女性の活躍を後押し! 神奈川県が認定する「神奈川なでしこブランド」とはいったい何?
ココがキニナル!
今年から新設された神奈川なでしこブランドについて取材して下さい。(Mhamaさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
神奈川なでしこブランドは、企業や社会での女性の活躍を促進するために、女性が開発に貢献した商品(モノ・サービス)を県が認定するもの。
ライター:大和田 敏子
神奈川なでしこブランド認定商品「着せかえCHACOシート」
川崎市で高齢者・障がい者用の洋服(ユニバーサルファッション)の開発・販売などをおこなうアソシエCHACOの代表、栗田佐穂子さんは、登戸ドレスメーカー学院の副学院長でもある。服飾の学校には、「障害があっても仕事ができる、服飾で生業を立てよう」という人が入学することもある。そうした方々が相談にみえる機会もあり、服飾の技術で、障害のある人の助けになりたいと考えてきたという。
手が不自由な人にも腕が通しやすい洋服
並んでいる洋服は、一見すると普通の洋服に見えるが、ボタン部分がマグネットになっていたり、マジックテープが使われていたりと、身体が不自由な人が脱ぎ着しやすい工夫がされている。自分で脱ぎ着ができれば、生活が改善される。
「洋服はその人の生き方を変える」と栗田さんは言う
結ばなくても着脱できるネクタイも考案(税込3121円から)
栗田さんは、2002(平成14)年に、かわさきマイスター(洋裁・介護服)に認定されており、いち早くユニバーサルファッションに注目した川崎市から助成金を受けながら、開発を続けてきた。
なでしこブランドに認定された「着せかえCHACOシート(税込5173円から)」も、その中のひとつだ。きっかけは、車いすのコート(防寒・防雨のリバーシブル車イス用コート)を使ってくれた人が、脚の裏側に風が吹き付け、ふくらはぎが寒いと話されたこと。
一般的に車いすは脚の裏側部分が空いている(フリー素材より)
防寒・防雨の車いす用コート(税込37368円)
話をしている間にイメージが浮かび、その人が帰るまでにもうすべてデザインがまとまったという。こうしできたのが、着せかえCHACOシートだ。
着せかえCHACOシートは、ほとんどの車いすに対応(ショートタイプ)
暖かさだけでなく、かかとが落ちないので安心という良さもある。また、車イスを使う方から、物を膝の上に置くと疲れるし、後ろに掛けると不自由で盗難の危険もあると聞いていたことから、オプションで以前開発したポケット(税込2000円)をつけることにした。
パイプ椅子に装着し、商品の特長を教えていただく
背もたれの部分まで覆うロングタイプ(税込6145円から)もあり、色柄も豊富にそろっている。好みの問題だけでなく、生活シーンによる使い分けや仕事の質の向上という点も想定している。ビジネスマンからは、黒のロングタイプが人気。車いすではなく、普通のいすに座っているように見えることがポイントのようだ。
黒のロングタイプはこのような感じ
介護のためのグッズは、障害のない人や家族にそうした人がいなければ無縁と考えがちだが、誰もがそうした立場になることは起こり得る。いざという時に、こうした商品を知っていると安心感につながると栗田さんは言う。
使用イメージ
なでしこブランドに認定され、さまざまな形で商品が広報された。取材なども増え、多くのメディアで取り上げられたという。
「なでしこブランドに認定されたことで、安心して商品を選んでいただける。商品を知ってもらえる機会が増えたことは大きい」と栗田さんは話す。
取材を終えて
神奈川なでしこブランドは、スタートしたばかりの事業。一般的な認知度は、まだ低いが、認定をきっかけに女性を積極的に採用したり、女性のモチベーション向上につながり、商品開発や販売促進に女性が力を発揮している企業もあるようだ。また、ブランド認定によって、商品をアピールしやすくなったり、メディアに取り上げられる機会が増えたりして、販売促進につながっているところも多く、影響力は大きい。
それだけに、認定する責任も重いといえるだろう。今後さらに、神奈川なでしこブランドが認知され、信頼されるブランドとなって、女性の活躍を応援するものになっていくことを期待したい。
―終わり―
取材協力
神奈川県 産業労働局 労働部 労政福祉課 両立支援グループ
電話/045-210-5744
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f480434/
鎌倉ダイニング
電話/0467-44-8822
http://www.pocket.co.jp/dining/
アソシエCHACO
住所/川崎市多摩区登戸2130-2アトラスタワー向ヶ丘遊園2F
電話/044-900-8844
http://www.a-chaco.com/index.html