朗らかに、なめらかに、時に深く酔う酒場「どん八」

今年の4月から新しいオーナーの伊藤さんに引き継がれた「どん八」。伊藤さんは「酔っぱらいながら楽しく仕事できるのはいいかもな」と思って、竹内さんからお店を引き受けた。

メニューが少々変わったそうだが、スタンスやお店の雰囲気は特別に変わっていないという。するりと、たらりと、飲む酒場だそうだ。
その中の名物システムとでもいうか、お客自ら施す自酌の系譜。その風景から。
　

店の中央にあるこのコーナーで施す

だいたいのお客さんがボトルを入れるそうなので、ほぼ氷を足す場所となっている。割り物はこちらから。
　

キャッシュオンして自ら取る

といったかんじ。1杯目はグラスに氷を入れて出してくれる。それからは、キャッシュオンして自らやる。

投稿にあった生ビールは、竹内さんがサーバーを返してしまったため、現在は提供していない。伊藤さんは「そのうち置きたいとは思っている」そう。

と、時間をどうやって過ごそうかシミュレーションしていたところにやってきたのは常連さん。
　

「まぁ、一杯やんなさいよ」

瓶ビール（大：500円）をいただいた。チンカチンカに冷えたルービーを一気に飲み干す。酔いのイントロが静かに立ち上がる。陽気な常連さんたちと、朗らかに会話が始まる。
　

このテーブルのお客さんたちと飲むことに

このテーブルの方々からもビールをいただいた。はまれぽを知っている方や、若くして酒場の話をまわせる勇ましい青年、穏やかに楽しくのんでいるおじさまや、石川町の洋菓子店をやたらと勧めてくるおやっさん。とにかく楽しいムードが漂う。その中でちょっと目を引いたのがこの方。
　

立ち上がっている男性

この方、なんと2年間でキンミヤの一升瓶を160本空けたという。2年で160升のキンミヤをたいらげたツワモノ。誠に勝手ながら、呼び名を「キング」とさせていただいた。
　

けっこういただいちゃってます
　

野菜炒め（300円）到着

いろいろこの店のルールを教えてくれたとなりの男性からもビールをいただく。酔いがまわる。そこにニンニクがびっちり効いた野菜炒め。つまみに最高です。郵便局員の男性がやってきて、場はさらに盛り上がる。決して、常連さんだけの内輪ウケというよりは、一緒に飲むなら和気あいあいやれたらいいねといった風合いの、フレンドリーな空気。いいもんです。酔いが、まわるもんです。キングがキンミヤ持ってやってきたです。
　

飲むことにします
　

席も移動

ここからキングの酔いエピソード話が繰り広げられたが、都合により割愛いたします（笑）。
個人的には、お腹がちぎれるくらい面白かったのですが、記事には無理そうです。おそらくというか、ほぼ確実に、どん八で飲めば聞ける極上のエピソードです。

続いていただいた料理がこちら。
　

炙りねぎチャーシュー（300円）

ひとくちサイズの豚バラ肉と千切りのネギがたっぷり。つまみには文句なし。酒がすすむ。ということで、酔いが、まわる。
　

楽しい酒を楽しい会話と空気が醸す

みんなの家といった風情もある。とにかく、フレンドリーで朗らかに楽しく飲める雰囲気は最高。酔ってるからだけかもしれないが、そうなれるのって、いい。
　

シメにもつまみにも最適　ひとくちカレー（100円）とガーリックトースト（100円）

現オーナーである伊藤さんがこだわり力をいれているというカレー。酔っていても美味い。「酔っているから美味いのかわからんな」と言ったら、隣で飲むタイシくん（この日から友達）が「うまけりゃいいすよそれで。まぁ、飲みましょうよ」。
いいやつである。クドー・シュンサクに仕事をさせない、いいやつである。
おかげさまで、いい酒が飲めた。
　

プライベートなアッチ関係の話も咲く

最後に、一人で店を慌ただしく切り盛りする店主の伊藤さんはじめ、お客さん皆さんと記念撮影。こういう店、いい意味で、珍しい。
　

ごちそうさまでした

常連のみなさんも、ありがとうございました。

取材を終えて

正直なところ、変わった店であった。ただ、それがいい方向に出ている、近所にあると最高な店だなとも思った。
今後はドリンクも料理も徐々に充実させていく予定だと、伊藤さんは一杯飲んで、言っていました（笑）。
風変わりな酒場「どん八」。ぜひ一度、体験してみてください。


―終わり―

店舗情報
どん八
住所／横浜市神奈川区神奈川本町13-2
電話／なし
営業時間／11：30～14：00、17：00～23：00
定休日／日曜・祝日
※取材時のメニュー価格は「お試し価格」のため、変更される場合があります