの不思議に思いますよね。」と納得のご様子。



気になる構造は?



色々と納得したところで、次に気になるのはその構造。
尋ねると小林さんが設置状況図を見せてくれた。
 


特別にコピーをもらえた


この防火水槽だが、大きい水槽と小さい水槽の2つが地面に埋められており、大きい水槽の貯水量は100トン、小さい水槽の貯水量は20トン。ちなみに100トンは100分間の放水ができる量で木造家屋一棟の火なら余裕で消せるらしい。

大きい水槽は実際に火事が起こった時の消火作業に使われ、小さいほうは富士見中学校グラウンドの水撒きに使われているとのこと。
では採水はどこから行うのだろうか?水槽の上についている突起から採水しそうなイメージがあるが、この突起は水槽の中に入っている水の量を確認するためのフロートと呼ばれるものだ。

実際は水槽から3m先に採水口と送水口が付いていて消防隊はそこから水を入れたり出したりするという。
「使った水はホースでつぎ込む方式。水槽自体は結構シンプルなんです。」と語る2人。
確かに記者自身も外観を見て複雑なものを想像していたが、設置図を見ても予想外にシンプルな作りである。
 


目立たないところにあったため、消防士さんに言われて初めて気づく


色々な話を聞かせてもらい、その秘密が明らかになってきた防火水槽。
だがまだ気になることがある。それは仲間の存在だ。

「看板には町中に仲間が居ると書いてありました。こんな防火水槽が川崎市にはたくさんあるんですか?」

質問に対し、待ってましたとばかりに語りだす石黒さん。
「実は同じようなコンセプトで設置されている防火水槽は川崎市には一つもないんです。あの看板の仲間がいるというのは、町の至る所に同じような防火水槽が埋まっていたり、目立たないところに置いてあるよということを意味してるんですね。」
 


斜めに置いただけでこんなに芸術的


なるほどと納得する記者。さらに、「大切な役割を担う防火水槽を、市民の人たちに認識して欲しいという意図が込められていると聞いています」と小林さん。

日本で使われている防火水槽をそのまま持ってきてあえてオブジェらしく置いた理由がハッキリした。確かに私たちにとって防災というのは非常に重要なテーマであり、市民の関心を上手く集めることができるこの防火水槽が防災に一役買っているかもしれない。

ここまで奥が深い防火水槽は他に存在するのか・・・と感動が収まらないまま消防局を後にした記者であった。



まとめ



一風変わった防火水槽があるということから始まったこの取材。
調査を進めていくことで、その興味深い背景を知ることができた。

皆さんも是非一度、実物を目で見て何かを感じ取ってもらいたい。



―終わり―
 

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  • 良くある防火水槽とのことですが、普通は水平に埋没されるものですよね。斜めでも機能上問題ないのか、気になりました。

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