日産スタジアム近くにある水門の小部屋。その正体とは!?
ココがキニナル!
日産スタジアム近くの、鶴見川岸にある大きな水門の上部にある小部屋が気になってます。中はどんなでしょうね・・宿直室?会議室?(いや、あんな所で普通会議はせんだろうが)。。。(オオバさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
会議室でも宿直室でもなく、水門の操作室!新横浜公園の遊水地としての機能を支える、大切な場所だった
ライター:田中 大輔
お待ちかね! 部屋の中へ!
水門の脚にあるドアから水門の中へ!
鍵は厳重。めったに見られない場所へいざ!
ドアのある堤防部分からてっぺんまでは15mほど。つづら折りになった階段を上っていった先にあった部屋は……
ジャーン!思っていたのとは違うが、なんてカッコ良さ
6m×18mほどのこの部屋は「操作室」と呼ばれ、その名の通り水門の操作を行えるようになっているんだそうだ。
中には大きな機械が据え付けられていて、特に目を引くのは一対の大きなドラム。
このスチール製ワイヤーがゲートとつながっている
お察しの通り、コレでワイヤーを巻き上げると水門の扉が開く仕掛けになっている。
部屋からゲートに伸びるワイヤー
2つのドラムの中央には“開度計”があり、ゲートがどれだけ開いているかが分かるようになっている。
もちろん今は0を示している。最高で8mまで上がる
これらの巨大な機械のほかに、操作盤などが取り付けられている。
水門を制御する機械と、遠隔操作を受け付ける機械
内水位(遊水地側)と外水位(鶴見川側)の水位をリアルタイムで
しかし、現在では水門のコントロールは鶴見区にある京浜河川事務所からの遠隔操作。
実際にここで作業が行われることはほとんどないそうだ。とは言え、万が一、遠隔操作に不具合が生じた場合のため、操作の必要がありそうなときはこの部屋で担当者が待機するようになっているとのこと。
通常時は、点検が行われるとき以外は無人だそうだ
部屋の窓から望む日産スタジアム
というわけで、男の子心をくすぐる機械が並んだこの部屋の正体は、排水門の中枢部だったというわけだ。
取材を終えて
2004(平成16)年10月に台風22号が猛威を振るったときには、125万㎥の水を遊水地に流し込み、結果1m近く鶴見川の水位を下げることに成功した。
新横浜公園を含め、総合治水対策の効果で1982(昭和57)年以降、鶴見川の氾濫による大規模な洪水被害は出ていないそうだ。
これだけ活躍しているので、新横浜公園が遊水地であることを知っている人は少なくないかもしれない。
でも、雨がやんだら終わり、ではない。
貯められた水を安全に川に戻さなくてはならないのだ。
目立ちにくいけど、なくてはならない存在
そのためにデンと構えるあの水門。
遊水地機能の最後を締めくくる、大事な大事な水門なのだ。
そして、あの部屋はいざというときの心臓部。会議は行われていなかったが、人知れず鶴見川流域に住む人たちを助けている場所だったのだ。
―終わり―
京浜河川事務所新横浜出張所では、月に1度「新横浜出張所だより」を発行中。
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◆京浜河川事務所新横浜出張所
電話:045-476-5003
http://www.city.yokohama.lg.jp/kohoku/shisetu/a070.html
オオバさん
2013年02月07日 20時18分
亀甲橋からは何となく会議室っぽい小部屋があるよーに見えたのですが・・・思ったよりも大きな機械があって驚きました。貴重な潜入レポート大変ありがとう御座いました。
都筑のふくちゃんさん
2013年02月07日 20時07分
水門だけでなく、遊水地全体のレポートも参考になりました。ただ、この遊水地があっても1時間あたり50ミリ対応レベルでしかなく、流域全体でゲリラ雨の対応をしないと「あばれ川」は解消できない状況にある現実も、よく直視する必要があります。平時の遊水地の生き物・緑も取材してもらいたいです。
ス。さん
2013年02月07日 13時06分
「鶴見川は水量が少ないし、氾濫なんかしないでしょ」という思いこみと、日産スタジアムの横を通るたびに「下のだだっ広い場所と、門みたいな建物は何だろう?」と常々持っていましたが…今回の記事を読んでなるほど!と。河川の安全を守る方々が地味な活動をしているんですね。ありがたい事です。