元横浜ベイスターズ選手のセカンドキャリアとは?-下窪陽介さん-
ココがキニナル!
元横浜ベイスターズ選手、下窪陽介さんのセカンドキャリアとは?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
2010(平成22)年に退団後、鹿児島県南九州市頴娃(えい)町の実家が営む「下窪勲製茶」のPR・販売員として全国の催事場を巡り明るく接客をしている
ライター:山口 愛愛
美味しいお茶を広めることが家族への恩返し
その後、野球チームのコーチ、知人が経営する会社の手伝いやアルバイトなど転々としたが「実家に帰ったときに親父から、ここで働けばいいじゃんといわれて、本当に嬉しかったですよね。その言葉で『やります』と。なんとしても家族に恩返しをしないといけないと思っているんですよ」と語気を強める。こうして2015(平成27)年に地元の鹿児島県に帰り、下窪勲製茶に就職をした。
広大な茶畑の面積は約14.83平方キロメートル。ハマスタ約566個分の面積!
「うちは祖父の代から続き、父と兄が自信を持って土づくりからやっているんです。なんでも土台が大事ですけど良いお茶は土が大事。茶葉を摘む適正なタイミングを父や兄が目で見て、茶葉を触ってこのくらいの温度で蒸そうとか、自分たちの手と目と肌で感じながら育てているので自信を持っている。従業員のみんなが寝る間も惜しんで、一生懸命に栽培しているのでこの味を多くの人に伝えたいんです」と語る。
茶葉の手入れで1日に10km以上歩き体力も必要
下窪さんがお茶を淹れてくれた。「お茶は温度によって味が変わるんですよ。90度では熱い、急須を手で触れるくらいの80度くらいに冷まして出すと少し甘味が増すんです」と説明しつつ、急須にお湯を注ぎ1分くらいでコップに淹れ始めた。小気味良く手首を返すリズムが良い。「うちのは土づくりをしっかりしているので、お湯を入れて1分くらいで茶葉が開き、お茶がよく出るんです。みなさん、びっくりしますね」。
待たずにおいしいお茶を誰でも出せるのが特徴
そう言いながら渡されたお茶を口にすると、上品な香りと甘みをほのかな渋みが追いかけ、後味はすっきり。お世辞を抜きに、土からこだわったお茶ってこんなに美味しいのかと驚きさえあった。
飲んでもらえれば自信はあるが、客足が少ない日だってある。「今日は売れないね、ダメだねって諦める人もいますけど、1000円でも売れれば明日につながるという気持ちでやっているんですよ。売れても売れなくても、一生懸命楽しくやりましょうよと販売スタッフにも言っているんです」と話す。
お客さんの好みに合わせて提案も。水出ししたお茶も美味しい!
「こうして自分がやっていけるのも、実家に戻る場所があったから。結果もついてきているんで、より嬉しいかなと思う。自分は野球ばかりで親に迷惑をかけてきたので、その分恩返しをしたい。職人の親父や兄貴、従業員のためにももっと良いお茶を世に広めたいという思いでやっています。まだ素人と言われるかもしれないけど、その思いというのは関係ないと思うんですよね。全国のみなさんにうちの美味しいお茶の味を伝えていきます」。
家族とお客さんに感謝。「ぜひ味わってみてください」
売れても売れなくても一生懸命という下窪さん。仕事は変ったが、試合に出られても出られなくても一生懸命やっていたあのころと変わらなかった。
取材を終えて
「一般の方はもちろん、ファンの方が来てくれたり、内藤雄太(ないとう・ゆうた)や古木克明(ふるき・かつあき)、北篤(きた・あつし)やクリーニング士の関村英樹(せきむら・ひでき)さんなどベイスターズ時代の仲間も来てくれたりと感謝しかない」という下窪さん。お茶の味わいはもとより下窪さんの人柄にも魅かれ、お茶のファンが増えるのも納得。
10月11日からは京急百貨店上大岡の催事場に出展するので、ぜひ下窪家渾身の極上のお茶を味わっていただきたい。
-終わり-
はなはなさん
2018年10月02日 01時50分
下窪選手、同い年で、高校のとき応援してました。キャッチャーの林川選手の選手宣誓、不屈不撓の精神で!というフレーズが忘れられず、今も座右の銘にさせていただいております。下窪選手のプレイには感動させられっぱなしでしたし、横浜ベイスターズファンでもあるので、今もポジションはかわれどご活躍のご様子で嬉しい限りです。お茶もおいしそうで、機会があればお店にも伺ってみたいです。これからも応援しています!