タクシーやホテルも!? 「バス以外」の「神奈中」とは?
ココがキニナル!
「神奈中タクシー」や「神奈中インドアゴルフ&テニススクール」など、バス以外のサービスで「神奈中」の名がつくものも多い気が。神奈川中央交通はどうしてバス以外の事業も展開しているの?(mochix2さん)
はまれぽ調査結果!
神奈中グループは不動産、タクシー運行を軸に、バス以外も多事業を展開。多角的展開で経営安定を目指している。
ライター:岡田 幸子
グループ力強化で神奈川の交通網を支える
このほかにも、平塚、秦野の「グランドホテル神奈中」といったホテル事業や、和洋中からファストフードまで揃う飲食業、貸切バスでの旅行を企画する観光業からゴルフ場、スイミングスクール、スーパー銭湯といったレジャー・スポーツ業など、神奈中グループの手がけるサービスはとにかく手びろい。
神奈中本社ビルと一体化した「グランドホテル神奈中 平塚」(『神奈川中央交通90年史』より)
レンタルDVD・CDショップの“TSUTAYA”も県内にフランチャイズとして8店舗営業しているし、厚木市、相模原市にはカーディーラー“神奈中相模ヤナセ”も3店舗を擁する。
メルセデス・ベンツを販売(神奈川中央交通提供)
「バス以外の事業に参入するのは、経営の安定化が大きな目的です。手元の資料では1991(平成3)年度の年間輸送人員は3億人(約82万人/日)を越えていました。その後、バス乗客は減少傾向にあり、2015(平成27)年度ではおよそ2億3千5百万人(約65万人/日)。人口減や自家用車の普及などにより、今後も大幅な乗客増は見込めそうにありません」と、村山さん。
残念ながらバス利用者は減りつつあるらしい
「とはいえバス運行は公共性の高い事業。会社の経営が苦しいからといって採算の取りづらい路線を簡単に廃止しては、利用者の暮らしに支障が生じます。そのため、ほか事業展開により経営安定を図る企業努力を続けているのです」
なるほど、多角的経営が路線維持にもつながるのか(神奈川中央交通提供)
こうした事業は神奈川中央交通が直接運営しているものもあれば、グループ企業によるものもある。グループ企業の中には1995(平成7)年から2000(平成12)年にかけて相次いで設立され、従来神奈中が運行してきたバス路線の運行を担っているバス会社もある。
湘南神奈交バス、津久井神奈交バス、横浜神奈交バス、相模神奈交バス、藤沢神奈交バスだ(神奈川中央交通提供)
専用カラーの車両もある。写真は横浜神奈交(神奈川中央交通提供)
こちらは湘南神奈交の専用カラー(神奈川中央交通提供)
津久井神奈交は山の緑を映したグリーン(神奈川中央交通提供)
相模神奈交は爽やかなミントカラー(神奈川中央交通提供)
藤沢神奈交は海の青!(神奈川中央交通提供)
このような分社化は、路線維持のための手段の一つでもあったと村山さんは語る。
「企業として利益追求と公共性の維持という二つの命題を抱えたうえで、選択したのが15年ほど前の分社化でした」
そんな神奈川中央交通だが、実は戦後から小田急電鉄を中心とする企業グループ「小田急グループ」の一員だ。
“Candy Cab”にも「odakyu group」の表示(左下)が
グループには小田急バスはもちろん、江ノ電バス、箱根登山バスなど同エリアを走るバス会社もある。競合に見えて実は同グループ内の仲間同士という構図なのだ。
村山さんは「弊社に限らず、交通網を支える企業群は、これまで幾多の変遷を乗り越えてきました。競って顧客を取り合う形ではなく、同じ交通事業者として手を取り合ってより良い運営を目指すということも、今は大事なことかもしれませんね」と話してくれた。
取材を終えて
いつも使っているアノ店が実は神奈中経営だったと知り、驚いた。
「車移動でバスには乗らないから神奈中なんて関係ない」
今回は、そんな方にこそ読んでいただきたい調査結果となった。
暮らしを支える神奈中の手びろいサービスリストは、公式サイトにもあるのでぜひチェックを。あなたの近所のアノごひいき店も、神奈中グループかもしれませんよ。
―終わり―
<取材協力>
神奈川中央交通
http://www.kanachu.co.jp/
神奈中タクシーホールディングス
https://kanachu-taxi.co.jp/
座間の分からず屋さん
2016年08月27日 14時48分
要は本業のバス事業にかかる経費は「神奈川中央交通」というのれんを維持するための“広告宣伝費”と割りきってるわけね?その実態は、不動産業や自動車販売業などを手掛ける“非運送事業者”ということか。
よこはまいちばんさん
2016年08月15日 22時55分
逆に神奈中グループの子会社なのに「神奈中」を名乗っていない会社もありますよね。他企業でもあるのですが、グループ企業として結束を図る意味でも消費者に認識してもらう意味でも、全ての子会社名を「神奈中」を入れた名称にした方がメリットの方が大きいと思えるのですが・・・。その辺りの事情も調査して欲しかった。路線バス事業の地域分社名も「神奈中」ではなく「神奈交」にした事情も。まあ来年から3社に再集約される事が決定しているのに本文にはありませんけどネ!
あまえびさん
2016年08月15日 11時11分
神奈川県のタクシーは全て禁煙車で、Candy Cabに限ったことではありませんよ。