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元町通りの入り口にある「元町プラザ」の歴史・・・横浜開港にさかのぼる背景とは?

ココがキニナル!

元町プラザはどこか年季があり、独特な雰囲気を感じます。少なくとも80年代にはあったのかと思います。元町プラザの歴史が知りたいです(ossangenerateさん)

はまれぽ調査結果!

1972(昭和47)年に完成した元町プラザは、外国人墓地を提供した増徳院というお寺の跡地に開発された。併設のマンションとともに、元町の活性化を支えてきた

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2018年10月02日

ライター:はまれぽ編集部

開港とともに生まれた「元町」

元町が生まれた経緯は、1860(万延元)年の横浜開港がきっかけ。日本人商業地区と外国人居留地区の事業計画決定などに伴い、当時海沿いの横浜村に住んでいた住民が強制移転されたのだ。
山手と関内の通り道である移転地「本村」は「横浜元町」と地名変更され、住民の生活の糧も農業や漁業から外国人を対象にした商売へと変わっていった。
 


かつての「元町百段」周辺。右にある「砂糖」の看板が、杉島家が営んでいた商店(絵葉書)

 
杉島氏によれば、かつて元町通り(元町ショッピングストリート)には家具を扱う店が多かったという。そして、その職人は住居兼工房を一本裏手の仲通り(元町クラフトマンシップストリート)に構えるという、職住近接の暮らしがあったそうだ。

「その後、元町通りに並ぶ店はアンティーク雑貨などの海外向けのお土産を扱う店、ブティックなどに変化していきました。今ではジュエリーショップが増えています。元町に住んでいる人はほんの少ししか残っていません」と杉島氏。

元町は、関東大震災と第二次世界大戦で二度焼け野原になった場所でもある。こんにちに至るまで、大きくその姿を変えてきたのだ。
 


戦前から続く店舗も少なくなったという

 
そんな元町の歴史の中で、元町プラザとその前身であるお寺の存在はどのようなものだったのだろう。

杉島氏が発行人の書籍『横浜元町140年史』によれば、ここにあったお寺の名前は「海龍山増徳院東泉寺(かいりゅうざんぞうとくいんとうせんじ)」。806(大同元)年に創建したと伝えられる真言宗の古刹(こさつ)で、廃寺や火災などに見舞われながらも再建し、幕末のペリー来航時には専従住職がいないままに存続していた。
 


当時の境内の様子を写した彩色写真(絵葉書)

 
増徳院が歴史の表舞台に現れたのは、1854(嘉永7)年にペリー艦隊の水兵ロバート・ウィリアムズがマストから転落して死亡した事件だ。この死者を埋葬するための場所を求めたペリーに対し、「艦隊からも良く見える場所」として提供されたのが、増徳院の墓地だった。これが、現在の「外国人墓地」のはじまり。
 


山手の観光地にもなっている外国人墓地は、増徳院の敷地だった

 
そんな歴史を持つ増徳院だが、1923(大正12)年関東大震災で壊滅。1928(昭和3)年に南区で再建されている。
 


現在の南区平楽にある、現在の増徳院

 
元町の増徳院跡地は大きなクスノキが生え、子どもたちの遊び場になっていたそうだが、元町周辺の地価が上昇する中で、この場所に元町プラザとマンションが建設されることになった。

プラザ建設工事は山手方面に伸びていた丘を切り崩す規模の大きなもので、杉島氏によれば人夫の手による工事が続けられていた記憶があるそうだ。
 


増徳院があったころの元町通り。中央の屋根が増徳院のものだという(絵葉書)

 
1972年に元町プラザができたころは、地域にどのように受け止められたのだろう。

杉島氏は「近代的なマーケットで、地域の活性化につながるということで歓迎されていました。マンションにはエレベーターも設けられて、当時珍しかったと思います」と振り返る。今では元町に住む人は減り、店舗に働きに来る人が大多数を占める。多くのテナントが入る元町プラザは、町が変わっていく過渡期に登場し、流行を象徴した建物だったようだ。



今も残る増徳院の面影

増徳院の名残は今も残されている。

元町プラザの向かい、堀川に面するビル「増徳院薬師堂」がそれだ。元町プラザ完成と同じ1972(昭和47)年に再建されたという。この薬師堂は縁日を開催しにぎわいを見せ、男女の縁を結ぶ「色薬師」とも呼ばれていたとか。
 


現在の建物は2016(平成28)年に建て替えられた新築

 
かつて増徳院の墓地だった外国人墓地は、今でも観光スポットとして横浜の町を見渡している。
同じく増徳院をルーツにする場所にある元町プラザは、開港の歴史と元町の発展に関わり、切っても切り離せない背景をもった場所だった。
 


馬車道方面を望む外国人墓地

 


取材を終えて

みなとみらい線で元町を訪れれば、ほとんどの人が目にすることになる元町プラザ。通りの雰囲気とは少し異なる空気をまとっている建物は、素通りされてしまうことも多いようだ。

その歴史もさることながら、実は個性的な店舗が多いことも特徴の一つ。ここでは紹介しきれないが、興味がある人は元町通りで買い物を楽しむ前にでも、ぜひその目で確かめてもらいたい。
 


2階デッキ部分にはカフェテリアもあり、結構穴場かも?

 

ー終わりー


参考資料
『横浜元町140年史』(2002年、元町の歴史編纂委員会)
『横濱元町古今史点描』(2008年、大澤秀人)
NYPL Digital Collections
https://digitalcollections.nypl.org/
 

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  • 気にはなっていましたが、投稿するまでは至らなかったお題、楽しく拝見致しました。

  • 知らないことばかりで、とても興味深く読みました。次に元町プラザに行く時は、昔の頃を想像しながら、また違った楽しみが得られそうです。

  • はまれぽで、横浜の歴史物の記事が最近めっきり少なくなって、寂しかった。今後も歴史物の記事に期待しています!

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