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2月1日に天国へ旅立ったズーラシアのオカピ「レイラ」が歩んできた歴史とは?

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ズーラシアでオカピが亡くなりました/ズーラシアのオカピ「レイラ」の歩んできた歴史は?(そうてつボーイさん、ウル虎の冬さん)

はまれぽ調査結果!

国内初のオカピとして、ズーラシアで繁殖や出産などを経験し、国内のオカピ飼育に多大な功績を残した。人気面でも貢献し、彼女が生きた証は今後も残る

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ライター:田中 大輔

レイラ、お母さんになる

その後すっかりズーラシアの環境が気に入ったのか、レイラは開園翌年の2000(平成12)年にはキィァンガとの間に愛娘・ピッピを出産。
もちろん国内初の繁殖例であり、現在でも国内でオカピの繁殖に成功したのはズーラシアだけだ。
 


レイラの第一子・ピッピ。ペロっと出た舌がチャームポイント
 

「泊まり込みで夜通しレイラを見守ったことを思い出します」と須田さんは当時を振り返る。
その後、さらに2度の出産を経験(うち1頭は誕生直後に死亡)したレイラは、学術的にも大きな貢献を果たしたと言える。

新たに生まれた彼女の子どもたちの飼育環境はすでに整っていた。
なぜなら、それまでにレイラたちと飼育員たちの努力の結晶が礎になっていたからだ。
須田さんは「レイラの子どもたちだけでなく、今後新たにオカピを飼育することになった場合にも必ず役に立つでしょう」と胸を張る。
 


このピッピも国内2頭目のお母さんオカピとなった
 

今ではピッピも母親だ。
2006(平成17)年、アメリカから来たホダーリとの間にオスのトトを授かり、レイラは母親であると同時におばあちゃんにもなった。
当然、ピッピの出産にもレイラで培った経験が大いに活かされたのだ。



「レイラの死は無駄にしない」

日本でのオカピ飼育に大きな功績を残し、動物園の人気面でも貢献し続けたレイラだが、2月1日に天国へと旅立った。17歳だった。
飼育下でのオカピの寿命は20年前後だそうで、レイラは高齢だったと言える。
 


レイラの死を悼み、展示場前には献花台が設置された
 

1月30日にエサを食べず排便もなかったことから治療が始まったが、残念ながら元気を取り戻すことなく亡くなってしまった。
死因は調査中だが、前日まではいつもと変わらず展示場にも出ていたそうで、あまりに急な出来事だった。

成長したオカピは単独で暮らすため、家族といえども一緒に過ごす時間はほとんどないそうだ。そのため、群れの動物のように1頭の死によって食欲をなくす個体が出るようなことはないという。
それでも、ピッピたちはレイラがいないことに気付いているだろうと話す須田さんは、「人と密に信頼関係を築ける動物なので、飼育員の様子から察しているかもしれない」と続ける。
 


レイラの次女・ルル。彼女も母親の死を感じ取っているのかもしれない
 

成獣のオカピの死亡例は国内で2例目。
須田さんは「レイラの死は絶対に無駄にしない」と力を込める。
「死因がハッキリすれば同じ病気への予防や治療に具体的な対策が取れる可能性もあるし、特定できなかったとしても次に同じような症状がほかの動物に出たときに、なにがしてあげられるか、私たちがそういった心構えを考える必要もある」と語ってくれた。



取材を終えて

ズーラシアでは16日(日)まで、オカピの室内展示場前に献花台を設置している。
献花台にはファンから手向けられた花だけでなく、職員からのものもあるそうだ。特に開園当初から働いているスタッフにとっては苦楽をともにした仲間。彼らにとっても、レイラは特別な存在だったのかもしれない。

レイラと彼女を愛してくれた皆さんに感謝したいと話す須田さんは、「彼女の残してくれた命を大切につなげていきます」とメッセージを送ってくれた。
 


たくさんの思い出をありがとう、レイラ
 

日本初のオカピ、レイラ。
彼女が残してくれた思い出はファンの心を潤し、彼女が残してくれた命は新しいファンに笑顔を届け、彼女が残してくれたデータは今後のオカピ飼育で活かされる。
彼女はいなくなってしまったが、彼女の残してくれたものはこれからも生き続けていく。


―終わり―

 

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  • レイラの次女・ルルの生年を教えて下さい。どうぞよろしく。

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