野毛ちかみちで店を出したり、イベントを開かないのはなぜ?
ココがキニナル!
桜木町駅前の地下通路が異常に広く、何も活用されていない。この好立地の駅地下は何故活用されないのでしょうか?何か開発計画は無いのでしょうか?(nagatoshiさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
野毛ちかみちは法律上の公道なので、規制が厳しい。また、歩行者の通行という本来の目的を果たすため、現時点では許可を出す予定も開発の計画もない
ライター:田中 大輔
野毛ちかみちは実は道路!
(つづき)
しかし、これまでに野毛ちかみちで催し物が開かれたことは一度もないとのこと。
当然ながら、それには理由がある。
「みなさん、建物の一部だと思われていると思うんですが、実は野毛ちかみちは公道なんですよ」と遠藤さん。
え?ここって道路なの?
意外や意外。野毛ちかみちは道路だったのか。
確かに、公道じゃなきゃなんなのだ、と言われると分からない。
でも、なんとなく地下道と地面の上を走る道路とは別のモノと考えてしまっていた。しかし、法律上は地下道もれっきとした公道なんだそうだ。
「一般的に道路と認識されている道の下にある地下道は公道であるケースが多いんです」とのこと。
となると、野毛ちかみちでなにかやるとなれば、地上の道路とまったく同じように、道路法に規定されている道路占用許可を取らないといけないことになる。
公道なので注意書きには警察の名前も入っている
事実、野毛ちかみちでは民間企業の広告が出されているが、あれは道路占用許可を取った上でスペースを提供しているそうだ。
そういうわけで、簡単に「はい、どうぞ」というわけにはいかないという事情が、まずひとつあるんだそうだ。
本来の目的が最優先
でも、逆に言えば、許可が降りればイベントを開けるということにもなる。
ただ、先述の広告についても実験的にやっている段階。
イベントなどの大掛かりなことをやるとすれば、市の関係部署や警察とも連携してルール作りをしてからでないとならない。
その上で、段階を踏んで実験的に進めていくことになるだろう、とのこと。
実は駅前の広場も公道。こちらでは実験的にイベント許可を出している
しかし、許可を出す中土木事務所は、現時点ではそういった考えは持っていないそうだ。
もちろん、これにも理由がある。
野毛ちかみちの存在理由は、あくまで歩行者が通行すること。
新しく発展しているみなとみらい地区と、昔からの野毛町や花咲町を一体化させる目的で造られた“道路”なのだ。
周辺地域をひとつにまとめる役割を感じさせる行き先の多さ
つまり、通行の妨げになるようなことをするというのは、基本的にNGになる。
例えば、音楽ライブをやったとして、そのライブが盛り上がれば盛り上がるほど、立ち止まる人が増えてしまう。
あれだけ広ければ大丈夫じゃない? とも思うが、「例えば、悪気がなくとも気付かずに点字ブロックの上に立ってライブを見入ってしまう人も出るかもしれません」と遠藤さん。
そうなれば、目の不自由な人たちにとっては大きな問題になってしまうわけだ。
この点字ブロックがふさがれてしまうと、困る人だっている
本来の目的での使用者であるイベントに興味のない通行人、特に交通弱者に対する配慮を優先するという考え方というわけだ。
取材を終えて
「あのスペースを見れば野毛ちかみちでなにかやりたい、というご要望はあって当然のものだと思います」と遠藤さんは話す。「ただ、歩行者のためのモノというのが大前提だということをご理解いただけるとありがたい」と続ける。
その上で、「今後、そういった声が多くなって、ルールなど一定の整備ができれば可能性はゼロではないと私は思います」とも話してくれた。
今はちょっとさびしく見えてしまう野毛ちかみちだが、歩行者が安心して通行するという本来の役割を最優先に考えた結果というのが真相ということだったのだ。
―終わり―
ushinさん
2017年09月17日 06時10分
川崎の銀柳街、あれ公道だよね?いっつも公的イベントでライブやってるけど。
bubukaさん
2016年05月30日 11時13分
薄暗い地下通路だよね。貸し出して市の収益に出来るのに。公務員はアイデア無いからダメだね。
Theoさん
2014年12月13日 17時18分
なるほど!納得しました。日本人はガランとしていると寂しいとすぐ言うけれど、広いところを歩けるということは貴重ですね。しかし、緑とかアートとか、死角がない憩いの場があってもいいですね。年寄りは散歩にもベンチが要りますが、日本はベンチのない国になりました。ホームレスの人達と競合しないベンチってありませんかねえ。