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洋食の街、横浜の料理人に密着「横浜コック宝」黄金町「洗濯船」編

ココがキニナル!

横浜の洋食文化をつくった老舗洋食店の料理人に密着取材する「横浜コック宝」。第9回は、黄金町界わいで、お昼時に一番のにぎわいをみせる洋食店黄金町「洗濯船」女性コック長の三好理恵子(みよし・りえこ)さん

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ライター:クドー・シュンサク

「洗濯船」の味(続き)


 
お疲れ様でしたとコック宝に声をかけると「お疲れ様!」と元気な声。それから「何食べる?」とうれしい一言。「おまかせします」と伝えると「美味しく食べてね」とコック宝。


ジュウウ


ポークソティランチ(850円)をいただく


こんがりと焼かれたボリュームのある豚ロース肉のソテーに秘伝のデミグラスソースがたっぷり。山の千切りキャベツにポテトサラダとケチャップパスタ。お新香になめこと豆腐とワカメのみそ汁がつく。


では


一口。香ばしくソテーした肉の旨みと、香ばしいコクと甘さのデミグラスソースが口の中でジュワッ。噛むほどに広がる、ソースと肉の、深いコクと旨み。追いかけるように、すかさずご飯を口に。

うん、美味い。美味い。と、「いいな」という、嬉しい感嘆がもれる。
どこか親しみのあるデミグラスソースの味。コック宝は「日本人が美味しいと感じる隠し味が入ってるのよ」と。

派手でも飾ってもいない、素朴ながらこの味は、記憶に残る。


午後2時過ぎ。ランチタイムを終えたコック宝は


店を訪れた知人の方たちとコーヒーでひと息


「これから休憩ですか?」と尋ねると「今日はやることたくさんあるからゆっくりできないのよね」


「少し休んだら仕込みします」


コック宝に尋ねた。
「コックって、どういう仕事ですか?」


「お客さんのために、ずっと、ずっと料理を作る仕事かな」


55歳から自身の店を持ち、齢65になった今でも、コックの仕事ができて、自分は幸せだと話てくれた。


 

コック宝の想い




帽子を変え厨房に戻るコック宝


静かに仕込みを続ける背中に質問をかけてみた。
理想の料理について。
コック宝は「お客さんのことをすべて考えて作ってます。全部食べていただくのが、一番良い在り方ですかね」

笑顔でそう語るコック宝。

ランチタイムに、両親に連れられた小さなお子さんがオムライスと注文した際、チキンライスは素早く調理して少しだけ冷ます。卵でくるんでも熱々には仕上げない。

理由は「子どものころの記憶って大事だからね。大好きなオムライスで熱くて火傷したら台無しじゃない。小さな子でも美味しいって思えることをやるのも私の仕事です」


食べる人と、その人への気持ちが一番大事


洗濯船


午後5時30分、夜の営業が始まる


静かに静かに、時に、粋なジョークをはさみつつ、コック宝は仕込みと向き合う。


夜のご飯も炊きあがり


名物ロールキャベツの仕込みを仕上げにかかる


キャベツ1玉から6貫作るというロールキャベツ。1貫にキャベツを4枚重ねて巻いていく。

「野菜はたくさん食べれないとか言うけど、美味しく作ればみんないっぱい食べてくれる」とコック宝。美味しいだけじゃなく、いつもの人も初めての人も、家族同然、元気になってもらいたいという気持ちで料理を作る。


その心意気と味に


お客さんは洗濯船へと足を運ぶ


カキフライ、サクッと香ばしい衣にたっぷりジュースのあふれるカキ。
この季節、感涙の味。


夜の営業と仕込みが終わりになる午後11時前


コック宝はほぼ12時間休むことなく料理を仕込み、作り続けた。
疲れた顔をみせないコック宝に「今日はお疲れ様でした」と声をかけた。コック宝は「疲れたけど、やっぱ嬉しいね、好きなことができてるって」と言った。

「コックやってて、良かったですか?」と尋ねた。


「私は幸せ者ですよ」


「お客さんがあんなに笑顔になってくれるところを見られるんですもの。まだまだ、体の動く限りやめませんよ」


横浜コック宝第9号「洗濯船」三好理恵子さん


ここに認定いたします。


ここ洗濯船の洋食は


味も心意気もやさしい、記憶に残る、あのころと、今の洋食でした。
 
 
 

取材を終えて



「私なんかは大層な味は作れませんよ。でもね、みなさんの中にある『美味しい』を、ただただずっと、作り続けていきたいかな」
                               三好理恵子(1951~)


―終わりー

取材協力
洗濯船
住所/横浜市中区末吉町3-67
電話/045-251-5540
営業時間/ランチ11:00~14:00、ディナー17:30~23:00
定休日/日曜 
 
 
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