家系だけでなく、あっさりした鶏ガラ醤油ラーメンも魅力的な「ラーメン本舗」と超コッテリ家系ラーメンもある「戦極無双」の2店舗をご紹介
「家系ラーメンをレポートしてくれませんかねえ」と編集部・宇都宮から依頼が来た時、断ろうと思った。
家系ラーメンは未だかつて食したことがなく、興味があるのだけど、編集部・宇都宮がチャラい感じだったし、それ以上にマーコさんって誰? ラーメンコンサルタントって・・・うさん臭すぎる。
「よーし、こうなったら煙に巻こう、沈黙で」と決めたその夜、なぜか突然高熱が出て、怖くなったので行くことにした。
横浜市営地下鉄上永谷駅のラーメン街道から

ここです

環状2号線・通称ラーメン街道をゆく

編集部・宇都宮はズボンを腰で履いてる
横浜市営地下鉄上永谷駅より徒歩約20分。地図上で見ると下永谷駅の方が近いが、この日はなぜか上永谷駅から歩いた。台風接近に伴う強風で、そろそろ飛ばされるんじゃないかと思えてきたころに1軒目のお店「ラーメン本舗。」が見えてきた。

じゃん
何故こちらのお店に伺うことになったかと言いますと・・・

宇都宮が、ラーメンコンサルタント・マーコ氏とおぼしき天の声を聞いたから
とのこと。なんだそれ。
そんな安い設定はさておき、今回は家系ラーメンと、それ以外の看板ラーメンを推している2店へ伺うことにしたんだそう。「家系を食べたことない山崎さんにはあ、味が比較できていいかと思ってえ」と宇都宮、ちゃらちゃら。

で、不信感
宇都宮がチャラくてマーコ氏がアレでも、きっと素敵なラーメンに出会えるはず。期待を胸に、暖簾をくぐってお邪魔しますー。

おおう
長細い店内には、ぐるっとL字型のカウンター席が約18席。暗めの赤がかっこよい。
「ラーメン本舗。」についてのお話を伺ったのは、代表の

鈴木夫妻
とっても仲良しでうらやましくなるご夫婦だった。では早速同店の歴史について。
「ラーメン本舗。」がこちらにオープンしたのは15年前の2000(平成12)年11月。
「その前は戸塚区平戸で味道楽って名前で奥さんと二人でやってたんだよ。でも、いろいろあって場所を移すことになっちゃって。元々渋谷で中華料理屋をやってたんで都内で場所を探してたんだけど、知り合いのツテでこの場所を借りられたからさ。名前もラーメン本舗。に変えて始めた。味道楽だとお客さんたちはラーメン屋って感じがしないみたいで、回鍋肉とか頼まれちゃったから、ちょうどよかったよ」とのこと。

ふむふむ
焼けた肌と金のネックレスがダンディなご主人は、お話にもあった通り、20年前は渋谷で中華料理店をやられていたそう。ラーメンの道に入ったきっかけは、中華料理店の従業員に「ラーメンは儲かりますよ」と誘われたこと。その方に作り方を教わり、ご自分のラーメン店を出した。
家系ラーメンにした理由は「最初は家系ラーメンっていう認識はなかった。たまたま豚骨しょうゆのスープが出来てたから」とのこと。その後、別の家系ラーメン店で実食し、ノリやホウレンソウといった家系ならではのトッピングを知り、ご自分のラーメンに取り入れた。
「でも現実は甘くなかったね」と笑う鈴木さん。ご自分の思うラーメンを作るために、いろいろ試行錯誤を重ね、精神的に追い詰められたこともあったそう。昔を語られるご主人と、そばで聞いている奥様を見ていると、苦しい時を二人で乗り越えられたのだなあとしみじみ感じた。
そんな鈴木さんご夫婦の、丹精込めたラーメンを、謹んでいただきました。

メニュー豊富
豚骨スープベースのメニューは、醤油や塩、みそ、坦々と、かなりバリエーションがある。いろいろキニナったが、やはり基本の熟成醤油を選んだ。

丸鶏のほうも
いただく。醤油と塩の2種類から選べる。今回はあっさり醤油(680円)をいただくことに。奥様的におすすめなのは「うら塩(680円)」で、なんでも元々裏メニューだったが口コミで人気が広がり、今では定番メニューに君臨したのだとか。

熱々のスープに冷やした麺を入れた、麺クールなるものも
こちらはお子様や熱いものが苦手な方、汗をかきたくない方におススメで、とっても食べやすいラーメンなんですって。

お!!
取り立てて話すこともなく、宇都宮宅の家電は電気ケトルしかないという話をぼんやりしていると、冷め切った空気を暖めてくれそうなあっさり醤油ラーメンがきた。

こういう感じ大好きだ
透き通ったスープに、チャーシュー、メンマ、モヤシ、海苔、ホウレンソウ、ネギが添えられた、とってもシンプルな一品。

ん!!
最初のスープを飲む直前に、醤油と鶏ダシのよい香りを感じた。一口いただいて、笑っちゃった。おいしい。鶏の臭みが全くないのに、きちんとダシが出ていて、醤油は少しだけ強め、というか、味がはっきりしている。山崎の好きな醤油味だった。今まで醤油ラーメンは「スーパーのフードコートのやつが一番おいしい」という感想を持っていたのだが、この日考え方が変わった。
マーコ氏も宇都宮もこのラーメンには夢中になっており「こっちをメインメニューにした方が良いのでは」と言っていた。

大変おいしゅうございました
完食後もマーコ氏はスープだけ飲み続けていたとさ。

そしていよいよ熟成醤油ラーメン(680円)とご対面

ほほわあ

先ほどのあっさり醤油と並べてみた。「違いが分かるかい?」とマーコ氏
はあ、普通に分かりますけど・・・
見るからにこってりしてそうな豚骨醤油(画像右)。普段めったに豚骨ラーメンを食べない山崎は、この出で立ちで結構躊躇(ちゅうちょ)してしまう。トッピングは海苔2枚とチャーシュー、ネギ、それから「家系には珍しい」モヤシ。

いただきます
ん!! すごく濃厚だけど、全然脂っこくない。豚の臭みもあまり感じないし、普段食べ慣れていなくてもおいしくいただける。
この臭みがなく、脂っこくないところが、社長の鈴木さんのこだわりなんだとか。「俺自身、豚骨の臭みと油ってあんまり好きじゃないのよ。俺は中華料理出身だから、臭みを消して美味しい部分だけ残す、っていうやり方を学んできたからさ。余計な脂も一切使ってないしね」とのこと。
また、豚骨と鶏ガラをブレンドするラーメン店もあるそうだが、こちらでは豚骨のみ使用している。

マーコ氏はこの顔。「骨髄の感じがすごい!!」
一口食べるなり「濃厚! すごい(骨)髄(ずい)感!!」と叫んだマーコ氏。「油を使っていないのに濃厚なドスンっとくる濃度は、もはや家系の枠を超えまくった超ド豚骨レベルで、言ってみれば家系の無鉄砲(※編集部注:京都に本店のある超濃厚な豚骨ラーメン店)バージョンと言えよう」と後ほどコメントしてくれました。割と短くてびっくり。

セットでしか頼めないという、人気のチャーハン(ランチ時100円)もおいしかった
初家系、どんなものかと緊張したが「ラーメン本舗。」でなんかがんばれそうな気持になった。どうもありがとうございました。
京急子安駅の戦極無双へ

で
2軒目は京急子安駅から徒歩約7分の「戦極無双」へ。

ここー!

店の前は通ったことあったなあ

店内はカウンターに8席
「ラーメン業界に入る前はフリーターだったんですよ」と伏し目がちにお話くださったのは・・・

ご店主の平田純一(ひらた・じゅんいち)さん

そしてかわいすぎる息子さん
かつてはフリーターだったという平田さん。「なんとかしないと」と思い、大好きだったラーメン店をやろうと心を決め、ラーメン業界に入った。
「天下一品が大好きで、ラーメン屋をやりたいと思いました」という、天下一品の大ファン。が、ラーメンの技術は現在は閉店してしまった豚骨ラーメン店の「ラーメン戦国」で学んだのだそう。
「戦国は家系ではないのですが、一緒に働いている人が家系の人が多かったため、いろいろ教えてもらいました。そうして自分で試行錯誤して家系ラーメン店をはじめたんです」とのこと。11年の修行の後「ラーメン戦国」から名前の一部をついだ「戦極無双」をオープンさせたのは3年前。

平田さんは伏し目がちに語る
この場所に来られたのは「別のラーメン屋がやっていたお店を居抜きで借りられた上に、家賃が安かったんで」という、現実的な理由から。客層は平日の昼は職人さん、夜はサラリーマン、土日はご家族連れが多いのだそう。
そんな、天使のような息子さんの父親である平田さん渾身のラーメンの数々、さっそく紹介していきましょう。

手際がよい
まず最初にいただいたのは、家系でない「煮干しとんこつラーメン(650円)」。

こちら

豚骨スープに煮干しの粉末を加えている
「お客さんが来にくい立地のため、メニューの種類を増やそうと思って」考案したそう。普通の豚骨が苦手な方や、変わった豚骨を求めている方にはうれしい。

トッピングはチャーシューと海苔、メンマ、ホウレンソウ
味はと言うと、煮干しがすごい煮干しが、こう、煮干しが・・・・煮干しの香りが強くて、豚骨と喧嘩してしまっている、というか、お互いの生臭さを助け合っている。これ好きな人は相当好きそうだし、癖になりそうだけど、山崎にはイマイチでした。でもチャーシューは美味しかった。

チャーシューはその都度あぶっている
次はメインメニューの醤油とんこつラーメン(650円)。

こちら

ん?

トッピングは海苔とチャーシュー、ネギ、ホウレンソウ、ウズラの卵
このウズラの卵は、平田さんがこの店を立ち上げる前にアルバイトをしていたお店でアイデアを得たのだとか。
味は、ラーメン本舗。よりも、醤油感が強い感じ。油っこくはあるが、臭みが少ないのに驚いた。「私自身、豚骨の癖が苦手なので、生骨を一度ボイルし血抜きしてから使っています。毎日来る常連さんもいらっしゃるので、飽きのこないラーメンを心掛けています」とのこと。
確かに、いただくほどに箸が進んで、これは癖になりそう。

マーコ氏もなんだか感心しているよう

豆板醤をちょこっと載せて

海苔でくるんで食べてもおいしかった
マーコ氏の醤油とんこつに対するコメントは「全体のバランス感はあるが、逆を言えば何か突出したものがなく中途半端感は否めない一杯。しかしながら全体的に潜在能力を感じさせるラーメンだったことも確かなため、振り切るところを振り切る勝負に出た一杯を望む」と、なんだかやんわりしていた。
それからこってりラーメンで有名な天下一品ファンの平田さんが編み出した、ドロ系こってりラーメン(700円)もいただいた。

白い

見るからにこってり
トッピングは醤油とんこつと同じ。臭みがなく食べやすくはあるのだが、とにかくこってり。ラーメンと言うよりはカルボナーラに近い食感。これにはマーコ氏も「確かに、天下一品の家系バージョンだ!」と驚いていた。

このドロっと感が
食べているとなんだかエロい気分になってくる一品。得意ではないけど、年に何回かは食べに来たくなりそう。ちなみに、どろっとぬらぬらさせる秘訣は「企業秘密」とのことだが「野菜とか、いろいろ使ってます」とちょっとだけ教えてくださった。平田さん良い方。

奥様が考案した焦がしニンニク胡麻ラーメン(700円)もいただいた

見た目から
黒々もたっとして、むんむんしてそうな変り種ラーメン。これは・・・ほんっとにセクシーなラーメンだった。「濃厚な豚骨だけでもちょっと悪い事してる気分なのに、その上焦げたニンニクもなんて・・・もう引き返せない、私も共犯!」って感じ。
ニンニクとゴマの風味がこうばしく、ひたすらギンギンになれるであろう焦がしにんにくゴマラーメン。これを考案したのが奥様、というのに、少し頬を赤らめてしまった次第であります。

チャラい宇都宮はやはり食いつく
セクシーかつ個性的なメニューが豊富な「戦極無双」。背徳感に恍惚としたいときは電車を乗り継いで行ってしまいそう。どうもありがとうございました。
初めてにして2軒も家系ラーメンをハシゴした今回の取材。途中で動けなくなるかなあ、と思っていたけど、意外といけた。豚骨はちょっと・・・と思っている女性も、一度食べてみたらまた行きたくなること間違いなし。これを書いている山崎も、今夜は家系ラーメン食べようと決めている。
取材を終えて
いずれ回ってくると思っていたこの企画。マーコ氏とは「丸鶏醤油ラーメンが本当においしい」という話で意気投合し、最後の方少し打ち解けられ、仕事について「あきらめずに頑張っていれば、いつかうまくいく」というアドバイスをもらったりした。
―全店制覇まで残り35店舗―
※上記軒数は現段階で調査できた店舗数となります。開店・閉店・発見により軒数が変動する場合があります。

2015(平成27)年7月24日時点の家系家系図<クリックして拡大>
―続く―
ラーメン本舗。
所在地/横浜市港南区下永谷5-1-32
電話/045-827-1715
営業時間/11:00~24:00
定休日/水曜日
戦極無双
所在地/横浜市神奈川区七島町127
電話/045-439-7891
営業時間/11:30~22:00(15:00~17:00は営業外)
定休日/水曜日