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昭和の時代を彷彿とさせる横浜の「屋台のラーメン屋」はどこにある?

ココがキニナル!

横浜駅や戸塚駅東口には今も昭和時代を彷彿させるラーメン屋さんが夜な夜な屋台で出店してる。味の方も気になりますが、お店の歴史も気になります。取材して!(Shibaさん/yakisabazushiさん)

はまれぽ調査結果!

横浜駅西口の「来喜」は創業50年、戸塚東口の「八っちゃん」は創業27年。味のこだわりが強く、古き良き昭和の人情味がラーメンに凝縮されていた。

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ライター:山口 愛愛

鶏ガラも良いが、店主の人柄が生きる人情味



次にやってきたのは戸塚東口。駅から徒歩5分、アピタの正面入り口前に出る屋台「八ちゃん」へ。
 


アピタの前に突然屋台が


アピタの閉店時間午後10時を過ぎてから準備をしはじめ午後11時ころから営業開始。屋台を切り盛りする野口さんに声を掛け、自ら改造したという車型の屋台の開店準備を見守ってから、話を伺うことに。
 


白いトラックの壁を一面ずつ広げていく
 

ひさしもあり
 

徐々にラーメン屋さんのかたちに
 

準備OK店主の野口さん


1988(昭和63)年に開業し、27年となる「八ちゃん」。
27年前に知り合いから屋台を引き継いだという野口さん。それまでラーメン店や飲食店経営の経験はなかったが、屋台をすすめられたことをきっかけに手ほどきをしてもらい転職。

「初めのうちは麺が一定の固さや量にならなかったし、何個も同時にできなかった」と話す。以前は、鉄鋼業や鍛冶屋さんなどで生計を立てていた。その技を生かして約1ヶ月をかけ車を改装したそうだ。
 


しっかりとしたカウンターに荷物置きの棚まで


アピタの前のユニー時代の店長と知り合いで、敷地内で店の閉店後から営業をさせてもらうことに。ユニーのころは午後10時から営業していたが、アピタに変わり閉店時間に合わせ、午後11時からの営業としている。午前3時までの4時間が勝負だ。
 


酔っ払って椅子から落ちたお客さんがいたのでスタンディング式に


「昔はこの辺はユニー以外、何もなかったからね。知られるまでお客さんは少ないし、今も集中するのは午前0時前後だけなんだけどね」と野口さん。
ラーメン屋の経験がない店主が、深夜営業のラーメン屋台を27年続けるには相当の努力があったのではないだろうか。

「美味しくないと続かないですよね? 味のこだわりはどんなところでしょう?」との質問に「当たり前のことを当たり前にやっているだけ」と野口さんはきっぱり。
 


創業から変わらぬメニューと味わい


「屋台でなくても、お客さんは正直だから。分かるんだよね。しっかりとコストをかけることが大事。コストはお客さんに対しての礼儀だから」

営業は午後11時からだが、朝の10時から仕込みをし、出汁を煮込んでいるという。スープを沸騰させるとんこつ系とはことなり、弱火でじっくり煮込んでいるのだとか。こだわりのチャーシューも野口さんの自家製だ。
 


「手間ヒマかけるなんて当たり前でしょう」


スープやチャーシューの味の特徴を聞いても「当たり前のことを当たり前にやってるだけ」と繰り返す。美味しいものは店主が語らずとも、食べたら分かるというメッセージだと受け取り、醤油ラーメン(600円)とニンニクラーメン(700円)を注文した。
 


「毎日同じ味を出すのは正直、難しい」
 

すばやく麺をあげ
 

醤油ラーメンの完成! ザク切りのネギが良いアクセント
 

麺は三崎の丸清製麺の中細ちぢれ麺


スープはすっきりしていながら、深みのあるやさしい味わい。「これぞ、中華そば」という、昔ながらの懐かしい味。

「昔ながらの味わい」と謳っている醤油ラーメンでも、味が濃く感じられ、最近の若者の口に合わせているように思うことがあるが、こちらのラーメンはあっさり系。真の昔ながらの中華そばという印象。深夜にこんなラーメンに出会えて嬉しい。
 


ニンニクラーメンは、香り高い生ニンニクの「刻み」と「すりおろし」がたっぷり


生なので、わずかな独特の辛味とスープに解けたうまみがコクとなって鼻に抜ける。取材中、絶えず入れ替っていたお客さんもほとんどがニンニクラーメンを注文していた。「少し匂うからニンニクラーメンは週末が人気」とのこと。
 


バラ系の自家製チャーシューとニンニクのコラボがたまらない
 

「コッテリしていないので、するすると入ります」


野口さんは、取材の受け答えをしながらも、お客さんに目を配り、短い言葉で会話を交わす。
「あれ、今日早いね」と声を掛けると、はにかんだ笑顔を見せた男性客は、自分の失敗話を野口さんに話し始め「大変だったねぇ」と相槌を入れる。

「常連さんが多いんですか?」と尋ねると「こちらのお客さんなんて10年通ってくれてる。ふだんは、こういうこと分かってても言わないけどね」と笑い、お客さんも嬉しそうにうなずいた。
 


明治学院大学の学生さんからベテラン会社員まで客層が広い


常連さんにも話を聞いてみることに。
 


台湾出身留学生のチンカンゴさん


今年の4月から戸塚に住み、大学での吹奏楽の練習帰りに、週2回程度通っているそう。
「屋台での食事は初めてだったけど、あっさりしている味が気に入って、通うようになりました。店主がやさしく、たまにトッピングをちょっと増やしてくれたことも」とにこやか。
 


「屋台が初めての人も気軽に寄ってみて」


「文句を言うお客さんもいるけど、そういう人は大概また来てくれんだよね。ちゃんとやっていれば、分かってくれる。ヤンチャそうなお客さんも来るけど、そういう人は芯があって筋が通ってる。人の顔色ばかり見てて、はい、はい言って真面目にやりすぎるのはダメよ」となぜか小島に向かって話す野口さん。
 


作業しながらお客さんにも心配り


「なんでも簡単に儲かる商売なんてないんだから、清く、正しく、いい加減にやること」と諭され、小島は深みのあるスープとともに、その言葉を飲み込んだ。
 


スープが心に染みる


野口さんのいう「いい加減」は、「ちょうどいい加減」ということだろう。スープの味わいも麺のかたさもお客さんとの距離感も絶妙な“いい加減”であった。
「野口さんに話を聞いてもらいながら、またラーメン食べたいなぁ」と小島。
通常のラーメン店には少ない、屋台の醍醐味はこんなところにあるのかもしれない。



取材を終えて



屋台ラーメンは味わいに限界があるように思われがちだが、どちらもラーメンの味そのものに信念をもっていることを感じた。それに加え、屋台の雰囲気と店主の人柄でうまみが増すのは間違いない。

取材をするうえで野口さんは「掲載されて、もし一時的にお客さんが増えて常連さんが寄れなくなってしまうと申し訳ない」と気にされていた。店は午前0時前後がピーク、金曜の夜が混雑しているとのことで、興味を持ってくれた方は、週末を避け開店後、閉店前などを狙ってみてはいかがだろうか。

ラーメンの味を思い出しながら、法に準じた屋台文化が末永く残ってほしいと願う。


―終わり―
 

取材協力
来喜
住所/横浜市西区南幸1-2-2
時間/19:00~1:00
定休日/日曜日(五番街は無休)

八ちゃん
住所/横浜市戸塚区上倉田町769-1
時間/23:00~3:00
定休日/日曜日、雨の日

※どちらも天候状況などに応じて臨時休業の場合あり
 

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  • 以前戸塚に住んでて、八っちゃんに何度か行きました。貝のダシのような旨味があって、しみじみと美味しかったなぁ。ところで記事では「ザク切りのネギ」と書いてますけど、ニラだった気がします。ネギじゃなくてニラだったのが強く印象に残ってます。写真見てもニラでは?

  • 80年代までは川崎の武蔵新城にも屋台のラーメン屋さんがいましたね。人力で引くタイプで1ヶ所では無く移動するタイプ。おーいと呼んでも気が付かずどんどんいっちゃって追いかけてやっと食したこともありました。

  • 昭和の「名残り」の最たるものの一つですよね。昔仕事で東京・江戸川区に行ったとき、船堀で屋台のラーメン屋さんに遭遇して、店主の方に話を聞いたことがあります。その屋台は人力で引くタイプで、何十年も使っているそうです。作りも凝っていたのですが、現在そういった屋台を作ると100万以上かかるとか。引き出しとか鍋の位置とか、凄く使いやすそうでした。年季が入っていて、末永く残ってもらいたいなあ、と思ったもんです。

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