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金沢区の富岡隧道に刻まれた「45」「70」という謎の数字の意味とは!?

ココがキニナル!

金沢区の国道16号鳥見塚トンネルの「45 70」「70 45」と謎の数字が彫られた、立派な石板がキニナル。恒久的に後世に残すために設置されたの?(横濱マリーさん)

はまれぽ調査結果!

石板の「4570」の数字はトンネル内の壁の厚さが450mmから700mmに変わっていることを示すもの。点検時に役立てるが、後世に残そうという大仰な意味はない。

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ライター:橘 アリー

どのような石板なのだろうか!?(つづき)

では、下り車線はどうなっているのだろうか?
下り車線を上り方面(磯子方面側)から隧道に入って行くと・・・
 


赤丸の辺りに石板があり
 

刻まれているのは「70 45」の数字。これも数字の配置は違うが70が外側

 
隧道内を下り方面へ進んで行き出口に近づくと・・・
 


写真の赤丸の辺りに石板があり
 

刻まれているのは「45 70」の数字であった。これも70が外側

 
上り車線同様、下り車線も、上り方面(磯子方面側)と下り方面(横須賀方面側)で数字の配置が違っているが、どちらも70という数字がトンネルの外側にある。
 


図でまとめると、このようになる

 
これは何を意味しているのだろうか?
ちなみに、現地で分かる隧道の情報は、出入口壁面に設置されているプレートにあるもののみ。
 


出入口にあるプレート。施行年月日などが記されている

 
プレートには4.5メートルという数字があるが、これは石板の数字と関係があるのだろうか? 
隧道の歩道を通行していた方々に、石板の数字の意味をご存じか聞いてみたが、ご存じの方はおられなかった。また、この数字に何か地域の歴史的な意味があるのか、図書館でこの地域に関する資料を調べてみたが、関わりがありそうなものは見当たらなかった。

そこで、この隧道を管理している横浜国道事務所金沢国道出張所でお話しを伺うことに。



トンネル内の壁の厚さが違う!?


 


横浜国道事務所金沢国道出張所は富岡隧道から車で5分ほどのところにある

 
横浜国道事務所金沢国道出張所管理第二係長の高橋絢(たかはし・あや)さんにお話しを伺った。
 


快く対応してくださった高橋さん

 
さっそく、お話を伺うと・・・
「45 70」「70 45」の数字の石板は、石板が設置されているところで、壁の厚みが変わっていることを意味しているとのこと。45は450㎜、70は700㎜だという。石板があるところを境にして壁の厚さが変わっているそう。
隧道の幅と高さが共に、4.5メートルであったが、45の数字はそれとは関係が無いようだ。それにしても隧道内で壁の厚さが違っているとは、ちょっと驚きである。

なぜ、隧道内の壁の厚さが違うのかは、隧道上部の地質に関係していて、出入口付近は圧力がかかりやすいので、それに耐えられるように厚くなっているようだ。図面で見ると・・・・
 


断面図。青丸が壁の厚さが700㎜、赤丸が450㎜(金沢国道出張所資料より)

 
700㎜と450㎜の境目の、図の緑の四角の辺りに、「70 45」「45 70」の石板があるそうだ。このように壁の厚さが違っているのは富岡隧道だけではなく、ほかの隧道も同様の造りになっているのが一般的であるとのこと。

ほかにも壁の厚さが石板で記されている隧道があるのか伺ったところ、金沢国道出張所の管轄内では富岡隧道だけであるが、ほかにもこのような石板が設置されている隧道はあるそうだ。それがどこにあるのかは、管轄外なのでここでは分からないとの回答だった。
 


金沢国道出張所が管理している隧道の図(横浜国道事務所資料より)

 
ではなぜ、この富岡隧道だけにこのような石板が設置されているのかについても伺った。

すると、この石板の表記は、正確な年月は資料として残っていないが、富岡隧道が施工された1975(昭和50)年ごろに、隧道を施工する際の規則の一つとして国が定めたものであるそう。
そして、管轄している富岡隧道以外のものは、この規則が定められる以前に施工されているので石板は設置されていないとのこと。「後世まで残す」という大仰な意味はなかったようだ。

ちなみに富岡隧道の石板の大きさは縦95㎜横350㎜で、現在の規定では縦90㎜横200㎜であるそうだ。
 


石板の数字は壁の厚さの変化であった!?

なぜこのような表記が必要とされたかについて、資料として残っていないので不明であるが、点検をする際に図面を見なくても壁の厚さが変わっている箇所が分かるので、管理しやすくするためではないかと高橋さん。

現在は、施工技術の進歩や基準の変更により、富岡隧道のようなNATM工法(なとむこうほう)の隧道のみに、富岡隧道に設置されている石板よりも少し小さめのものを設置する決まりとなっているそうである。ちなみにNATM工法とは、硬い地盤の山を掘る山岳工法の一つで、トンネル周辺の地山がトンネル自体を支えるという機能を利用した掘削方法のこと。
 


硬そうな地盤の山を掘った隧道のイメージ。画像は鎌倉の宝戒寺隧道付近のもの


高橋さんによると、富岡隧道が最初に造られたのは、1925(大正14)年度のこと。
当時はレンガ張りの隧道だったようだ。
 


レンガ張り隧道のイメージ(フリー画像より)

 
そして、1976(昭和51)年に、レンガを取り除き幅や高さも広げ歩道を作るなどの大規模な修繕工事が行われ、その際に数字の石板が設置されたと考えられる。

 
 

取材を終えて



数字が意味しているのが壁の厚さだとは思いもよらなかった。
ほかにも、このような石板が設置されている隧道があるようなので、隧道を通る際は、ちょっと気にして見つけてみたいと思う。

余談となるが一般的には「国道16号線」と“線”を付けて呼ぶことが多いが、国土交通省では“線”を付けずに「国道16号」と呼ぶそうである。そしてもう一つ、国土交通省の正式書類では、国道16号は横浜方面が下り線で横須賀方面が上り線になるそうだ。
(今回の記事中は、一般的なイメージの通りに横浜方面を上りとしている)


―終わり―
 
 

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  • NATM工法といえば、ブルーライン三ツ沢あたりが有名。地山の・・・といっても、トンネルからアンカーを放射状に打ち込んで周囲を緊締して崩壊を防いでいるんだよね。コンクリート巻立てで強度を保持しているのではないということ。入口付近はもともと崩壊しやすく、アンカーも打てないので、分厚いコンクリート巻が必要となる。

  • 16号の横須賀方面が上り線になっているのがキニナル。

  • 何度もここを通ったけど気づかなかったな。今度見てみよう。それにしても、石板ひとつにも色々な意味があるんですね。

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