火事で焼失した戸塚の重要文化財、住友家俣野(またの)別邸、その後はどうなった?
ココがキニナル!
2009年に放火とみられる火災で焼失した横浜市戸塚区の国の重要文化財旧住友家俣野(またの)別邸跡地はどうなってるの?キニナルので取材してください。(にゃんさんのキニナル)
ライター:ほしば あずみ
俣野別邸庭園はどんな公園?
俣野別邸庭園には、JRまたは市営地下鉄の戸塚駅下車、「戸塚バスセンター」から神奈中バスの「戸81」系「藤沢駅北口」行で約22分、「鉄砲宿(てっぽうじゅく)」バス停から徒歩5分ほど。
オープン前なのでまだ案内表示も隠されている
藤沢バイパス(国道1号)の上の「東俣野陸橋」を越えると正面に大きな門が見える。こちらは焼失した建物がある内苑部分にあたるので公開はまだ先だ。
工事が続く内苑部分。この門の先にお屋敷があった
敷地沿いに左手にまわると、南口に至る。現在はこの南口か、駐車場がある北口からのみのアプローチとなる(駐車場は37台と限られるので公共機関での利用推奨)。
この日は地元地域の東俣野町内会と影取町町内会が主催する記念植樹などのオープニングイベントも行われるため、開園前からぞくぞくと人が集まっていた。
「早く入りたいよー」「もう少し待ってね」
いよいよ開園
雑木林の中を下る。ここは横浜? しかも個人のお庭だったとは・・・
広い芝生広場。当然のように子どもは走る!
トイレなどが利用できる管理棟脇では桜が咲いていた
内覧会に来た近隣の方に、焼失前の俣野別邸に行った事があるという話を伺う事ができた。
「素敵なお屋敷だったのよ、馬小屋もあって。お嬢様が乗馬をされたので、庭には乗馬用の道も作られていたの。立派なクルミの木もあって、大きな実がなっていたの」
「林の小径(こみち)」と名付けられた杉林。お嬢様が馬に乗って現れそうだ
「火事は本当に残念だった。あの頃、各地で立て続けに起きたでしょう。そんな事があったから、公園が公開されるのは、思いもひとしお」と語ってくれた。
来場した人々に公開された公園について聞いてみると、「散歩にちょうど良い」という感想がとても多かった。
「こういう場所が無料で公開されるのはありがたい。起伏に富んでいるので、歩いてまわるだけでもいい運動になりそう」
「花がたくさん植わっているから季節ごとに楽しめそう。友達を連れてきたりするのもいいかも」
と、ともに近隣に住む60代女性お二人が語ってくれた。
「憩いの小庭」に咲くクリスマスローズ
管理棟前ではオープニングイベントが開催。地域で活動する国会議員、県会議員、市議会議員、戸塚区長や近隣の小学校校長、幼稚園園長らを来賓に、町内会の主催で行われた。
挨拶をする内藤東俣野町内会長
「俣野別邸庭園は、フクロウが鳴いたり山野草が自生したりするなど、緑豊かな環境。子どもたちにとっては環境学習の教材として、近隣のお年寄りには散策の場として活用してもらいたい。また自然観察のフィールドワークとしても利用できる。たくさんの人に訪れてほしい」と内藤東俣野町内会長は語った。
また葛西光春戸塚区長は「俣野別邸が建設された1939(昭和14)年は、旧鎌倉郡内の1町7ヶ村が合併し戸塚区が誕生した年。晴れた日は富士山も望める風光明媚な庭園で、戸塚区の歴史にふれてほしい」と語った。
俣野別邸に戸塚区との縁を感じると葛西戸塚区長
陽光桜の記念植樹が行われた
園内にはこの陽光桜のほか、八重紅しだれ桜など10種類の桜が植えられているという。
いつか樹齢を重ね大木になった時、桜の名所として知られるようになるかもしれない。
イベントには環境創造局の、「公園愛護会」をPRするイメージキャラクター「あいごぽん」も登場。子どもたちを喜ばせていた。
子どもたちに大人気の「あいごぽん」。宇宙のどこか遠い星出身という設定
まとめ
不審火による全焼を乗り越え、一般公開へ至った俣野別邸庭園。
今後の建物の復元を心待ちにして、四季折々に訪ねてみたい。
―終わり―
ushinさん
2013年04月07日 16時25分
記事はおもしろかったが、別の意味で「どうもおもしろくない」 :-<
伴 俊作さん
2013年04月04日 12時27分
「鉄砲宿」っていうバス停の名前の由来もキニなってしまいました。