横浜が持つギネス記録について教えて!
ココがキニナル!
マリンタワーランドマークタワーのエレベーターはギネス記録として認定されていたこともある。今現在、ギネス世界記録に認定されていて、常時見ることのできるものは横浜市内にあるの?(恋はタマネギさん)
はまれぽ調査結果!
横浜市内には現在、常時見られるギネス世界記録の有形の建造物なはない。ただ無形のものでは企業・団体・個人の想いのこもった挑戦はある。
ライター:三輪 大輔
ギネス世界記録達成までの道のり
「租税教室は、ギネスワールドレコーズでも新ジャンルの挑戦でした。そのためギネス世界記録達成までには多くのハードルがありましたね」と江塚さんは回想する。
それは計測・証明・標準化・記録更新の4つの要件をクリアすることから、講師の質に関する内容まで幅広くあったという。そのうち2つの条件は「(1)しゃべり・悪ふざけ・居眠りなどをせずに30分集中する」ことと「(2)250人以上の参加で、(1)に該当する失格者が5%以下」であることだ。こうして下準備は済んだ後、ギネス世界記録の告知活動が始まった。
実際に使用された告知のチラシ
「集客に関しては、泥臭い活動になりました」と岩谷さんは話すと、当時の様子について教えてくれた。
「各学校に案内状を送付しましたが、最初の締切で7名、次の締切でも8名の計15名しか集まりませんでした。そこで南区、港南区、磯子区などの学校に訪問して、直接参加を呼び掛けることにしたのです」
その裏には各小学校の校長先生の協力もあった。訪問した先の校長にほかの学校を紹介してもらって、地道に輪を広げていったそうだ。
ギネス世界記録に向けて多くの資料が作りこまれた
一方で当日、講師を担当することになった江塚さんにも困難が待ち受けていた。
「30分集中してもらうにはどうすればいいか悩みました。しかも250名以上の前で話さなければいけません。5%以上の参加者が失格になったり、授業時間が少しでも30分に足りなかったりすれば失格となります。どういう授業にすればいいか悩みましたね」
これまで租税教室を行ってはいたが、そのノウハウが通用しない部分が多くあった。しかし江塚さんの本番前日まで及ぶ試行錯誤が、授業内容のブラッシュアップに繋がっていく。そして2015(平成27)年1月17日、磯子公会堂でのギネス世界記録の挑戦日を迎える。
参加者の入場からギネス世界記録公式認定員のチェックは始まる
当日は513名もの人が集まった。参加者は小学校5・6年生の児童と、その保護者たちである。集客に苦戦したものの対象となる小学校5・6年生以外は集めなかったのだ。そして、それが最終的に功を奏すことにもなる。
ギネス世界記録挑戦当日、講師を務める江塚さん
不安がある中での挑戦開始となったが、租税教室は盛り上がりを見せることになる。授業では参加者が一斉に立ってクイズに参加するコーナーを設けたり、江塚さんが会場内を歩き回ったりして、参加者の集中力が切れないように工夫をした。江塚さんは会場内を歩くとき、磯子公会堂の一番奥の列まで歩いたそうだ。
また校舎を作るのに必要となる金額のクイズでは、正解金額の10億円のレプリカも用意している。10kgにもなる重さを実感してもらうため、10億円を持ち上げる希望者を募ったところ、多くの児童が手を挙げて会場内はひと際盛り上がった。
校舎や体育館、プールを作るのに必要な金額のクイズを出題している
こうして30分の授業が終了して、公式認定員による審査時間となった。
そして20分間の審査の後「Congratulations!」というアナウンスとともに租税教室のギネス世界記録達成が認定された。
ギネス世界記録達成に喜ぶ参加者の様子
513名の参加者の内、失格と見なされた方が10名いて503名での達成となった。これに関して江塚さんは「もし小学校5・6年生以下の児童を集めていても、集中力が続いていたかどうか分かりません。逆に失格者を増やすことになって、ギネス世界記録達成とならなかった可能性もあります。結果的に、最後までターゲットにこだわったことが功を奏しました」と語る。
また岩谷さんはギネス世界記録の達成について次のように話してくれた。「参加者からは、『参加して良かった』という声を聞くことができました。しかしギネス世界記録を達成できたのは、参加者の方にご協力していただいたお陰です。こうした力を貸してくれたことに感謝しています」
(右から)江塚さん、岩谷さん、滝沢さん、ギネス世界記録達成おめでとうございます
最後に江塚さんが3名を代表して、このように話してくれた。
「今回のギネス世界記録の達成を通して、やろうと思えばできるのだと実感することができました。しかし私たちの記録が、破られないとは考えていません。むしろ別の団体やチームに記録が破られることを願っています」
1つの記録が、次の挑戦者へ勇気を与え、また新しいギネス世界記録が作られていく。アイデア1つで世界は変わり、次の新しい扉が開かれていくのだ。
取材を終えて
インタビュー時にウカソヴァさんが、一つひとつのチャレンジには挑戦者の想いが詰まっているので、公式認定員は真摯に向き合っていかなければならないと話していた。実際に横浜南法人会では、多くの方の想いが一つになることで、ギネス世界記録が達成されている。ギネス世界記録では記録だけに目がいきがちであるが、その舞台裏では大きな想いを共有する人たちが繰り広げるドラマがあった。
はまれぽも今秋迎える5周年に向けて世界記録を狙っていく・・・はずである。
―終わり―
はまっこあひるさん
2015年06月20日 15時28分
2012年赤レンガ倉庫であったウクレレピクニックでの、ギネス挑戦会に参加しました!見事、ギネス認定されましたよー。