横浜駅西口・相鉄ジョイナスのフロアガイドにある「〇分待ち」の仕組みとは?
ココがキニナル!
横浜駅の相鉄ジョイナスにあるレストラン&カフェの案内板に「〇〇分待ち」が一覧表示されてます。レストランの順番待ちは相当アナログなのに、どのようにリアルタイム更新してるの(ハムエッグさん)
はまれぽ調査結果!
店内カメラと通路のカメラで各テナントの混雑状況を撮影。映像から自動で待ち時間を予測するシステムが導入されていた。パソコン・スマホで見られるWeb版もある。
ライター:石川 いさお
空席情報サービスの仕組みとは?
日を改め、ジョイナスを運営する「相鉄ビルマネジメント」に取材。「ジョイナスグルメNOW!」の仕組みや導入の経緯についてお話を伺った。対応してくれたのは相鉄ビルマネジメントアシスタントマネージャーの守屋剛(もりや・たけし)さん。
守屋剛さんは「つよし」さんではなく「たけし」さん
「ジョイナスグルメNOW!」の導入について、「横浜駅西口を最先端の都市にしたいということで、相鉄グループと高島屋さんで2016(平成28)年度から企画したアクセラレーションプログラム(ベンチャー企業向けの企画募集)がきっかけでした」と守屋さん。
同プログラムでICT(情報通信技術)利活用の企画公募を行い、空席情報配信サービスを行う株式会社VACAN(バカン)の提案を受けた。2017(平成29)年8月から2ヶ月間、テナントの空き状況がわかるデジタルサイネージを3ヶ所に設置し、好評を受けて2018(平成30)年2月から対象店舗を拡大して「ジョイナスグルメNOW!」として本格導入を開始。現在ではジョイナス内の8ヶ所に設置されているという。
横浜駅「みなみ西口」や
旧ダイヤモンド地下街にも!
「ジョイナスグルメNOW!」は、地下1・2階にあるJOINUS DININGの店舗はもちろん、旧ダイヤモンド地下街や上層階のカフェを含めたほぼ全飲食店の54店舗を対象に、参考待ち時間を案内している。なお、事業を連携する高島屋にも、高島屋店内の飲食店を案内する同様のシステムが導入されている。
待ち時間を算出する仕組みは、ジョイナス内の通路と各店舗内に設置されたカメラによる画像認識システムを使っているという。「VACANさんからは、客席の一つ一つに熱センサーを付けて、座っているかどうかを判別することもできると聞いていますが、入口の待ち列を判別するのはカメラが有効です。あくまで待ち時間表示は目安ということで、カメラで店内と入口を映して、人がどれくらいいるのかをAIが判別しています」と守屋さんは教えてくれた。
画像認識システムにより、映像から店員と客を区別して店舗内外の混み具合をリアルタイムで判定。さらにランチタイムかディナーかなどの時間帯や店ごとに異なる「客一人当たりの滞在時間」を考慮して、最終的に待ち時間を割り出しているというすごいシステムなのだ。
通路天井に設置されたカメラ
カメラのアップ
導入後の反響については「お店からは特に・・・」と守屋さん。たしかに、あえて「ジョイナスグルメNOW!を見て来ました」と語る客もいないだろうから、店舗として効果は実感しづらいかもしれない。ただ、スマホでみられる利便性もあり、客にとってありがたいシステムであることは間違いない。実際、2019(令和元)年8月にTwitterで「便利だ」と拡散され盛り上がったことがあるとのこと。
お店と利用者の声は?
守屋さんとの取材を終え、店舗側の声を聞いてみようと、先ほどの大瀧の社長である池田由美子(いけだ・ゆみこ)さんにお話を伺った。池田さんも導入効果については「実感はないです」と率直な回答だったが、一方で「新しい仕掛けをしくれることはすごくいい」と取組みへの賛意を述べた。「ジョイナスは西口のシンボルで、年齢を問わずお客さんが来るので今風になりすぎてもどうかなとは思うけど、今後も期待しています」と話してくれた。
最後に利用客の声も聞いてみた。取材に応えてくれたのは、ジョイナスをよく使うというNさん夫婦だ。
取材に応えてくれたNさん夫婦
奥様によれば、「私たちは結構この辺に来るので、(ジョイナスグルメNOW!を)知っていました。今回も食べたいものと、待ち時間が少ないものとの兼ね合いでお店を決めました。5分くらいの待ちなら気にならないかなと。10分だと結構待つんじゃないかなという気はしちゃいますね。このシステムがあるのを知っていれば、使いたいとは思います」と高評価だ。
スマホで見られるWeb版については「知りませんでした! ここまで来なくていいんですね(笑)。じゃあ今度はスマホを使いましょう」と笑顔で応えてくれた。5分と10分の違いは、個人的に筆者も大きな違いに感じる。
「空き」「5分以上待ち」「10分以上待ち」など、待ち時間が表示されるということはつまり、お店選びの基準が一つ増えるということである。利用者の満足度は増加する可能性はあるが、減少することはないと言えるだろう。
取材を終えて
「ジョイナスグルメNOW!」を観察していると、Nさんのような夫婦だけでなく、家族や友人同士などさまざまな利用客がいることがよく分かる。10人くらいの部活帰りと思しき集団も見かけたが、待ち時間表示を見ながら語り合い、向かう店を決めていた。
飲食店が実感するほどの目に見える効果はまだないようだが、客にとってスマートな店選びに貢献するシステムであり、ジョイナス全体としての集客力には多少なりとも貢献しているように思える。
画期的なサービスが動く背後には、最新のデジタルテクノロジーが使われていたことも驚きだ。守屋さんから聞いたとおり、「ジョイナスグルメNOW!」は「西口を最先端の都市にする」という相鉄グループの仕掛け第1弾である。西口は、オリンピック前の開業を予定するJR横浜タワーなど大規模な再開発計画が進められているだけに、事業者の垣根を越えたさらなるコラボレーションなど、第2弾の仕掛けにも期待したい。
-終わり-
取材協力
相鉄JOINUS
住所/横浜市西区南幸1-5-1
電話/045-316-3200
営業時間/(ショッピング)10:00~21:00、(レストラン)11:00~23:00
https://www.sotetsu-joinus.com/
ジョイナスグルメNOW!
https://vacanservice.com/organizations/E1OpAVv2/shops?utm_source=web&utm_medium=banner&utm_campaign=experiment_201812
大龍
電話/045-311-2714
営業時間/11:00~23:00 ※ラストオーダー 22:00
ホトリコさん
2020年02月12日 13時53分
ラーメン博物館にもあったな。