東横線跡地の遊歩道、一部供用開始の現場を散策
ココがキニナル!
桜木町の東横線の跡地が7月16日に開放されたようです。どんな展示があるのか気になります。今後の残りの延伸のスケジュールはどうなるのかもキニナリます(ハムエッグさん・xvさん)
はまれぽ調査結果!
一部供用開始!といっても全体の10分の1の小さな空間。現状は植栽以外特別な展示は見られない。だが撮り鉄さんには意外なアングルが楽しめる穴場!今後の延伸は現在計画中
ライター:結城靖博
さらに高架下を進み「R16スタジオ」の現状視察へ
紅葉坂側の階段を下りて地上に戻る
ちょっと引いて見るとこんな感じ
階段の左手に、高架下歩道が横浜駅方面へ向かって延々と続く。
歩道は続くよ、どこまでも
かつて高架下壁面に描かれていた落書きアートは、もはや跡形もない
しかしアートと言えば、はまれぽでも以前紹介したことのある旧東横線高架下のアートスタジオ「R16」は、今どうなっているのだろう?
はまれぽで取材した「R16」(過去記事より)
ふとそんな疑問が湧いて、まっすぐ進めばすぐそこにある高島町まで、ついでにテクテク歩いていった。
途中、高架橋下にこんな落書きもあった(三菱ドック踏切前高架橋下)
三菱ドック踏切を通過する高島線の貨物列車
そうこうするうち高島町交差点近くの「R16スタジオ」にたどり着く
高架下のスペースを利用して若いアーティストたちにアトリエを提供、ワークショップなども活発におこなっていたR16の現場は、今、こんな状況だった。
物置化している印象のアトリエ。丸めた布団にインパクトあり
あれっ?たしかこれは・・・
これってもしかして・・・
過去の記事で紹介されていたオブジェだ!(過去記事より)
このスタジオも放置状態のように見えなくもないが・・・
ひょっとしたらR16スタジオのプロジェクトは、すでに活動を終えているのかなと思い、同プロジェクトを現在管理する「BankART1929」に電話で問い合わせてみた。
すると「今、トイレの改修工事をやっていまして、あと1ヶ月ぐらいでそれが完了します。今でも利用している人もいるのですが、改修後あらためてアーティストの受け入れを行い、来年予定されている横浜トリエンナーレでは、R16スタジオも展覧会場として利用する予定です」と、元気な声が返ってきた。
それはよかった! 来年のヨコトリが楽しみだ。
遊歩道の延伸計画、そして完成区間の有効利用はどうなる?
話を本題に戻そう。
桜木町駅から横浜駅までの旧東横線高架跡、全長約1.8kmを遊歩道化するという横浜市の大胆な都市計画。その経緯と詳細については、はまれぽ過去記事に譲るとして、完成したあかつきの遊歩道全体はどれほどのものか、それを下の図にあらわしてみた。
赤いラインを引いた箇所が遊歩道の全予定地 (© OpenStreetMap contributors)
1.8kmといえば、ブラブラ歩けば30分ぐらいはかかる距離だろう。
そして、今回ついに供用を開始したのが下の図の箇所だ。
青いラインの部分が供用開始箇所 © OpenStreetMap contributors
正確を期すため、横浜市道路局が供用開始時のプレスリリースで用いた案内図も掲載しておく。
画像提供:横浜市道路局
桜木町駅西口広場付近の始点から紅葉坂交差点まで、約140メートル。計画予定の全長は約1.8km。出来上がった遊歩道は、まだ10分の1にも満たない距離である。
紅葉坂交差点の道路のはす向かいからカメラを向けると、画面の中に供用開始エリアがすっぽり収まってしまった。本当に短いことがわかる。
まだ道半ば・・・どころか、始めの一歩を踏み出したというところか。
1枚の写真の中に収まってしまう供用開始エリア
では、キニナル投稿者「xv」さんが知りたい今後の延伸計画はどうなっているのだろうか。
横浜市道路局企画課に尋ねてみると、今後の遊歩道拡張については、まだ設計・デザイン・施行方法などすべてにおいて計画中とのことだった。つまり、正確なスケジュールはまだまったく立っていないのだ。
ならば、せっかく出来上がった「広場のような遊歩道」の有効活用については、どんな計画がなされているのだろうか。それについても、都市整備局など関係部署との連携を図りながら「今まさにアイデア出しの最中です」とのこと。具体的な話を聞ける段階ではないという。
「財政面との折り合いをつけながら、少しずつ少しずつ、延伸を進めていきたい」
そんな答えを最後にいただいた。
紅葉坂側の端っこ。フェンスの扉にはしっかりと施錠が
この先を横浜駅へ向かって、遊歩道はいつの日か延びていくのである。
「広場のような」からふと思い立ち、とある行動に出る筆者
取材も終わりに近づくころ、久々に太極拳おじさん(過去記事「中国武術事情2」参照)に変身してみた。だが、遊歩道は紅葉坂方面に向かって微妙に上り坂になっているので、太極拳には向かないことが判明。
とはいえ「広場っぽい」のだから、人が集まるちょっとしたイベントの会場として利用するという手はあるだろう。
さらなる延伸が実現するまでの間、そんなことも考えないと、上ったと思ったらすぐまた下りる「ナニコレ珍百景」的存在になりかねないのでは?(それはそれで話題性があると言えなくもないが・・・。)
取材を終えて
市の財政事情や高架の構造上の問題等々、さらなる延伸工事にはさまざまな課題が山積しているようだ。しかし、それでも待ちに待った遊歩道が一歩を踏み出したのだから、まずはめでたし!と祝したい。
今まで見られなかった風景が、このわずか140メートルの空間の中にある。自分だけの素敵な景色を、ここから見出すのも面白いかもしれない。
そして、2021年度末までに、また新たな景色が少しずつ広がっていくのを楽しみに、気長に待つとしよう。なにしろここは、「いつ終わるのかわからない工事」がもはや風物詩のような横浜なのだから。
―終わり―
取材協力
横浜市道路局企画課
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/org/doro/sohiki-gyomu/kikaku.html
サマリア難民さん
2019年08月21日 12時12分
入江橋の話題の次ページをクリックすると、ここに来てしまいます。(こういうことを書くと、修正後「そう思わない」を押す人が一杯いるので嫌なんですが)
はんぐん丸さん
2019年08月03日 22時41分
この記事が掲載された金曜日の昼、歩いてみました。さっそく撮り鉄さんが三脚立てていました。私も撮り鉄なのでカメラを構えましたが、架線柱や柵、草むらが被って、ベストアングルは限られてしまうかな?今後の完成が楽しみ。その時はぜひ、撮り鉄の為のお立ち台を設けてくれたら嬉しい。