「ジョリーシャポー」について

森次さん曰く、店を開いたのは1988(昭和63)年2月とのこと。
現在はご本人と、奥さんの万里子さん、娘さんの彩さんの3人で、店を切り盛りしているそうだ。

森次さんは、役者として松竹に入る前、飲食店でアルバイトをしていた時代があったそうだ。
そしていつかは、自分なりの料理というものを作ってみたいと考えていたらしい。

やがて、ウルトラセブンの放映も終盤に近づき、仕事にある程度余裕ができてきたころ、俳優を続けながら店を持とうと思いついたとのこと。かつての夢が、実現に向けて動き出したのである。

店名の由来に関して聞いてみると、森次さんお気に入りのシャンソン曲、「ジョリーシャポー」から採ったそうだ。その意味は「かわいい帽子」。

毎月最終土曜に同店が主催している「シャンソンライブ」では、この「ジョリーシャポー」や、ご自身でシャンソン向けに編曲した「ウルトラセブンのテーマソング」などを披露しているとのこと。
　

タキシード姿で熱唱する森次さん(画像転載・森次晃嗣公式サイトより)

また、車のナンバーにも「セブン」をつけるなど、こだわりを見せているが、そこには、特別の想い入れなどがあるのだろうか。さっそく訊ねてみると、
「僕の代表作がウルトラセブンというのもあるけど、やっぱりラッキーセブンっていうからね」
とのお答え。しかし、店舗の内外には、ウルトラセブンへの愛着が、そこかしこに感じられる。

　

ピアノの上には、地球防衛軍ウルトラ警備隊が使用する「ポインター号」の模型
（C）円谷プロ
　

ご自身が日曜大工で作ったという、ウルトラセブンのオブジェ

そんな森次さんだが、「ウルトラセブンの森次」と思われることに、抵抗を感じていた時代もあったと言う。映画『あゝ野麦峠』や、テレビドラマ『水戸黄門』をはじめ、数々の出演歴を誇る同氏。なぜ「俳優の森次」と見てくれないんだ…という葛藤があったらしい。

ところが、同店を開店して気付かされたのは、「お客さんはウルトラセブンに会いに、わざわざ足を運んでくれているんだ」ということ。これをきっかけに、「セブンは自分の財産の一部」なんだと、考え方が替わったそうだ。

お客さんの評判は？

川崎からわざわざ自転車で訪れたお客さんがいらっしゃったので話を伺った。

　

インターネットで探して見つけたという、Tさん(左)と、Sさん(右)

Tさんによれば、最初に同店のことを知ったのは、5年ぐらい前とのこと。当時はよく来ていたが、今日は数年ぶりの訪問ということだ。お目当ては「ダンのハヤシライス」。来店するたび、森次さんがとても礼儀正しいので、いつも感心すると話していた。

　

奥さんの万里子さんとご本人のツーショット

「ジョリーシャポー」ならではのイベント

同店では、毎月最終土曜の「シャンソライブ」の他にも、毎月第3日曜に同店で行われる「ジャズライブ」や、森次倶楽部(ファンクラブ)の会員に向けたファンの集い「ファンミーティング」などを随時開催している。ファンミーティングは今年からはじめたばかりとのことで、これからも、常に新しいことにチャレンジしていきたいそうだ。
　

ご自身が描かれた静物画、これもチャレンジのひとつ

そんな森次さんは、この3月15日(木)で69歳を迎える。これを記念して同店では、3月10日(土)17時より、ファンを対象とした「お誕生会」を開催する(予約制)。予約が埋まってしまったとしても、定休日の月曜以外はほぼ店にいるそうなので、子どもの頃にセブンファンだった方はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

最後になるが、昨年7月に店内に飾っていたウルトラセブンのマスクが何者かによって盗まれた。

このマスクは1993(平成5)年、俳優の京本政樹さんから関係者を通して森次さんに贈呈された、大切な記念品。森次さんは「今からでも遅くない、宅急便でもいいから（盗んだマスクを）送ってほしい」と悲痛な叫びをあげていた。

　

ガラスケースにはマスクが逃走中と書いてある

このマスクは森次さんの人生が詰まった思い出の品。それを個人の楽しみの為に奪うのは、なんとも切ない話だ。もしマスクを盗んだ方がこの記事を読んでいたら、一刻も早く返して欲しいと願う。


―終わり―


◆ジョリーシャポー
住所：神奈川県藤沢市鵠沼海岸6-8-3
電話：0466-34-7331
定休日：月曜
営業時間：11:30～18:00
森次晃嗣公式サイト　http://kohji.moritsugu7.net/