「家系ラーメン全店制覇への道」 7回目は、実はあの店からの独立店だった「矢口家・本店」と、矢口家の歴史におけるカギを握る「矢口家・平塚店」、六角家イズムを引き継ぐ「四号家」を調査!
プルルルル・・・。
とある10月の平日。宵の口に編集部の電話が鳴った。受話器を取ると、家系マイスターのマーコ氏が電話先でなにやら慌てている。
「そういえば忘れていたんですが、矢口家は介一家からの独立店のようです」
えっ!?

「ONOMICHI(おのみち)」のオーナー(左)とマーコ氏
そこで改めて介一家の独立店であるという「矢口家・本店」からさっそく調査開始することに。今回も店の歴史を紐解きながら、味の評論をお届けするとともに、訪れた店の情報価値を「ネタ度」とし、☆5段階評価として採点していく。
また、調査対象店舗は、横浜市内に点在する家系ラーメン店150店舗から支店を除き、本店のみを対象とした、約130店舗とする。
本店なのに店長が不在!? 「矢口家・本店」
マーコ氏からの衝撃の発言のあと、「矢口家・本店」の最寄駅であるJR本郷台駅へ向かった。聞くところによると、駅からバスで7分ほどの住宅街にあるらしい。

バスに揺られながら・・・

最寄りのバス停に到着! 歩くこと3分ほどで・・・

到着! ちなみに時刻は18時過ぎ
ではさっそく話を伺お・・・あれ? 若い男性従業員はいるが、店長らしき人物がいない?
マーコ氏の情報では40歳以上とのことだが・・・

店内には店主らしき人物がいない?
男性に話を伺ったところ、「ここに(創立者である)店主はいない」とのこと。どうやら本店は男性従業員に任せ、創立者である店主は2年前より平塚店で働いているそう。ちなみに矢口家は本郷台の本店と平塚店の2店舗があるのだが、なぜ本店なのに・・・いったいどういうことだ? しかしここまで来たからには実食せねばならないし、「矢口家・本店」の味をしっかりレポートしよう。

すばやくラーメンを作ってくれた
同店のラーメンの価格は家系ラーメンの中でも横浜市にある家系ラーメン店でナンバーワンの安さの550円。

お値段リーズナブル
ちなみに安くした理由は美味しいラーメンを低価格で食べてもらいたい、という店主のイキな計らいのようだ。では、はたしてそのお味はいかに?

しょう油味がグッ! と際立つラーメン(550円)

店主不在でテンションだだ下がりのマーコ氏。背中が寂しいですよ
>家系マイスター・マーコ氏
介一系らしいライトスープに、お馴染みの丸山製麺の麺が絡む、まさに介一家イズムを引き継ぐ一杯。ただ、若干チー油感が弱く、醤油感が強いのではないだろうか。
>編集部・千葉
たしかにライトだが、とんこつ味がしっかり出ていて食べごたえあり。この味でこの値段なら通いたいくらいだ。
<今回の採点>ネ タ 度 :☆☆☆★★(星3つ)
既食メニュー:ラーメン(550円)
しっかり「矢口家・本店」のラーメンを味わったところで、矢口家のオーナーがいるという平塚店へ突撃することにしよう!

見た目のフォルムは本店とほぼ一緒
店内を除いてみると、店主らしき人物がラーメンを作っていた。はたしてこの方が矢口家の創業者なのだろうか!?

もしやこの方が!?
恐る恐る声をかけてみたところ、この方が矢口家の創業者である矢口英二さん。もともと吉村家と本牧家の常連客であったのが、家系ラーメン店に入るきっかけだったのだそう。
あの名店「横濱家」で修業し、その後「近藤家」オーナー・近藤氏に誘われて、介一家で働くことになったそうだ。

趣味はサーフィンの矢口店長
介一家・港北店で5年ほど修業を積み、1994(平成6)年に前から念願だった独立を果たす。「矢口家・本店」を本郷台に出店した理由は、自宅が近かったからだそう。
ちなみに平塚店を出店したキッカケは、たまたま平塚に飲みに来た際に、平塚周辺にあまりラーメン店がなかったため。立地上、ここならイケると思ったためだそうだ。
平塚店を出店した経緯は分かったが、ではなぜ店主は本店ではなく平塚店にいるのだろうか? その答えは人手の問題。平塚店の従業員が次々と独立していったため、2年前から平塚店にいるのだそう。
では矢口家の創業者である矢口英二氏の真の力を見せてもらおう!

のりをラーメンの上にドーン! と乗っけるのが特徴。ラーメン(600円)

豆板醤の辛さがピリッ! 同店限定メニューの豚辛ネギライス(300円)
>家系マイスター・マーコ氏
基本ベースは本店と同じだが、やはり矢口家創業者が作ることから、「醤油・豚骨・鶏油」の3つが上手く主張し合い、バランス感が素晴らしすぎる。まさに介一系最高峰の一杯と言えよう。
>編集部・千葉
まさか横浜を飛び出すなんて夢にも思っていなかったが、創業者の味に出会えてよかった。マーコ氏と同じ意見になるが、介一家系でバランス感抜群! 平塚までその味を確かめにいく価値あり
<今回の採点>ネ タ 度 :☆☆☆☆★(星4つ)
既食メニュー:ラーメン(600円)
※値段が本店より50円高いのは立地上の問題のためだそう。

最初は取材はイヤと言っていたが、店長には最後まで笑顔で協力していただいた
六角家から独立した某店の血を受け継ぐ!「四号家」
最後に訪れたのは、相鉄線瀬谷駅からバスで20分ほどの「四号家」。事前にマーコ氏に確認したところ、「ここ(四号家)は六角家から独立した某店からさらに独立したお店なんですよ」
本当ですか? その某店ってもう閉店してしまっているし確認しようがない。疑心暗鬼になりながらも、まずは現地でマーコ氏と待ち合わせすることに。すると・・・

四号家の特徴のひとつの大きい暖簾(のれん)がドーン!
暖簾が邪魔をして、店内の様子がまったくうかがえない・・・ん?

マーコ氏が中から出てきた!
どうやら店長に取材の許可をもらってくれたそうだ。ではさっそく、店長に話を伺ってみることにしよう。
聞くところによると、同店は平沼橋をはじめ神奈川県内に3店舗を構えた六角家からの某独立店から独立した店舗なのだそう。

店長の萩原慎一氏。店名の由来は四号沿いにあるから「四号家」だそう
ラーメンを作り続けて28年(2013年現在)の萩原店長は、もともと六角家の某独立店で店長を務めていたが、以前より自分の店をもちたいと思っていたそうで、仲間からの後押しもあり14年前の1999(平成9)年にオープン。

こじんまりしているが、どこか居心地の良い店内
では、同店の味は六角家の味がベースとなっているのだろうか。率直に聞いたところ、その答えは「Yes」。基本的には修業元の店の味を守りつつも、さらに進化させているのだとか。ではその六角家イズムを引き継ぐラーメンを味わってみよう。
ビジュアル面は油分たっぷりでまさに六角家そのものだが・・・あれ? 店内の奥に見えるのは・・・

「丸山製麺」!?
六角家といえば酒井製麺と使用しているが、なぜ丸山製麺を使用しているのだろうか? 萩原店長いわく、「オープンする前にどの麺を使用するかいろいろ試してみた結果、丸山製麺が一番自分のスープとの絡みや麺の太さなど、自分が追い求めるラーメンに合っていた」という。もちろん酒井製麺も試してみたが、仲間たちに試食してもらった結果、この麺(丸山製麺)が一番人気だったので採用したのだそう。
なるほど。ではその六角イズムを引き継ぐそのラーメンの味とは?

どっしり濃厚! ラーメン(650円)
>家系マイスター・マーコ氏
六角家イズムを引き継ぐ、しっかりとした豚骨感およびチー油感を感じられるテイストである。しかしながら、この系統に総じて共通することだが、醤油味がやはり弱い。また、麺は麺自体の主張は強いが、スープとの絡みは弱いので、やはり家系には酒井製麺を望んでしまう
>編集部・千葉
一口食べた途端に「六角家!」と口から出てしまうくらいの六角家そのものの味。チー油の甘味と濃厚とんこつが際立っているので、ボリューム感も良し。ただ、しょう油味が薄いと思うので、注文する際には、味濃いめにしたほうが無難かも。
<今回の採点>ネ タ 度 :☆☆☆★★(星3つ)
既食メニュー:ラーメン(650円)
ちなみに近日中に、“あの”六角家名物・キャベチャー(値段未定)が新しくメニューに登場するらしい! しかも家系初のしょう油と塩の2種類が選べるので、もし機会があれば食べに行ってみてはいかがだろう。

キャベチャー(奥)はしょう油ダレ(左)と塩ダレの2種類から選べるのだそう
取材を終えて
今回は、「介一家」からの独立店である「矢口家・本店」と、消えた店長を探すべく平塚の「矢口家・平塚店」を追いかけてきた。また、六角家からの某独立店からの独立店「四号家」の3店舗の情報をお届けしてきた。
今回の記事では書けなかったが、実は仰天の事実がいろいろ明らかになってきた。今後はさらに深く各店舗を調査し、皆さまにお届けする予定。はたしてどんな店舗が登場するのか!?
なお、次週はお休みし、その次の週(11月19日)から今まで食べてきた家系ラーメンのランキングを随時更新していく。はたしてその結果やいかに!? こうご期待!!
―次回に続く―
次回の更新日は11月16日を予定しています。お楽しみに!
<取材協力>
神奈川のラーメンを盛り上げよう!会
http://kanagawa-ramen.net/
マーコの辛口ラーメンチェック
http://ma-ko64.com/