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神奈川県の伝統工芸って?

ココがキニナル!

神奈川県の伝統工芸について知りたい。国や自治体が指定していないものも含めて。(にゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

神奈川県には鎌倉彫を始め片瀬こまなど、さまざまな工芸品がある。工芸家も伝統と表現というテーマで格闘している。

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ライター:松崎 辰彦

片瀬こまがさまざまな縁をつなぐ

そんな伝統ある片瀬こまだが、現在作れる人は片瀬に住む熊野安正さんしかいない。熊野さんは職人だった父幸太郎さんが片瀬こまを作っているのを見て育ち、 自分でもやり方を覚えたが、本格的に作り出したのは1995(平成7)年に会社を定年退職した後だった。現在、貴重な技術を絶やすまいとNPO法人湘南ふ じさわシニアネットワークの会員が技術の習得に努めている。

片瀬こまの魅力は、やはりこの重量感。ほかのこまと当たってもはじき返すほどなので“ケンカごま”と呼ばれている。

片瀬こまを中心に、さまざまな企画が発展している。片瀬こまの材料であるツバキは伊豆大島産だが、片瀬こまを縁に、かつて存在した藤沢・伊豆大島間の船便 が近年、復活した。伊豆大島でも大きくなったツバキは用途がなく、もてあましていたのだが片瀬こまの材料にはまさに幹の太いツバキが必要ということで、双 方の利益になる取引が二つの地域を接近させたのだった。

将来的には、伊豆大島の小学生を片瀬に招いて、片瀬こまを仲立ちに交流会を開きたいという杉下さんだが、目下の悩みはこまが足りないこと。大会を開いてほしいという声もあるが、やはり生産が追いつかないのが実情のようだ。
現在、杉下さんらは小学校や幼稚園などさまざまな場所で片瀬こまの体験会を開いているが、子どものみならず、大人もこま回しに熱くなり、夢中になるという。
 


学校で回し方を指導する
 

子どもたちも興味津々


作られた年代によって微妙に形に変化があるため、文化財登録ができないという片瀬こまだが、たしかにこの小さなこまの中には、古くからの伝統が、現代に躍動している

鎌倉彫、片瀬こまと見てきたが、伝統工芸にはさらに奥深い世界がある。もとより工芸の世界は多様で、多彩な表現が存在するのである。



伝統工芸展開催される

2012(平成24)年、鎌倉芸術館で第20回 伝統工芸・神奈川会展が開催された。日本工芸会東日本支部神奈川研究会が主宰したもので、陶芸・染織・漆芸・金工・人形・諸工芸の各部門に分かれて作品が出品された。
 


さまざまな作品が出品される工芸展


日本工芸会とは伝統工芸に携わる芸術家の組織であり、東日本支部は神奈川県から北海道までを含めた地域を統括している。



伝統と現代表現のはざまで

日本工芸館正会員で漆芸の小野次雄さんは、数ヶ月に一つしか作品ができない伝統工芸は大量生産になじまず、産業化できないと明言する。
 


漆芸の小野次雄さん。乾漆の作品を出品した


伝統工芸の条件としては、技術的な面で先人から受け継いだものがあること、そして作品全体に作者の意思が透徹しているものであることを挙げる。

「頼まれたからこの材料でやる、のではなくて、自分で選んだもので作ることが大切なのです」
そういう小野さんの出品作品は、小さな底の深い容器。一見、ありふれた木製かプラスチックの容器に見えるが、実は麻布を何度も漆で塗り重ねて作った乾漆と いう技法で作られている。その昔、仏像を作るときに用いられた技法で、大変時間と手間のかかる技術である。そうして出来上がった容器は、非常に軽く、用い やすい。
 


小野さんの作品・漆芸『乾漆菊型食籠・銘々皿』(手前の6点)。
木あるいはプラスチックに見えるが、実は麻布を漆で張り合わせたもの



日本工芸会東日本支部には、このように独自の技法を持った芸術家が約900名在籍している。みな先人から受け継がれた技術を守りつつ、独自の世界を主張している。素材は違っても、飽くなき表現への情熱は共通している。
 


陶芸『落葉の静舞(らくようのせいまい)』(大塚恵子・作)
 

まるで生きているような人形『粧鏡』(福岡正子・作)
 

染織『紋紗コート 夾竹桃』(成田華仙・作)
 

陶芸『染付陶額 サマルカンドのイスラム寺院』(谷健治・作)


古きものを継承しつつ、新たな境地を切り拓くのが、伝統工芸の世界なのだろう。



取材を終えて

「伝統」はどこにあるか──それがこのたびの取材で考えたことだった。技法(「乾漆」など)にあるのか、それともブランド名(「鎌倉彫」など)にあるのか。  

変わるものと変わらぬものを対置した松尾芭蕉の“不易流行”の四文字は、まさしく伝統工芸の世界でこそ永遠のテーマであろうが、そこでは守るべき伝統への問いかけが、いつの世でも果てしなく続けられることだろう。

そうした中で、ときに片瀬こまのように、息絶えていたように見えたものが突然復活し、新たな脚光を浴びることもある。それは思いがけず新鮮な魅力で私たちの心を奪い、虜にする。

伝統と流行のはざまで格闘されている工芸家の方々は、これからも素晴らしい作品を生み出して、私たちを魅了してほしい。


─終わり─


伝統鎌倉彫事業協同組合
鎌倉彫工芸館

〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜3丁目4-7
電話/0467-23-0154

片瀬こま保存会
〒251-0032 藤沢市片瀬3-9-6 片瀬市民センター内
電話/0466-27-2711

日本工芸会東日本支部
〒101-0043 東京都千代田区神田富山町28番地大曽根ビル3階
電話/03-5295-2118(9:30~17:00)
FAX/03-5295-2119

 

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  • 言い訳でも、反論でも、横ヤリなんかさらっと無視して堂々と感想書くなり・・・いずれもしないってことは、マジでせっかく取材してもらっても、全く見てないんじゃねーの?w ひでぇ話だ。 それとも、取材したい対象を言わせるための、編集部の自作自演キャラなの?

  • 取材しやすいネタを乱発・・・いやなんだろうw提供して採用されることが多いのは別にいいんだけれど、全ての項目にでないとしても、他の方がされているように取材していただいたことへのお礼の言葉とか、なによりも知ってみての感想とかを書き込むのが質問者の礼儀ではないだろうか? 実のところ(見落としはあるかもしれないが)にゃんさんのそういう投稿を「私は知らない」。質問したらあとは別に・・・そもそもキニナってなんかいないんじゃないのかな?w あ、このトピックスは良いと思いますよ。まだまだ、正月の初詣にちょっと出かけた先で、手にすることもあるだろうから紹介としては適切かと。

  • 頻繁でなくとも構わないので、シリーズ化希望。

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