濃厚な豚骨醤油が魅力の弘明寺「琉二家」とこってり鶏スープが新鮮な東戸塚「豚鶏大将」が登場!
どんぶりの中にスープと麺が入っていて、上には少々の具材が乗っている。
ただそれだけの料理なのに、ラーメンほどさまざまな種類と顔を見せる食べ物はないと常々思っていた。年々新しい組み合わせやジャンルができ、ラーメンの可能性は尽きないんじゃないかとかなり真剣に思う。
昼夜問わず「何食べたい?」と聞かれれば「ラーメン」と答える、それくらいラーメンが大好きだ。

夜景が見えるレストランよりラーメンがいい
家系ラーメンも、もちろん大好きだ。一番最初に食べた家系が、なんだかスープがやたら粉っぽくてざらざらしていて「家系は合わないな」なんて思っていた時期もあった。その誤解も幸いなことにすでに解けている。つまり今では家系ラーメンが大好き。
会社帰りに駅前にあるというだけの理由で「壱角家」に行きがちだが、どちらかといえば「町田家」が好み。でもそんなに食べ歩いているわけじゃないので、今のところはという感じだが。
そんなことを言っていたら、編集部・宇都宮から「じゃあ家系やりましょう、家系!」という声がかかってしまった。
好きなだけで全然詳しくはないんだけど・・・と一抹の不安を抱えながら、それでも食べたことのないお店のラーメンが食べられるという誘惑には勝てず、思わず首を縦に振ってしまったわけでございます。
今回は「鶏」と「豚」に特化したラーメンをテーマに、マーコさんも「濃厚豚骨!」と絶賛する弘明寺の家系ラーメン店と「鶏ベースのスープ」という家系には珍しい新店をご紹介。
本日の一軒目は弘明寺の「琉二家」
桜の名所としても近年にぎわいを見せる弘明寺の商店街の一角に、今回取材にお邪魔させていただく「琉二家(りゅうじや)」がある。

市営地下鉄弘明寺駅下車

商店街を直進し

観音橋手前右手にある、赤い看板のお店だ

大岡川を目指して歩こう

ラーメンコンサルタントのマーコ氏とは初対面
筆者、ラーメンコンサルタントという肩書の方にお会いするのは初めて。とても気さくな方でほっと一安心。

それでは、いざ入店!

カウンターに立つのは店長の木挽竜二(こびき・りゅうじ)さん
「琉二家」という店舗名は自分の名前から取っているが、漢字は変えている。
「琉二家」のオープンは2011(平成23)年6月。なぜ弘明寺商店街に出店したのかを伺ってみると「活気がある商店街で、昔から知ってる場所だったんです」というお答えが返ってきた。
出店を考えていた際、たまたま今の場所に空きがあったといい、タイミングが良かったのだという。
木挽店長は現在は藤沢を中心に6店舗を展開する「壱系」の人気店、松壱家がまだ1店舗しかなかったころから修行をし、松壱家本店で9年、その後戸塚店の店長を3年ほど勤めた後に独立した。

木挽店長、ラーメン屋さんになる前は寿司職人だった
「なぜお寿司屋さんから家系のラーメン屋さんに転向しようと思ったんですか?」と伺うと「もともと家系ラーメンが好きだった」という答えが返ってきた。
理由はそれだけではない。寿司職人だったころ、お寿司を握りながら「このお寿司1貫と同じくらいの金額で、ラーメンはお腹いっぱいになるのか」と思ったのだそうだ。そして「それはすごいと思ったんです」と木挽店長。
「たしかにラーメンって1杯で満腹感が得られますよね。ほかの麺類はおいしいけど、満腹感はそうでもないですし」とマーコ氏。
そう言われればさっぱり系のおそばやうどんとは違い、ラーメン、特に家系のガッツリ系は1杯で満足できてしまう。ラーメンって素敵だなぁ、とあらためて思った次第。
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入口を入ってすぐ右手に券売機が置かれている
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色分けされたメニューの数々
「種類が多いから減らそうかとも思ってるんですが・・・」と店長。どのメニューもおいしそう。ちなみに一番上の「特琉二家(930円)」はチャーシュー2枚、のり2枚、煮玉子1個増しのことだ。

平日ランチタイムはライス(小)サービス
おかわりが1杯まで無料というのが嬉しい!
ちなみに琉二家、家族連れも多く来店している。

お子様向けの紙エプロンが券売機の上に置かれている

さらにお子様限定のお菓子のサービスまで!
カウンター席のみではなく、テーブル席も用意されているし、子ども用の椅子が用意されているところなんかも、ファミリーが利用しやすい点なのかもしれない。

終電近い午前0時ごろまでお客さんがいるそうだ

人気店のあかしを発見
琉二家さんには、評価が高く限られた店舗にしか配布されないという食べログの「話題のお店」シールが貼られていた。

さっそくラーメンを作っていただく
「うちのスープは豚骨の血抜きに時間をかけて下処理をしているので、豚100%でも豚骨臭くないんです。だから女性も食べやすいし、お客さんには年輩の方も多いんです」と木挽店長は言う。来店されるお客さんの3割ほどが年輩の方ということからも、その食べやすさがうかがえる。
というわけでいよいよ実食タイム!

これが木挽店長がおススメする、一番人気の醤油ラーメン(730円)だ
ふわりと食欲を誘うスープの香りが漂う。お、おいしそう・・・。もう、この時点で絶対おいしい(確信)。

早速いただきまーす!
木挽店長の言うとおり、豚100%でありながらスープには全然臭みがない! ほどよい豚骨の風味が口の中に広がるだけでなく醤油感もあるタレ。太めの麺に適度にからんでくる。和歌山の製麺所から卸される麺もプリプリ感がたまらない! 箸がどんどん進む。乗っている具材も、大きなチャーシュー、そしてたっぷりのメンマとホウレン草がうれしい。

マーコ氏、麺をすする

「こ、これは・・・!」

「このラーメン相当戦闘力高い(編集注:戦闘力=旨さ、つまり相当美味しいということ)っすね!」
テンションが一気に上がるマーコ氏。

「美味しい」
ラーメンの味に思わず真顔の編集部・宇都宮。
どんぶりは黒。色にこだわったのではなく、どんぶりを探している際にこの器が最もスープが冷めにくかったので選んだという。
「乳化しているスープは沸点が低いんで、ぬるく感じちゃうんですよ。だから少しでも温度を保ちたくて」というのが琉二家のこだわりだ。
開店当時はもう少しクリーミーなスープだったが、少しずつ改良されて今の味になった。
「豚骨醤油だけじゃなく、うちは豚骨の塩やみそもやってるんですよ」と木挽店長はいう。
先述したとおり琉二家の券売機には多数のメニューが用意されているので、その日の気分に合わせた一杯を選べるのも嬉しかった。
【琉二家/ラーメン感想】
単にボディブロー感(編集注:どっしりとした重み、濃厚さ)だけがあるスープではなく、スープ濃度に負けないしっかりとした醤油感があり、これぞ豚骨醤油状態。さらに麺自体もモチモチとした食感がたまらなく、オープン当初の戦闘力よりさらにスカウターを反応させた(編集注:スカウターとは戦闘力を図る機械。スカウターが反応すればするほどおいしい。つまり、オープン当初よりさらにおいしくなったという意味)一杯であった(マーコ氏)
醤油感があって、癖のないクリーミーなスープ。しつこくなくて、途中で飽きのこない美味しさ。女性やご年配のお客さんも多いというのが頷ける食べやすさだった。
スープのみならず、麺が美味しくて、食べている間は思わず無言になってラーメンに集中してしまいました(すがた)
続いては、東戸塚の新店「麺家 鶏豚大将」
2015(平成27)年8月10日にオープンしたばかりの新店「鶏豚大将(とりぶたたいしょう)」は東戸塚の駅から徒歩で3分ほどの立地にある。

駅近く、大きな道路に面した好立地

JR東戸塚駅東口からお店を目指して歩く

襟足をいじりながら歩くマーコ氏
しばらく歩くと目的のお店へ到着する。赤い看板が目を引く。

2015(平成27)年8月10日オープン

メニューは豚と鳥の2種類! どっちもおいしそう
鶏豚大将は1号店が東京都中野区にあり、ここ東戸塚は2号店となる。白を基調とした店内で、男性のみならず女性も一人でも入りやすい。東戸塚に出店したのは、オーナー会社が東戸塚にある兼ね合いもあるという。

店長の横田晃一(よこた・こういち)さん
「鶏豚大将」という店名について伺うと「なるべくダサイ名前にしようと思ったんです。覚えやすいし、ひと目でどんな店かわかるように」と横田店長。
吉村家の直系である藤沢市のまつり家さんで1年強修行し、その後日の出ラーメンに6年ほど勤務、本部長まで勤めた。
鶏ベースの家系ラーメン店をやろうと思ったきっかけは、1号店のある中野がラーメン激戦区で、普通の豚骨醤油をやっても目立たないので何か新しい物をやりたいと思ったから。

清潔感のある店内
席はカウンターのみで8席。お客さんの8割は男性で昼間は近隣にお勤めの方でにぎわう。

昼は午後1時30分ごろまで、夜は午後9時くらいから2時間ほどは混雑する
平日は中休みがあるので来店の際はご注意を。

豚骨以上に濃厚な鶏スープが自慢
豚骨ベースが主流の家系ラーメンだが、こちらでは豚骨ベースのほかに、鶏ベースのラーメンも提供しているのがウリだ。1日に170~180食は出るという。

「その日の気分でお好きな方を食べてほしい」と店長
「鶏っていうと、みなさんさっぱり目の鶏塩ラーメンとかをイメージされるんですけど、うちのラーメンは鶏の方が豚骨よりも濃厚なんですよ」と横田店長は語る。女性やご年輩の方があっさり系だと思って注文されて、首を傾げられることもあったのだとか。

鶏、豚ともに醤油と塩が選べる

驚きのライス40円!!
ライスに合わせた値段設定なので、チャーシュー丼(160円)もこの値段なのだそう。
チャーシュー丼に乗せるチャーシューの種類は基本的に頼んだラーメンに合わせている。ただ、お好みで鶏と豚のどちらかを選べる。チャーシューも鶏と豚それぞれが用意するという点にこだわりを感じた。
マーコ氏も「ライスの値段が安い! 横浜最安なんじゃない?」としきりに繰り返していた。家系ラーメンにはライスがよく合うのは周知の事実でもあるので、これはかなり嬉しいポイントだ。
ラーメンを作る行程を拝見!

麺は大橋製麺の中太麺を使用

豚と鶏でどんぶりを色分けしている
赤が鶏、黒が豚だ。器の色を変えることによって、オペレーションミスを防ぐという意味も兼ねている。かえし(スープを割る前のタレ)は鶏と豚の2種類、レシピはほぼ一緒だという。

麺投入! 確かにここまでは見分けがつかない

盛りつけて完成!

赤いどんぶりが鶏醤油、黒いどんぶりが豚醤油

一番人気の鶏醤油ラーメン(680円)はお客さんの8割が注文する人気メニュー
鶏らーめんには鹿児島県の「南国元気鶏」という鶏を使用している。

「うわっ、このスープ濃厚!」とマーコ氏

ドロッとした濃厚スープ
スープのトロミは「もみじ(鶏足)」から出ているのだという。クリーミーで、まるでポタージュのようだ。他店との違いを出しているというスープは甘味とパンチが効いており、鶏の深い味わいが楽しめる。

鶏らーめんには鶏のチャーシュー! 肉厚!
肉厚だが柔らかいチャーシューは、チャーシュートッピング(250円)にするとさらに4枚追加される。通常は頼んだラーメンの種類に応じたチャーシューが乗せられるが、希望すれば豚か鶏、好きな方を選べるということだった。
鶏豚大将の鶏らーめん、とにかく鶏の味がじっくりと引き出されているので、鶏好きな方には一度試していただきたい逸品。ほどよい醤油感も楽しめて、甘めなスープはほかでは味わえない。

こちらは豚醤油ラーメン(680円)
鶏醤油とチャーシューの形くらいしか見た目では変わらない。

一口食べてみるとその差は歴然だった
食べる前までは鶏と豚でどれほどの差があるのだろうと思っていたが全く別物だった。
豚骨らーめんは豚骨臭さはなく、鶏同様に甘みが先行するタイプ。醤油感もしっかりある。モッチリ感のある中太の麺とのバランスもいい。甘めのスープがお好みの方にはたまらないと思う。

こちらのチャーシューは豚
具材は鶏らーめんと同じでチャーシュー、海苔、ホウレン草、ネギ。

ちょい足し調味料も充実している

行者ニンニクやガーリックチップが人気だという。
鶏豚大将のラーメンの人気は鶏醤油、鶏塩、豚醤油の順番だが、実は東戸塚店限定メニューとして担々麺もオススメだと横田店長が教えてくれた。練りごまベースのドロッとした担々麺は、ごまの風味がメインでお子さんでも食べられる辛さなのだとか。
次回はぜひそちらも試してみたい。
・・・でもやっぱり鶏らーめんを頼んでしまうかも。

お店の前には車が2台駐車できるスペースも
【鶏豚大将/ラーメン感想】
「えっ? こんなに違うの?」と声を発してしまうほど、鶏と豚では全然別物のスープ。
特に鶏スープは鶏特有のとろみがあるため“ほかでは食べられない感”のあるスープだった。ただ、多少の甘みはフック(編集注:この場合は、刺激、アクセントという意味)になるが甘みが強すぎるので、こちらを改善することで戦闘力はかなり上がると分析する。(マーコ氏)
衝撃の鶏らーめんは、とにかく鶏の風味と旨さが濃厚! 長時間煮詰めた鶏鍋のスープを連想させるような鶏感がすごかった。このお店でしか食べられないお味ではないかと思う。ちょっと甘めでコラーゲンもたっぷりなので、そういった意味では女子が好きかも。(すがた)
取材を終えて
ラーメンは美味しい。そして奥深い。
同じ「家系」というジャンルでも、お店によってこんなにも違いがあるのかと驚かされた。
特に鶏を使った「鶏らーめん」は初めて食べた味だったし、琉二家のラーメンもまた食べたいと思うおいしさだった。
願わくば「家系はこってりしすぎていてちょっと」という人たちにも、家系でもいろんな味があるんだよって知ってもらえたらいいな、と思った。
―全店制覇まで残り29店舗―
※上記軒数は現段階で調査できた店舗数となります。開店・閉店・発見により軒数が変動する場合があります。

2015(平成27)年9月4日時点の家系家系図<クリックして拡大>
―続く―
取材協力
ラーメン 琉二家
神奈川県横浜市南区大橋町3-66
電話/045-512-1649
営業時間/月曜~土曜 11:30~15:00、18:00~24:00
定休日/日曜
麺家 鶏豚大将 横浜東戸塚店
神奈川県横浜市戸塚区品濃町538-8
電話/なし
営業時間/[月~土・祝]11:00~16:00・17:00~翌1:00、日11:00~22:00
定休日/なし