「家系ラーメン全店制覇への道」 今回お送りするのは、一風変わったラーメンを食べることができる「半蔵」「味王」「三國家 南本宿店」の3店舗を一挙お届け!!
横浜市内の「家系ラーメン」店を全店調査するという無謀とも呼べるこの企画。前回は横浜市内で極太麺を扱う家系ラーメン店を3店舗紹介してきた。

食いごたえ抜群の極太麺!(写真:せんだい)
春の日差しが温かくなり始めたころ、家系プロジェクト本部(以下:本部)ではポカポカ日差しの中、やる気のない姿がちらほら。「なんだか取材に行きたくないですねー」「たまには抜け出して、大岡川のほとりでひなたぼっこしましょうよ」。そんな言葉が室内を飛び交っている。
そんな腑抜けた最中、マーコ氏がまたもや突然の訪問。
マーコ氏「皆さん、今回のネタなんですが―――」
本部内を見渡し、ゴクリと息を飲む。いったいこれはなんなんだ?
夢か? 幻か? それとも俺はチー油を飲みすぎたのか!? マーコ氏は自問自答する。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!」

本部のやる気の無さにマーコ氏の堪忍袋の緒が切れた!?
突如叫びながら、まるで大猿よろしく暴れ出すマーコ氏。その反面、なにが起きたのか分からずぽかーんとする、本部一同。そんな空気を察したのか、千葉がマーコ氏に声をかける。
「マーコさん、今日はちょっと変わったラーメンを提供する家系ラーメン店を知りたいんです。どこか連れていってもらえませんか?」この一言で、一気に笑顔となるマーコ氏。どうやら気になる店舗が3店舗ほどあるらしいので、今回はそのテーマに絞った3店舗を調査したいと思う。はてさてどうなることやら。
家系なのにあっさりしょう油ラーメン!? 阪東橋「味王」
最初に訪れたのは、横浜市営地下鉄ブルーライン阪東橋より徒歩7分という立地に位置する「味王」。名前だけ聞くと、某マンガ「ミ〇ター味っ子」に出てくる登場人物のイメージしか思い浮かばない・・・。
なんだか足取りが重い編集部・千葉をマーコ氏が叱咤激励しながら現地へ到着。

マーコさん、パワハラはいけませんよ
話を伺ったのは中国福建省出身の趙丹偉(ちょうたんい)店長。1992(平成4)年に留学のため来日。学業の傍ら、都内の大勝軒中野店で7年ほど修業したのち、横須賀の某家系ラーメン店などで修業を重ねる。

好きな家系ラーメン店は「六角家」と趙店長
某家系ラーメン店で働いていた際に、家系ラーメンの美味さに魅了された趙店長は、そのまま日本に帰化し、2012(平成22)年10月22日に同店をオープン。この地はもともと六角家の独立店でもある一神家(現在閉店)だったが、閉店したため、丁度物件を探していた趙店長の目に止まり、そのまま契約となったそうだ。

店内には一神家の面影が残されていた
使用している麺は「増田製麺」の中太麺と細麺の2種類。中太麺は「とんこつラーメン」、細麺は「あっさりしょう油ラーメン」に使用しているそうで、マーコ氏いわく「家系ラーメン店であっさりしたしょう油ラーメンを提供しているのはほぼ見たことがないそう」。
ちなみに増田製麺を利用している理由として、店主が横須賀の某家系ラーメン店で修業していた際に、よくしてくれたのが増田製麺だったためにそのまま利用しているのだとか。

増田製麺の中太麺。長さは短めなのが特徴

麺上げするときに目も険しくなり、職人の目つきとなる
では「あっさりしょう油ラーメン」をさっそくいただいてみることに。まず、レンゲでスープを口にふくんでみたところ、あっさりしょう油味の中に魚粉の味わいがふわっと広がる。麺はツルツルしこしこで、スープにしっかり絡んでくれるためうま味は十分。

あっさりしょう油ラーメン(600円)
このラーメンだけでも普通のラーメン店と比較してレベルが高いほうだと思うが、では通常のラーメンの味はどうなのだろう?

そしてこれが通常のしょうゆとんこつラーメン(600円)

増田製麺の中太麺は他ブランドの製麺所の麺より太め!
まずはスープから飲んでみたが、見た目の油っぽさとは裏腹、とんこつ・しょう油・チー油の3つのバランスが非常によいことに衝撃を隠せない。麺との絡みもばっちりで、食べごたえのある中太麺はこのスープを最大限に引き出しているように思える。
それでは、はたしてマーコ氏の舌をうならせることはできたのだろうか?

両ラーメンを前にしてご機嫌の様子。売れないコメディアンみたい
>家系マイスター・マーコ氏
“とりあえず作りました”的な一杯ではなく、和風テイストがしっかり出ており、そのほかのカエシや油感のバランスもよく、何気にレベルが高い。また、スタンダードの家系も濃厚感としょう油感が共存した、これまたレベルの高い一杯に仕上がっている
>編集部・千葉
取材前は正直期待していなかったが、実際食べてみて反省。あっさりラーメンの美味さもさることながら、通常のラーメンにも注目! 味のトータルバランス感は家系ラーメンの中でもトップクラスかも。
既食メニュー:ラーメン(600円)
ネタ度:★★★☆☆(星3つ)
モツと家系ラーメンの絶妙なハーモニー!「半蔵 東戸塚本店」
次に向かったのはJR東海道本線東戸塚駅から徒歩4分ほどになる「半蔵 東戸塚本店」。
同店は以前掲載した、神奈川県横浜を中心に外食店を展開する株式会社エイトが運営する「壱八家」の姉妹店でもある。
マーコ氏によると、お酒に合うような家系ラーメンを食べることができるとのことだが、はたしてどんなラーメンが食べられるのだろうか。

半蔵といえば・・・忍者!?
話を伺ったのは店長の林 賢敏(りんけんびん)さん。
同店をオープンしたのは2004(平成16)年。壱八家の2号店として東戸塚にて業務を開始する際に、当時店長だった方の名前をもじって「半蔵」という店名になったそうだ。

林店長。ランチタイム中なのにもかかわらず、笑顔で対応してくれた
同店の特徴といえば、「壱八家」の血を受け継ぐかのような、濃厚でクリーミーなスープ。これは特注の特製バーナーを使用し、強力な火力によって作られた「壱八家」系列の秘伝のものだ。

こうして門外不出のクリーミーなスープができあがる

使用している麺は、壱八家と同じく長多屋製麺
その後、大船(現在閉店)と大和に支店を立ち上げ、「とんこつしょう油ラーメン」をメインとして上で、壱八家とは少し異なったメニューを提供しているのだという。マーコ氏いわく、「これですよ、これ」と指差してくれたのがこのメニュー。

「家系もつラーメン」!?
林店長によると、精肉店から新鮮なモツをおろしたものを、小麦粉で洗って臭みをとり、丁寧に処理したものを使用。モツの一度の仕入れは最大5kgのため、一度に提供できるのは20名まで。あぶらがたっぷりのって、トロけるようなモツはラーメンにも酒のツマミにもぴったり。

これが一日20食限定の「家系もつラーメン(850円)」だ!
実はこのメニューは、同社が運営する馬車道の居酒屋店「縁日(えんにち)」とのコラボ料理。縁日での名物料理である「モツ炒め」を使用し、半蔵の家系ラーメンにあわせた夢のラーメンなのだとか。

口の中でとろりとトロけるもつがたまらない
「家系もつラーメン」にはもつ以外にフライドガーリックとうま辛キムチがはいっており、なんだかスタミナがつきそう。

「モツでお肌もきれいになっちゃうわよ」・・・口調がお姉系になってきた
>家系マイスター・マーコ氏
一見、ネタ先行型メニューに見えるが、実に上の食材のレベルが高くそして、ニラやフライドガーリックが土台となる家系スープとしっかりフュージョンするのだ。そのため、ネタ力と商品力が比例し、且つ新たな味の発見とも言える
>編集部・千葉
もつと家系ラーメンがこんなに合うとは思わなかった。なかなかイケますよ、この「家系もつラーメン」。個人的にはこのもつでビールが飲みたい。
既食メニュー:家系もつラーメン(850円)
ネタ度:★★☆☆☆(星2つ)
ラーメン二郎も顔負け!? ボリューム満点「三國家 南本宿店」
最後に訪れたのは、相鉄本線二俣川駅より徒歩13分ほどに位置する「三國家 南本宿店」。
マーコ氏の情報によると、三國家の本店とは実は中山にある「中山道場」という家系ラーメン店なのだが、現在ビルの立て直しのために1年間休店中なのだという。

黄色と黒が目印の「三國家 南本宿店」
そこで、2号店である同店が、現在本店として機能しているとのことなので、詳しく話を伺ってみることにしよう。

店主の蒲田勇(かまたいさむ)さん
同店の母体は株式会社GOODUP(グッドアップ)で、代表取締役は河田勇太氏。
もともと同社は壱八家のフランチャイズ店として、「壱國家」という店名で2003(平成13)年10月、中山にオープン。その4ヶ月後の2004(平成14)年2月に南本宿店が立てつづけにオープンし、その後も伊勢佐木町点など、着々と店舗を増やしていく。
だが、2009(平成19)年にフランチャイズの契約が切れたことから、「壱國家」という店舗名から「三國家」に変更。なぜこの名称にしたかというと、最初は“壱”に続いて「弐國家」にしようかと思ったが、なんだかしっくりこないので、現在の名称に落ち着いたという。

スープを何度も丁寧に確認していた
使用麺は丸山製麺の中太ストレート麺を使用。だが、今回のちょっと変わったラーメンは製麺所が一緒だが、特別に違う麺を使用しているとのこと。

これが丸山製麺の特注麺。麺の量は加水前で320g!!

ちなみにこちらが通常の麺(160g)
量といい、ボリュームだけでも驚きなのに、はたしてどんな変わったラーメンがでてくるのだろう?待つこと約7~8分ほどで出てきた驚愕のラーメンはこちら!!

どーーん!! 同店名物「MEGAラーメン」(850円)

お分かりいただけただろうか? スマートフォンと比較するとこうなる
見た目はまるで、二郎インスパイア系(二郎の味と独特のシステムをならったラーメン店)そのものだが、はたしてそのお味はどうなのだろうか?
まずは箸で麺を持ち上げてみると・・・

ずっしりと重い! 麺だけでも大迫力
麺をすすってみると、ほどよい柔らかさの麺に家系ラーメン独特のスープが絡み、美味さは抜群! 見た目は二郎、しかし味は家系ラーメン。野菜の甘味に負けないよう、スープのしょう油感を少し前面に出しているのだが、とんこつとチー油とのバランス感がうまい具合に整っており、店主のセンスを感じさせる。
この値段でこのボリューム、そしてこのお味は家系ラーメン好きでも、ジロリアン(ラーメン二郎の熱狂的ファン)でも満足できる一杯だ。

すごく・・・おっきいです///!!
家系マイスター・マーコ氏
”とりあえず家系スープの上に野菜を盛りました”的なものではなく、このラーメン専用の極太麺を使用し、且つ、しょう油感を強くするなどまさに本気の二郎インスパイアと言えよう。そして、その本気度に比例し、戦闘力も高いのである
>編集部・千葉
見た目は二郎なのに、味は完全に家系ラーメン。少ししょう油感が強いかと思いきや、野菜の甘味で最後まで飽きることなく食べられる。中毒性もあるので、大食いの方はぜひ!!
既食メニュー:MEGAラーメン(850円)
ネタ度:★★★☆☆(星3つ)

おちゃらけているが、満腹すぎて顔がかなり青ざめていた
取材を終えて
今回は一風変わったラーメンを提供する家系ラーメン店3店舗を紹介してきた。どの店舗も個性ある、クオリティの高い一杯を提供しているので、興味のある方は足を運んでみてはいかがだろう。
次回はまた新しい切り口で3店舗を紹介していく予定だ。はたして次回はどんな店が登場するのか。乞うご期待!!
2014年3月11日時点の家系家系図
<クリックして拡大>
―次回に続く―
次回の更新日は2014年3月25日(火)を予定しています。お楽しみに!
<取材協力>
神奈川のラーメンを盛り上げよう!会
http://kanagawa-ramen.net/
マーコの辛口ラーメンチェック
http://ma-ko64.com/